岡山大学新聞279号 1983年7月10日

やったぜ! 津島祭復活
学友会臨時総会で「中止決議」を取り消す

『学祭やりたい!』2800人の学生が集まる。

 実行委員が集まらなかったために一度は中止が決定していた今年の津島祭だけど、6月22日に開かれた学友会臨時総会で、圧倒的多数の賛成により復活することが決まった。
 規約上は学友会の最高議決機関となってはいるけどその成立には全学生の三分の一(2700人)以上の参加を必要とする臨時総会が、実行委員もロクに集まらない状況の中で成立するとは全く信じられないことなのだ。
 総会を開くためにこの2週間でのべ四万枚以上ものビラを散くなどしてきた学祭再生委総務委員の努力もすごかったし、大学祭を自分たち自身のものとして実際に会場に足を運んだ学生の熱意もすごい。大人たちが僕らに貼ろうとする"無気力、無関心、しらけ"とかいうレッテルをいくらかでもはがせたんじゃないのかな。
 すでに実行委員会も結成されて第三十三回津島祭へ向けて準備をはじめた。今年はギャルズコンテストなど新たに本部企画を設けることも考えられていて、マンネリと低迷の"岡大バザ−祭"を突き破る記念すべき津島祭になりそうだ。
 「出席者数二千八百九十二人、委任状参加九百十九人、合計三千八百十一人。よって本日の臨時総会は成立しました」−6月22日午後2時20分、総務委員が臨時総会の成立を宣言する。拍手がまきおこる。会場の清水記念体育館は学生でいっぱいだ。一階にはもう入りきれず二階のベランダまでギッシリ。
 総務委員を議長団に選出して、まず学祭再生委員会委員長の山端君が「学祭復活動議」の提案理由を説明した。総務委員会から補足説明があったあと質疑応答に移る。ここで議案書の中の「(会議に一人でも欠席があったりした場合などには)来年の大学祭を中止する」という部分について「来年のことまで決めるのはおかしい」という批判が出され、これが認められないなら25団体は学祭運営から手を引く、という再生委側としばらくもめた。
 また総務委員会からは幹事会決定通りに今年の大学祭を中止し、来年に向けて一年間じっくり考えようという動議が提出され、それへの支持意見も出た。
 二時間近く話し合った結果、午後4時8分、起立による採決を行い、圧倒的多数の賛成で再生委員会案を可決、津島祭の復活が決まった。

解説

 ここ数年、毎年のように津島祭における学生の無責任さが問題になっていた。会議には無断欠席する、後片付けはしない、そして世話役たる実行委員会応募者の減少。昨年は実行委員に応募したのが当初たったの3人。「学祭があぶない」と総務委員がシリをたたき、幹事会で「学祭をやるかやらないか」という話し合いを重ねてやっと11人の応募で実行委員会が成立したという前歴がある。
 総務や実行委員会に関わった人なら一度は「大学祭を一ぺんやめてみた方がヨイ」と思うという。
 そして今年はその通りに総務が各サークルのシリをたたいて無理矢理実行委員を出させる、なんてマネをせずにアッサリと中止を決めてしまったというだけのことなのだ。
 この幹事会での中止決定に対して再生委員会は「学祭やりたい、だけどいいかげんなのはいやだ」と幹事会決議を幹事会で覆すのではなく、全学的な高揚を目指して臨時総会を開いて覆そうとしたのだ。
 スタートは遅かったものの25人のサークル、研究室代表が署名を集めビラを散き、それ以外の多くのサークルがワラ半紙を提供し、署名集めに協力した。漫画倶楽部はイラスト入りのビラを書き、放送文化部は総会参加を呼びかけるテープを作った。当日にはほぼ全サークルが活動を休みにして総会に集まったのだ。
 津島祭よりも参加者が多かったりハデだったりする学園祭はいくらでもある。でも全学生の三分の一以上もが「本当に学祭をやりたいんだ」と考えているところなんてきっと岡大だけじゃない。
 今年の津島祭はこの努力をムダにすることなく皆んなで盛り上げて行きたいね。

臨時総会までの経過

4月1日  82年度大学祭実行委員会、全ての総括過程を終了し解散する。この総括の中で次年度実行委員応募資格について意見が割れ、「学生に限るべき」(委員長ほか)「学生に限らない」(坂本氏)を併記して総務委員会に申し送る。
5月17日 第3回学友会幹事会。総務委員会より83年度大学祭についての方針案が出される。骨子は(1)実行委員会主催とする(2)実行委員は学生に限る(3)実効委員の人数は最低l7人、これに満たない場合は大学祭を中止する。というもので全会一致で承認される。
5月18日 学友会、83年度大学祭実行委員の募集を開始。
5月28日 実行委員募集〆切。軽音フォーク部、映研、弓道部など8人しか応募せず。
5月30日 第4回幹事会。総務委員会から第3回幹事会の決議に従って今年度の大学祭を中止するとの報告がなされ、質疑応答が無されぬまま大宇祭中止を決定。大学祭中止を決定。
6月4日 実効委員に応募した軽音フォーク部、弓道部、古武道部、出版会、合気道部、5団体の連名で学祭復活に向けてのビラが出される。
6月6日 有志呼びかけによる学祭中止に反対する集会。40余りのサークル、研究室代表が参加するが実行委員を出そうというのは11団体のみ。(呼びかけ5団体+映研、教育英語研究室、旅の会、北津寮、ワンゲル、ギターアンサンブル)
6月8日 同じく学祭中止に反対する集会。新たに15団体、計25団体が出て大学祭実現へ向けて学友会臨時総会を開くよう運動することを決める。学祭再生委員会発足。(弓道部、天文部、軽音フォーク部、古武道、合気道、映研、教育英語研究室、社研、旅の会、北津寮、ワンゲル、ギターアンサンブル、ソフトボール部、硬式庭球球部、詩吟部、競技スキー部、ゴルフ同好会、バスケ同好会、アイススケート部、中国拳法研究会、東洋文明研究会、アウトドアスポーツ同好会、熱気球同好会、福祉を考える会、文化財愛好会)
6月9日 学友会臨時総会開催を求めるビラ、署名活動開始。
6月11日 署名第一次集約1,133名
6月13日 第5回幹事会。臨時総会の定足数委任状などについて決める。定足数は医・歯の専門課程及びII部を除く全岡大生、院生8,224人の3分の1。委任状は定足数の2分の1まで認める。
6月15日 署名最終集計2,224名。署名を総務委員長に提出する。
6月16日 学友会総務委員長、学友会臨時総会開催の告示。委任状集め開始。総務委員会の意向により委任の条件は試合、講義、病気などに限り印鑑が必要。
6月21日 委任状の集約915名
6月22日 学友会臨時総会


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