岡山大学新聞244・245号 1979年9月15日

BOX問題事実経過

6月14日
 たまたま総務委員が学生部に行っていたところ、学生係長より新BOX建設計画が伝えられた。その計画は一期工事1500平方メートル、二期工事1000平方メートル、管理体制は現状維持というもので、一期工事は9月着工来年3月完成、二期工事は未定というものだった。

6月20日 幹事会
 新BOX建設計画を各サークルに説明するため、学生部が出席する。
 学生部は「学生の要求を取り上げたものでは、文部省から予算がおりないので学生に相談せず、新BOX建設計画を進めた。しかし新BOX建設後の部屋割りは、すべて学友会に一任する」と述ベ、今回の新BOX案が学友会との話し合いより先行していたことを認める。
 学生部から新BOX計画の見取図 (1)岡山大学サークル共用施設(一般サークル)平面図(案) (2)サークルボックス使用心得が資料として各サークルに配布される。この「サークルボックス使用心得」は学生部がBOX管理の『現状』と主張しているもの。

6月28日 幹事会
 学生部案の新BOX建設計画を検討するため開かれる。
 各サークルより今回の新BOX案について意見が述べられたが、この案を受け入れるとの意見と、学生を無視した案であるから白紙撤回するとの意見に分かれ、議論が重ねられたが、各サークルの要求を早急に調査する点で一致する。

7月5日 幹事会
 各サークルからの要求を総務委員がまとめ、「新BOX建設に関する基本的見解」として提出される。絶対多数でこの案が「基本的見解」として承認される。そして、BOX間題解決のため「BOX対策委員会」の設立が決定され、今後のBOXに関する討議、決議、方針の決定はすべて「BOX対策委員会」に全権委任されることが承認される。
 この日、学生部より「7月25日までなら新BOX建設の予算は返上可能。それ以降となれば、学生の合意が得られなくとも着工するかもしれない。」という見解が伝えられる。

7月6日 BOX対策委員会
(A)執行部の承認(委員長・副委員長・議長)
(B)学生部との交渉方針決定「基本的見解」の(3)の1.面積、2.管理体制の保障、を要求し、その保障が不可能であれば、(4)現BOXの当面の課題 1.赤レンガBOXの来年以降の保障 2.BOXがない、あるいはBOXが不備なサークルの活動の保障 3.諸設備の間題。これらを解決するよう学生部と交渉にあたる。
 以上の(A)(B)が行なわれ、今後のBOX間題はBOX対策委員会が中心となって活動していくこととなる。

7月7日 学生部交渉
 BOX対策委員会の決定にしたがい、執行部は学生部に対して面積3200平方メートル学生自主管理のサークルBOXを建設することを要求したが、学生部は不可能との回答を行なう。
 そして、学生部は学生が新BOX建設に反対しても学生部が必要と判断すれば強行着工も行なう、との強硬な態度を示す。

7月9日 執行部会
 学友会の要求に対して、学生部は不可能であるとの回答をくり返すだけで、学生無視の事実は認めようとしなかった。しかも、このままの状態がつづき、7月25日になれば自動的に者工される恐れもある。そのため執行部は今後の明確な行動方針を作成した。
・執行部方針案
1. 学生との合意なくして新BOXに関する一切の作業を進めさせない。
2. 面積は3200平方メートルを確約する。
3. 管理休制は現状維持の確約をする。
 以上三点がのまれないかぎり、今回のBOXは全サークルの安心できる活動を保障するものではない。したがって、今回の新BOX案は白紙撤回すべきである。

7月10日 BOX対策委員会
 執行部方針案が『学友会総務委員会の幹事会への要望書をふまえての白紙撤回に向けての決議案』として、執行部より提出される。
 「決議案」の不備(7月25日までとるべき行動について示されていなかった)と赤レンガBOX保障間題によって、「決議案」は承認されず。
 赤レンガBOX保障間題とは、学生部と工学部の申し合せにより赤レンガBOXが来年度には学生部から工学部に返還されるためBOXとして使用不能になる恐れがあり、白紙撤回した場合の赤レンガサークルのBOXを保障する問題である。

7月12日 BOX対策委員会
 白紙撤回後の赤レンガサークルの保障をどうするかという議論に始まる。委員会全体の流れは白紙撤回にまとまりかけていたが、赤レンガサークルは保障がないかぎり合意できないと主張しており、全iサークルが平等な立場でBOX間題に対応できるようにするためにも赤レンガ保障は重要な間題となる。
 赤レンガ保障の具体案として南BOXの再分配案が倹討される。

7月13日 執行部会
 赤レンガBOXの保障をめぐり議論される。全サークルの意志一致をめざし、BOX再分配についての各サークルの意見を聞くため執行部はサークル回りを開始する。

7月14日 執行部会
 執行部内に新BOX案に対する見解のちがいがあらわれる。そのため、学生部を呼びくわしく新BOX案の説明を受けみ。
 前日のサークル回りによって南BOX再分配案が行なえる可能性は見えはじめたが、赤レンガサークルからBOX再分配の具休案を検討した後でなければ、白紙撤回画案に対する態度は決定できないという報告あり白紙撤回案で全サークルが意思一致する可能性がうすれる。

7月16日 学生部交渉
 14日執行部内に生じた新BOX案に対する疑間点を明らかにするため、学生***(文章欠落)***うまで着工させない。強行着工すれば、新BOX建設後もそちらに移らず現状を維持する。当局が3200平方メートルを確約し強行着工を謝罪すれば、新BOXに入る。
(2)今回の新BOX案を認める。しかし建設過経においても3200平方メートル要求をつづける。3200平方メートルの確約をするまでに2500平方メートルが完成した場合は、たりない700平方メートル分南BOXを占拠する。
(3)2500平方メートルは建設させるが、新BOXには移らず現状を維持して3200平方メートルを要求しつづける。その過程において逃亡したサークルはすべて学友会から除名し、残ったサークルの必要面積が2500平方メートルになれば新BOXに移る。
 以上三つの案について議論を重ねたが意志一致を見ず、学生部には新BOX計画の凍結を申し込む。

<新BOXに関する学友会決議>

 我々はあくまでも新BOXに関しては最低面積3200平方メートル以上、学生による自主菅理を要求する。今回、学生部の提示してきた新BOX建設案は、その提示が極めて時期的に遅く、しかも、学生を無視したものであった。我々は、これまでの間、多くの討論を内部で繰り返してきたが、統一した結論を出すまでの十分な時間はなく昨日の委員会では左記の要求を学生部、大学当局に対して提示することをもって意思一致をみた。その責任はすべて学生部大学当局にあることを確認しておく。
一、学生部、大学当局は今回の新BOX建設、着工その他一切の作業を我々BOX対策委員会との合意なしにはとりかかるな。

1979年7月20日  学友会BOX対策委員会

9月14日 BOX対策委員会
 学生部は3200平方メートルのBOXを確保すると口頭で確約を行なう。その手段として、旧青桐寮および旧学生控室をのこすなど以前の計画に変更を行なった。そして、二期工事については3200平方メートルを下るようでは二期工事は取りやめると説明した
 つまり一期工事において旧青桐寮330平方メートル・旧学生控室225平方メートル・新BOX2500平方メートル・南BOX1230平方メートルがのこり合計3285平方メートル確保できることになる。

9月17日 学生部交渉
 学生部に対し、執行部は新BOX建設計回の変更された内容(9月14日学生部が口頭で確約したこと。)を文章化し確約するよう要求する。しかし学生部は確約の文章化は行なわないとの返答を行なう。

9月19日〜21日
 この間、連日BOX対策委員会が開かれたが、個々のサークルの要求した面積面の検討以外何も行なわれておらず、進展は見られない。

9月25日 幹事会
 BOX対策委員会執行部から提出されていた「BOX対策委員会会則(案)」が承認される。(賛成41・反対9・保留4)
 BOX対策委員会
 全サークルの必要最小限BOX面積(廊下便所等を除いたもの)2433平方メートルであることがわかる。

注:赤レンガBOX:工学部裏にあった、レンガ造りの旧校舎。1977年3月の北サークルBOX火災で焼け出されたサークルが暫定サークルBOXとして使っていた。
旧青桐(せいとう)寮:教養グランド南側、新BOX手前にある木造平家。付属養護教諭養成所の学生寮として以前使われていた。青桐寮はその後、現在は留学生寮として使われている建物に移転した。


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