- 原告は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンにて本件物件を購入し、1992年(平成4年)8月7日、国際宅配業者であるDHLという会社に委託して原告方に発送した。
- ところが、被告東京税関長は、原告に対し、本件物件につき税関検査を行い、同年9月9日付(該当通知書番号第117号)で、関税定率法21条3項に基づく通知(以下「本件通知」という。)をした。
記
品名 写真集「ROBERT MAPPLETHORPE」
数量 1 冊
理由 風俗を害すべき物品と認められる。
- 原告は、右通知を不服として、1992年(平成4年)11月2日、関税法89条に基づき、被告東京税関長に対し、異義申立てをしたが、被告東京税関長は、同年12月17日、左記理由により右申立てを棄却する決定をし、右決定は同月21日、原告に到達した。
記
本件写真集は、男性の性器及び女性の陰毛を明らかに表現した写真が掲載されており、わいせつ性を強く有するものと認められる。
したがって、本件写真集は、法第21条第1項第3号に規定する「風俗を害すべき物品」に該当するものと認められる。(以下、略)
- さらに、原告は、右決定を不服として、1993年(平成5年)1月14日、大蔵大臣林義郎に対し審査請求をしたが、大蔵大臣は、同年4月5日、左記理由で本件審査請求を棄却する裁決をなし、右裁決は同月6日、原告に到達した。
記
本件審査請求に係る写真集には、男性性器及び女性陰毛を明らかに表現した写真が含まれており、わいせつ性を強く有するものと認められる。
したがって、本件写真集は、法第21条第1項第3号に規定する風俗を害すべき物品に該当するものと認められるので、審査請求人の主張には理由が認められない。