八甲田山詳細報告・その1(byコアラ)
10月26日(金)〜28日(日)の
八甲田・八幡平温泉山行の報告をアップします。
長くなってしまうので、まずは八甲田の部分のみ報告します。
(27日午前の分まで)
●メンバー:コアラ・ゴザル・タケちゃん・リン・A
ナイスバディさんは、仕事のため27日午後からの参加になってしまい、
八甲田温泉山行には、参加していない。
リンさん、Aさんは、新幹線で来たため、夕方酸ヶ湯の集合。
山行自体は、コアラ・ゴザル・タケちゃんの3人。
◎八甲田山行報告
●八甲田山の概要
八甲田山は、国道103号を境に、北八甲田と南八甲田に分かれる。
北八甲田は、ロープウエイもかかり、最高峰大岳(標高)もあり、
結構登山道も整備された、夏期は比較的気軽に登れるエリアである。
南八甲田の方は、猿倉温泉が一つの入り口になっているが、
人が少なく、登山道の整備も今ひとつで藪漕ぎ等も強いられる、
山慣れした人向けのエリアである。
今回は、最高峰である大岳に登ることをメインに、北八甲田エリアにした。
ロープウエイで標高を稼ぎ、田茂やち岳・赤倉岳・井戸岳・大岳と縦走し、
草紅葉が綺麗な毛無岱の湿原を散策して酸ヶ湯に下りる、
最もスタンダードなコースをとることにした。
山名の由来は、北八甲田8峰の各所に「神の田」という湿地があり、
「八神田」から「八甲田」を当てたという説と、
谷地高田から転じたという説がある。
いずれにしても、八甲田は火山性のピークがいくつも集まったエリアであり、
湿原が山中の此処彼処にあるという、散策向けのエリアである。
北八甲田にはピークが10峰あるが、このうち登山道があるのが8座。
今回はこの内の半分に当たる4座を縦走することになる。
●山登り開始前まで
コアラは11時15分に青森空港到着で、先に着いていたゴザルさんと合流。
レンタカーを借りるが、借りるのに手間取ってしまう。
JR寝台で来ていたタケちゃんは、青森駅でレンタカーを借り、
奥入瀬渓谷等を見学して、12時半に酸ヶ湯で集合にしていた。
我々はコンビニでお弁当を買って、車を運転しながら昼食を食べた。
本来国道103号で酸ヶ湯まで行く予定だったが、
途中で道を早めに曲がってしまい、道に迷ってしまった。
結局、裏道を通って酸ヶ湯まで上がることになってしまったのであるが、
災い転じて福と成すという訳はないが、道はくねくねして運転は大変であったが、
紅葉の黄色と赤のパッチが素晴らしく、十分紅葉を堪能できた。
今回の旅行では、ここと青荷温泉の紅葉が白眉だったと思う。
酸ヶ湯には5分遅れで着いたが、タケちゃんはまだ来ていなかった。
十和田の渋滞にはまって遅れているようであった。
昼を食べたのであるが、まだお腹がすいており、
つなぎを全く使っていないという酸ヶ湯そばを、
ゴザルさんと半分ずつにして食べた。
タケちゃんと合流でき、タケちゃんレンタカーを酸ヶ湯に残し、
コアラレンタカーでロープウエイ駅まで向かった。
ロープウエイの料金は1,150円。
あっという間に、標高1300mまで運んでくれた。
結局、出発時間は予定時間より約30分遅れであった。
●コースタイム
ロープウエイ山頂13:35−田茂やち湿原14:00〜05
−赤倉岳14:40〜45−井戸岳15:00
−大岳鞍部避難小屋15:15〜35−大岳15:50〜16:10
−大岳鞍部避難小屋16:25−上毛無岱16:50−下毛無岱17:05
−城ヶ倉温泉分岐17:35−酸ヶ湯17:55
●大岳登頂まで(田茂やち岳・赤倉岳・井戸岳)
ロープウエイ山頂からの展望は素晴らしく、これから登る八甲田の山々や、
青森市街と陸奥湾、遠くには岩木山が雲の上から頭だけ出している。
何故か、八甲田の山々には雲一つかかっていないが、
岩木山には雲がかかっていた。
田茂やち湿原の散策路を歩くが、大変心地の良い湿原である。
湿原見学用に木製のテラスがあるが、大雪のためかかなり歪んでしまっている。
あまりの歪み具合で、なんか奇妙な芸術品を見ている様でもある。
このようなテラスが、毛無岱も含めて、八甲田の此処彼処にあるのだ。
田茂やちの湿原の散策路を歩いている内に、
田茂やち岳の山頂は通らずに赤倉岳の登山口に来てしまう。
赤倉岳の急な登りを登って爆裂火口の淵に出て、
これから赤倉岳・井戸岳と爆裂火口沿いに歩くことになる。
ここに来て、北八甲田東側の高田大岳の綺麗な円錐形などが見えてくる。
今回は登らないが、高田大岳も登ってみたい山で、
ここから谷地温泉に下りるルートは、静かな山行が楽しめそうである。
ただし、道はグチャグチャらしいが。
一旦避難小屋のある鞍部まで下りるが、
小屋周辺はこの世とも思われない程素晴らしい雰囲気のエリアであった。
特に、夕日に照らされた井戸岳を望む景色が、
その周辺を飛ぶ鳶の姿と相まって、何とも言えない雰囲気を醸し出している。
避難小屋も綺麗でトイレも完備されており、
夏だったらここで1泊するのも一興である。
ここで思わず時間を費やしてしまったのは、
大岳への登り口が見つからなかったからである。
昭文社の地図では、避難小屋の西側に分岐があることになっていたので、
毛無岱の方に向かったのであるが、
その様な分岐は見つからず、かなり標高を下げてしまった。
これはおかしいと思い、かなり注意して戻ってみたが、
分岐らしいものはなく小屋まで戻ってしまった。
上の方には登山道が見えるので藪こぎするしかないのかなと思って、
小屋の周辺も見てみると、なんと小屋の東側の方に明瞭な登山道が−−−
地図が間違っていたのである。
●大岳山頂
登り出すと程なく大岳の山頂に着いた。
途中の登山道は凍結しているところがあり、
山頂は逆に日が当たるためか、グチャグチャである。
大岳からの展望も360度で素晴らしいが、
緩やかなドーム状をした山のためか、直下の毛無岱の湿原は視野に入らない。
途中の登山道からの、黄金色に染まった毛無岱の景色が素晴らしい。
登ってくる途中で、向かいの井戸岳から2人組のパーティが、
かなりのスピードで鞍部に下りてくるのが見えた。
今回の山行で唯一見かけたパーティである。
リンさん達かと思い携帯で連絡を取ってみたがつながらなかった。
こちらは発信できたが、相手が電源オフにしてあった。
下山後確認したら、この2人パーティは、案の定リンさん達であった。
2人パーティはてっきり登ってくるものばかりだと思っていたので、
しばらく山頂にとどまっていた。しかも男の人の声が近づいてくる。
実は、リンさん達は大岳に登らずに直接毛無岱の方に下りたが、
毛無岱の方からの声が何故か良く山頂に届くのである。
山頂からは、かすかに見える岩木山、
南に目を転じると、南八甲田の山々、
東には端正な円錐形の高田大岳が迫っている。
北の方向には、夕日に輝く井戸岳が。
高田大岳にかなり厚い雲がかかりだしてきたし、
2人組が来るのをあきらめて、下山を開始した。
●下山(上・下毛無岱湿原散策)
避難小屋まで戻り、そこから上毛無岱・下毛無岱と湿原散策しながら下山した。
湿原自体は、快適な木道歩きであるが、各湿原をつなぐ登山道は、
それぞれ標高差が大きいので、かなりの急な階段道である。
しかし下山なので、下に広がる湿原を見ながらの下りなので、
きつくも無く、景観も素晴らしく個人的には快適であった。
夕日に照らされて黄金色に輝く湿原の景観も素晴らしいものである。
前方には、岩木山や南八甲田の山々のシルエットが見える。
下毛無岱に着いたあたりからはだいぶ暗くなってしまったので、
ヘッドライトを付けることにした。
遠くに、弘前か黒石の街明かりが見える。
昨年の吾妻山の避難小屋山行での、
1歩間違えば遭難かもの夜間湿原山行の景色を彷彿させるものであった。
あの時は、米沢の街明かりが綺麗だったな!
今回は最初からヘッドライトを使うことは計画済みだったので、
余り焦ることはなかった。
ただ唯一の計算違いは、コアラのヘッドライトは結構暗かったのであるが、
最後まで使い切ろうとケチったのと、
単独ではないので夜間歩行訓練のつもりで、
どこまでの暗さで歩けるか試そうと思い、そのまま歩いていた。
そうしたら、木の枝を踏んだのであるが、
グチャとなんか蛇みたいな生き物を踏んだ感触があり、
ビックリして飛び跳ねたのであるが、
かなりのスピードで歩いていたために、下半身はそのまま前方に、
上半身だけ横に飛んだ形になってしまい、
そのまま背中から打ち付けられてしまった。
特に尾てい骨を強く打ってしまい、現在でもまだ痛い。
しばらく乗馬は休んでいるのが現状。
大事には至らなくて良かったが、
山では慎重に慎重を重ねて行動すべきだと、大いに反省した。
下毛無岱を過ぎ、城ノ倉温泉分岐から酸ヶ湯温泉までの道が、
結構急な下りがあり暗いこともあって難儀したが、
私のその大転倒以外は何事もなく、無事下りることが出来た。
◎八甲田の温泉
酸ヶ湯に着いたのがかなり遅い時間だったので、風呂には入らず先に食事をした。
我々は湯治場の方に泊まったので、部屋は旅館部と比べたら良くはないらしいが、
それでも十分に快適であった。
食事も大部屋でとったが、懐石料理風で美味しい夕食であった。
ヒバの千人風呂は混浴なので、
女性専用時間(21:00〜22:00)まで女性が風呂に入れないこともあり、
ロープウエイ駅に止めたコアラ用レンターカーを取りに行く必要もあることから、
女性専用時間までに戻ってこれるようにということで、谷地温泉に行った。
●谷地温泉
日帰り入浴は21時まで、300円とかなり安い。硫黄泉で白濁している。
内湯のみであるが、女性専用と混浴とがある。湯治場的な雰囲気が満点である。
混浴の方は、熱湯と温湯があり、熱湯の方が白濁している。
湯自体は、酸ヶ湯よりは柔らかい感じである。
石けんで体を洗うことが出来たので、ここで体を洗った。
混浴ではあるが、初老の女性がご夫婦で入っているだけであった。
●酸ヶ湯
谷地温泉から戻ってきてから、ヒバの千人風呂に入った。
また、深夜と朝も入ってきた。
大きくは熱湯と四分六分の湯という、2つの大きな湯船がある。
どちらも混浴ではあるが、真ん中に男・女と書いた看板が立ってあって、
ここに見えない線があり、男女の境となっている。
混浴とはいっても、隣通しで肩を並べて入るという雰囲気ではない。
また、湯は白濁しており、お湯に入ってしまえば見えないので、
女性でも混浴しやすい。
年輩の方が多かったが、女性もそれなりの人数が入っていた。
湯自体は飲むことも出来、かなり酸っぱい(酸性が高い)。
●青荷温泉
次の27日は、午後1時半頃玉川温泉でナイスバディさんと待ち合わせなので、
午前中は少し時間があると、八甲田山の西麓にある青荷温泉に行った。
この辺まで下りてくると、紅葉が盛りで、とっても綺麗であった。
この宿はランプの宿として有名で、日帰り入浴は3時まで。500円である。
湯自体は、湯ノ華が浮いているものの、透明度が高い。
全部で4つの温泉があり、本館の中の内湯(男女別)、
玄関前にある新しい温泉(男女別の内湯で全て木造、女性用には露天もある)
奥の方にある別棟の内湯(入り口は男女別だが、中は混浴)
そして混浴の露天風呂である。
どの風呂からも外の景色と紅葉を堪能することが出来た。
露天風呂からの景観も素晴らしいが、外の川沿いから見えてしまう感じが。
肌に柔らかい心地の良い湯であった。
露天には、子宝の湯という、木をくり抜いた一人用の風呂があり、
入ってみたが、湯がとってもぬるかった。
なんと湯の出口が男性のシンボルの形。まるでおしっこの様に湯が出ている。
思わず、くわえてしまった?
今回の八甲田の温泉は、3つのみであったが、いずれも良い湯であった。
谷地温泉や青荷温泉は、今度来た時には是非泊まってみたいと思いました。
◎まとめ
今回は北八甲田の一部のみの山行であったが、
北八甲田でも高田大岳は未登頂だし、
南八甲田も良い山域が手つかずに残されている。
今回、八甲田・八幡平と手を広げずに、
八甲田山域を、北・南共に堪能するというプランでも良かったのかも知れない。
温泉も、他に城ヶ倉温泉、猿倉温泉、蔦温泉など、
まだまだ入っていない良い湯が目白押しである。
また、山ML企画(温泉ML企画)で、企画を立ててみたいエリアではある。