岡山大学新聞263号 1981年10月20日

「新女子寮」自主管理・運営権・確保さる

依然と厳しい現状

 9月4日、「反動四条件付新女子寮(新女子寮)」の強行着工、9月8日には警官隊、機動隊の導入という大学当局の攻撃に対して阻止共闘を中心にした学生は、バリケードを構築し、強行着工を阻止して来た。また、阻止共闘は、サークル、クラス入りを行ない、学生会5サークルより、抗議決議が上がった。
 この様な中、9月28日に、女子寮の学生部長(本田)交渉が持たれた。この日の部長との交渉では、学生部長・寮双方が入寮選考を行ない、事務的な処理は、寮生が行なう事が確認された。
 そして、10月3日夜、女子寮寮生大会、厚生課交渉、4日の午前に行なわれた厚生課交渉に於いて以下のことが確認された。
一、'82年度入寮願書は学生部・厚生課・寮務係あてとするが、一切開封せずに、女子寮へ渡すこと。
二、入寮選考は女子寮運営委員会が行なう。選考方法は育英会方式と面接による。
三、入寮希望者の経済状況のコピーを学生部に提出する。ただし、名前と住所をふせる。
四、入寮者名簿を学生部に提出する。途中入寮は、一、二、三、四を適用する。
五、退寮者は女子寮運営委員会の承認を得、退寮届を学生部へ提出する。
六、最短就業年現を越えて在寮を希望する者は、女子寮運営委員会の承認を得、在寮更新届を学生部に提出する。
 また、4日夜には、上記の確認が出来た為、青桐寮前のバリケードは、学生の手によって自主撤去された。
 以上の様にして、自主管理・自主運営権は確保できたのである。
 この間、日本「共産」党=民主青年同盟は、一貫して闘争に敵対を行なってきた。彼らは、「反動四条件付」の本質たるものを見る事はなく、ただ、見せかけだけの「豊かさ」「住みやすさ」だけを対決点と置き、大学の帝国主義的再編の手先となり、具体的には「大学の自治」という幻想を持って、「機動隊の導入の口実となるバリケード封鎖はやめろ」あるいは、「バリケード封鎖の為に、女子寮との学生部長交渉もできない。」など妨害を行なってきた。この日共=民青を放逐しなければならない。
 今回の阻止闘争に於いて自主管理・自主運営権は確保できたのであるが、まだ「反動四条件」の一部を、粉砕したにすぎない。また自主管理・自主運営権の確保が、いつ反古にされるかわからない。全国的な情況でも、北海道大学に於いては、完全な学生牢獄ともいうべき名前だけの「寮」が建ち、京大では、一方的な在寮者確認の文書を送り付け、入退寮権への侵害している。
 今後とも予断を許さぬ厳しい情況が続くであろう。


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