トトロメグの報告へ

のび太です。

妙義山へ行ってきました。
予定していたホシさんは親戚のご不幸で中止になり、
のび太・マゾッコメグ・トトロの3人となりました。

・紅葉はとてもきれいでした。
 山頂の方は盛りが終わりかけ、
 山麓の方は盛りが始まりかけという感じでした。
ただし、天気がスキッとせず、曇り勝ちだったため
青空に紅葉が映える、輝くような美しさはなく、
景観としては少々くすんだ感じがありました。
11月3日は、晴れの特異日なので、とても美しい紅葉が
見れるのではないかと思いますが、とても混むことでしょう?




・人出はそれほどでもなく、妙義神社や石門付近は結構観光客がいましたが、
全体的には混雑と言うほどのことはなく、比較的すいた印象でした。
また、宿も意外と大きな宿だったにもかかわらず、
宿泊客は5〜6組で、閑散とした感じでした。
ただし、日曜日は昼前には出かけてつくばに戻ったのですが
そのころになると、大型バスが何台も入ってきていて混雑を予想されました。

・初日は関越自動車道で事故渋滞(3台の玉突き)を含め何回か渋滞に引っかかり、
6時に出て、ついたのは9時30分を過ぎていて、登り始めは10時40分ぐらいでした。

・駐車場から見る妙義山は、ふもとの妙義神社からすぐに垂直に立ちあがっているように見え、
そこまでは一般コースで平坦と考えていた「大の字」の看板も、
まるで、ビルに取り付けられたマークのように絶壁の途中に
貼り付けられているように見えたので驚いた。

・妙義神社から右手の道を上がっていくが、
大の字までは若干の岩場も有ったがたいしたことはなく
むしろ、大変な急登のため体力的に疲れた。
大の字は近づいてみると小さく独立した岩塔になっており、
高崎や妙義松井田方面の町の眺めが大変良かった。

・大の字からしばらく登ると、妙義神社の奥の院が
(小さな洞穴のなかに、ほこらが有るというもの)
あり、そのすぐ右側に最初の鎖場が見えた。

===怪我人と会う===
・ここに達したとき、上からザックを2つ持った人が降りてきたので、
誰か怪我人がいるのか聞いたら?
そうだという。
 そこで、携帯を持っていたメグさんと降りてきた人に
後の連絡を任せ、私とトトロさんは現場へ向かった。
 最初の奥の院の横の岩場は途中ハング気味のところもあり
鎖が有っても結構怖かったので、メグさんに来ないように
大声で釘をさしておいてからさらに上へ向かった。

 怪我人は2つ3つ、岩場を登った上で、もう一人の仲間と一緒に居た。
転んで前に転倒し、はずみで転がった後、岩場を5mぐらい落ちたそうで、
膝の皿を割っており、立ちあがったり、杖や人の肩をかりて、
壊した足を使わないようにして歩くことならできるという状態であった。

 とりあえず、うまく行くかどうか、近くの木でビレーをとり、
怪我人にハーネスをつけて、最初の岩場を下ろしてみたが、
かれは腰を下ろして、滑っていけば良く、私のほうはエイト環を使って
ザイルを手繰り出していけば、全く問題なくおろせるので、
その調子で降ろしていくことにした。

最後の岩場の上で、下のメグさんたちと話が出来るようになると
下では、ヘリコプターを出すかどうか話している様子。
そこまで大げさにしなくても大丈夫と感じ、大声で、ヘリコプターは要らないと叫んだ。

で、この奥の院脇の岩場はこのルート中最大の岩場でちょっと骨なので、
少し議論した後、トトロさんのアイデアで、奥の院の洞穴の天井に空いている
穴を通して下に吊り下げおろしをすることにした。
これだと、4〜5mおろすだけで済んでしまう。
ただ、その後の道の様子がわからないので
怪我人の友達にまず、肩がらみで懸垂下降して下の様子を確かめてもらった後、
怪我人の吊り下げにかかった。
岩かどのエッジがシャープなところを通したため、
良好な状態だったザイルが結構痛んだのが少しつらかった。

===ヘリコプターによる救助===
ザイルの回収中にヘリコプターがやってきた。
メグさんははっきり要請したわけではないが県警の判断で飛ばしたようである。
ヘリのすばやい出動態勢に驚くと、ともに、ヘリの直下の激しい暴風に驚く、
まるで、強力な竜巻に見まわれたようで、木の枝や石なども吹き飛ばされ
引きちぎられて、そこら中を舞っている。
(しかし、それは直下だけで、5〜10mほど離れたところでは
うそのように静かである。ヘリがいかに効率良く垂直に風を噴出し
無駄なく機体を浮かす力を得ているものかと改めて感心する。)
が、その位置は結構、岩場の影の谷底のようなところで
なかなか見つけられないらしく、行き来している。
また、見つかっても、なかなか助け出すのは困難そうに感じる。



 そのぐらいだったら、ザイルを使っておろしたりせず
上の遭難地点で待っていれば、ヘリの救助もやさしいし、
怪我人も余計に体を使わずに済みよかったのに、
かえって余計なことをしてしまったものだ。

下との連絡がとれなかったのが残念だったと思った。
 私としては、下から救助隊が上がってくるという考えしかなく
ヘリのことは思いつかなかったので、
とりあえず、怪我人を下ろしながら、下からの救助隊と
出会ったところで渡せばいいぐらいに考えていた。

・で、こんなところでヘリが使えるのだろうか?
どうするのだろう?と思っていたら、
100m近いワイヤーがヘリから降りてきて、
それを伝って一人の人が降りてきた。
目立つようにまっ黄色の蛍光服を着ている。
 彼が怪我人の所へ向かう間にヘリはワイヤーを回収し少し離れる。
 彼が怪我人の所へ向かいハーネスをつけたのち
ヘリが来るので伏せてくださいとみんなに言ってから
ヘリに合図を送ると
再びヘリが真上に来て、ワイヤーを下ろし、救助員がそのワイヤーを
怪我人と自分のハーネスにつけて、合図をすると
ヘリが(おそらくウインチで)ワイヤーを巻き取り
それにひかれて二人が機体に回収される。

===登山続行===
・さて、一時は(下にも何箇所か岩場があるので)
妙義神社まで付き合って、怪我人を下ろすしかなく
今日の登山はこれで終わりかな?と思っていたところが
思いがけなくヘリコプターで終わってしまったため
まだ続行する時間が残っている。
で、怪我人の仲間の人に上までの時間を聞くと
怪我人がいたところはもうほとんど山頂に近いと言う、
意外と近いことに驚き、(また、最初の奥の院横の岩場以外には
とくに困難な岩場もなかったため)とりあえず、
山頂は踏もうと言うことで出かける。

・しかし、最初の奥の院横の岩場を登るときは
かなり怖い思いをするのと、それまでの簡単な岩場の様子を見ていて、
トトロさんに関しては問題を感じなかったが
メグさんに関しては、細かく微妙な足の置き場をうまく見つけることが出来ず、
勢い手に頼りがちに見えたので、
大丈夫かもしれないが、とりあえず、いざ落ちたときに、
命に別状がないようにザイルで安全確保することにした。
 最終的な確保地点が岩場のかなり左側になるのが
気になったが、良く探すと、岩場の直上に埋め込みボルトがあったので、
そこにランニングビレーをとって、垂直に確保できるようにした。
 メグさんはその態勢で登ってもらったが
途中落下したり、私が引き上げたりということはなく
メグさんの自力ですべて登った。



・このあたりまで来ると、紅葉真っ盛りで
とても美しい赤い木々の間を縫うようにして
いくつかの岩場を越えながら山頂へ向かう。
最後の岩場を越えて稜線に出たところが「見晴らし」と言う
北側に突き出た岩盤の上で、
そこから北西側は谷一つ、紅葉で埋め尽くされているような
見事な景観で思わず息を呑んだ。

・ところで、今目指している表妙義白雲山というのは
そこから、相馬岳あたりの一連の連なりのことを言うが、
しかし、そのなかのどのピークが山頂か?最高点かということになると、
地図を見ても今一つ明確ではなくよくわからない。
 で、ここだろうか次のピークだろうか?と迷いつつ、
「大のぞき」と地図に書かれたピークまで達する。
地図の印象ではここまでで白雲山頂は過ぎているのではないかと
思っていたが、それらしい標識も何もなく、どこが山頂だったか
わからない。
さらに、そこから少し深いキレットを越えた先にある
天狗岳と地図にかかれたピークは、現在地点よりわずかに高いような気もする。
となると、向こうが山頂かもしれない・・・

===下山の判断===
この時点で3時を越えており、
下山までに日が暮れる可能性があり、
これ以上進むか引き戻すかの決断に関するタイムリミットとなる。
これには以下のような事情がある。
○引き戻した場合、
一度歩いているところなので様子がよくわかり、
たとえ暮れても道がわからなくなる危険性は少ないなど、
様子がわかっている安心感が有る。
一方で、岩場はこちらの方が困難で危険は大きい、
また、ひょっとしたら白雲山頂を踏まずに戻っている可能性も高い。
○一方、先へ進んだ場合
タルワキ沢を降りるしかないが、
ガイドなどにタルワキ沢は迷いやすいと書かれているので、
日が暮れてくると道がわからなくなる可能性が有る。
しかし、岩場は少なく、来た道ほど困難ではない
また、タルワキ沢まで行けば、どこかはわからないにせよ、
どこかで白雲山の山頂を踏んだことだけは確実になる。

そこで、どうするか迷っていたら、タルワキ沢方向から鎖を登ってくる人がいる。
聞くとタルワキ沢から来たという。
そこで、迷いやすいと言ううわさがどんなものか聞いてみると、
確かに迷いやすく、かれらも日中にも関わらず、迷い迷い来たので、
止めた方が好いという。

しかし、話しているうちに、いろいろ思い返し、
むしろこちらから行くと看板やペンキが見えやすいところにあり、
そう行った目印を見落とさないように行けば大丈夫だろうと言う
意見に変わっていく。
で、時間を考えると、4時までにはタルワキ沢に入れるはずなので
日が暮れるとするとかなり下に降りてからになるので、
迷いやすいのが上のほうだけか下のほうも迷いやすいのか聞いたら
どうも、縦走路に出る部分がやっかいで、下のほうは大丈夫と言う話だったので
続行すると決める。

そこで、かなり長い鎖場を降りて、再び登りなおし、
天狗岳と書かれた所まででる、
このピークは見晴らしが良く
裏妙義の向こうに浅間山が良く見えているほか
赤城・榛名をはじめ360度の大展望が得られる。
さらに、下に見えているタルワキ沢も
谷が紅葉で埋め尽くされているような感じで
とてもすばらしい。



===タルワキ沢を降りる===
が、しばらく行ったところで縦走路が絶壁の上で途絶えており
その先に続かない。
しばらく景観を堪能した後ひき返して道を探す。
とりあえず、その絶壁の上からの見通しにより、
タルワキ沢の位置や大きな位置関係は頭に入っているので
どう言う方向へどういう方針で降りればいいかは明確にわかる。

岩を戻り降りたすぐのところの左手(北東側)に倒木が有り、
その幹に「金洞山」と書かれたプレートがつけてあるのに気づく。
これは、今いた岩の右手について回るように降りる方向にあたるが、
大地形的に見て正しい方向にあたる、今いた岩の方向が
岩の先が絶壁で降りれないので、
それを迂回する形になるこの方向は納得のいくもので
おそらくこっちだろうと思う。
ただ、トトロさんがガイドブックの記述から考えると
反対の右手方向(南西側)に正解の道があるように読めるというので
念のためにそちらの方を調べてみることにしたが
どちらへ言っても絶壁の上へ出てしまい降りれない。

そこで、「金洞山」プレートをつけた倒木の方向へ行くと
確かに道が有り、手にとるように低い紅葉の木々の中を
ずんずん進むときわめてはっきりした分岐が出てきた。
そこで、道標に「タルワキ沢」とかかれた方へ入ると、
さすがに間違いやすいと注目されているだけあって
至るところに、矢印や○印や×印がつけられていて、
それらに誘導されるように降りていく、
途中切り立ったところを降りるのに行きつ戻りつで、
突如道の方向が変わり、縫うように降りているところが
わからずに迷ったが、それ以外は順調に降りる。
なお、その切り立った場所を降りきったところの岩壁に
誰かが永眠したことを示す、家族と友人が作った
小さなレリーフが埋め込まれていた。

===中間道ハイキングコース===
・かなり薄暗くなってきたので
ヘッドライトを用意しながらあるいていると
中間道に出る少し前に完全に日が暮れてしまい真っ暗になった。
しかし、中間道はハイキングコースでしっかりと道になっており、
斜面にはしっかりとした階段がつけられており
迷うことも危険性もなく、ほぼ日没時点でここにつけたのはラッキーであった。

1.6kmで妙義神社と書かれていたので、あっという間につくような気でいたが
夜中であったこと、および、とても階段が多く、
しょっちゅうアップダウンしているため、意外と遠く感じた。

・降りたところの茶店で、夕食をとった。
メグさんはチーズカレー、われわれは牛丼+こんにゃくおでん
(こんにゃくは近くの下仁田の名産)を食べた。
その店で、上でタルワキ沢の様子を聞いた人たちと再び出会ったが
彼らはわれわれより40〜50分早く着いていたようだった。
時間的には引き戻した方がずっと速かったようである。

===旅館「福わ家」===
・その夜は下仁田まで、車で向かい
岩山センターという一泊素泊まり3000円の宿を予約している。
 実は熊倉さん中止の連絡を受けたとき御気楽ハイキングの必要性はなくなったし
トトロさんの仕事が忙しいと言う話もあったため、
予約をキャンセルして日帰りにするかどうか議論したが
 夜になり疲れたことも有り、宿を取っていてよかったと、つくづく思った。
 しかし、渋滞で予定より1時間足らず遅い出発となった上、
怪我騒ぎで、かなり時間のロスをしたにも関わらず、
夜になりながらも、とりあえずは、予定通りのコースを歩きとおせたことには満足した。

この宿は以前岩山センターと言っていたが
その後「福わ家(ふくわうち)」という屋号に改称したそうで、
道路からの看板には、「福わ家」としか書かれていなかったので、
少し迷った。
地図の方も新しい名前にしておいて欲しいものだ。

通行人に場所を聞いた後、その看板のところを入ると
空き地にバスが横倒しになっているのが
目に入り印象的であった。
さらに、川を渡った対岸に有るのだが
その橋が、車がこするのではないかと思うぐらい狭くて、ひやっとした。

この宿は、水海道出身の現在の主人が客として通っているうちに、
前の主人から後を託されて引き継いだと言う宿で、
増築を繰り返したような複雑な作りで、何百人も収容できそうな
相当大きな旅館で、想像とはずいぶん違い大変驚いた。

入ると広々としたロビーで、
昔ながらの自在鉤のある囲炉裏を囲むようになっていて、
なかなか風情が有り、いっぺんに気に入りました。
で、あちこちビデオを撮っていたら、
主人から、恥ずかしいからそんなに撮らないで下さいと言われた。

部屋は8〜10畳ぐらいと、4〜6畳ぐらいの二間からなり、
建て屋が古く畳が少し沈むものの十分満足で、
これで3000円とはとても安いと思った。

風呂の脱衣場の奥に小さな引き戸があり、ためしに入ってみたら
意外な場所に、どでかい大広間があり、
その右の廊下状のところには、少し古いインベーダーのような
ゲーム機が捨てたように並べられてあった。

===究極ののこぎり音楽===
・ロビーの壁に究極ののこぎり音楽と書かれた
CDの宣伝があったのが気になり、宿の人に聞いたところ、
デモ版はないということで、3000円と宿代と同じ値段なのに
聞かずに決めなければ行けないと言うことに躊躇したが、
どうも、ギコギコのこぎりの音でどんな音楽が出来るのか?
とても気になったので、買ってしまった・・・
が、その際、メグさんが、デモも聞けないんなら少し安くなりませんか?
と口を滑らしたのが効果覿面で、その一声で2500円になってしまった。
仕入れ値はいくらかわからないけど、それ次第では少し悪いような気もした。

早速トトロさんの車で聞いてみたら、余りにも大きなイメージのずれに
最初はその音がそれとはにわかにはわからなかった。
よく、映画やテレビでお化けが出るときにひゅ〜ひゅ〜という効果音が入るが
あの音にそっくりで、おそらくあの効果音は、これと同じやり方で作っているものと思われる。
で、あの音で、魔王や禁じられた遊びなどを演奏するので、
まるで、お化けの歌声を聞いているような妙な雰囲気のCDで
これは一聴の価値があり、買って良かったと思った。

===翌日は石門観光===
トトロさんが忙しいと言うので、午前中に出て帰ることにしたが
迷った末、とりあえず、前日には行かなかった、
石門や金洞山方面を少し見てから帰ることにした。
9時過ぎから1時間ぐらい石門見物をしたが、
中高年の観光客が多く、小さい列について歩くような感じであった。
しかし、ホームページに書かれていたような
渋滞というほどの感じはなく、写真などを撮っていると
ちょうどいいぐらいの列の進み方であった。

景色から言うと、妙義神社周辺より、さらに岩が鋭く研ぎ澄まされたように
突っ立っており、大きなアーチになった石門とか面白い形の奇岩も多く
こちらの方がずっと面白いと思った。
この日は朝からガスっていて、
その中にぼんやりと奇岩が屹立する姿は
まさに中国山水画の世界で、なかなか風情があった。
また、妙義神社に比べこちらの方が若干標高が高いのか、
あるいは一晩でかなり紅葉が進んだのか・・・
とにかくこの付近は下から紅葉真っ盛りでした。

石門と言うのは高さ20mぐらいの巨大なアーチの中を通っていくのですが、
第2石門のところは、岩壁を登ってアーチの下に達し、
また降りるようになっており、ずっと鎖場が続き、緊張します。
しかし、鎖の下の足場には岩を削って、ずっと、ステップが刻んであるし
中高年のおばさんたちもきゃぁきゃぁ言いながら
とくに問題なく越えていくし、
こちらは多少スリルは味わえるものの
やはり、一般観光ルートという感じがしました。

ところで、3時ごろつくばに戻り
竹園ショッピングセンター内の竹園珈琲というところで、
計算して清算をしたのだが、
ここは珈琲専門店なので、今まで入った事がなかったが、
意外な感じで、雰囲気がさっぱりしているし、
車椅子の若者が店をやっていました。