岡山大学新聞244・245号 1979年9月15日

BOX問題のとらえ直しを

 今回のBOX間題は、六月十四日学生部から突然伝えられた新BOX建設計画によって始った。
 学友会は、BOX間題に際し、ただちにBOX対策委員会を設置し、総力をあげて対応策に取り組んできた。
 BOX対策委員会は、最初に今回の新BOX案に対する、基本的見解をまとめた。
 それによると、今回の新BOX案は、その成立過程における不備−つまりBOX使用者である学生に、一言の相談もなくつくられた−によって一切の混乱がおこったのであるから、学生部=大学当局は、まず第一に学生無視について謝罪しなければならない。そして今後一切学生に相談なく、計画を進めないという確約が必要である。
 混乱の具休的事項としは、面積、管理の間題が上っている。
 面積については、生部の主張していた二五○平方メートルでは、すべてのサークル活動の保障ができない。
 この間題については、その後学生部=大学当局は譲歩し学生の最低必要な面積三二〇〇平方メートルを保障するとロ頭で確約した。
 管理については、これまでの慣習である学生自主管理を無視し、「サークルボックス使用心得」なる文書による菅理強化である。この問題はまだまだ解決する見通しはない。
 学友会は、新BOX建設に対し、「我々のサークル活動の完全な保障」を要求してきた。つまり、サークルという、学生の自主的な真理の探求は、学生の自主的な活動であるかぎり、外部からの一切の干渉は排除されるべきであるという考えの下に進んできた。
 そのため、その活動の場であるサークルBOXの広さ設備の完備、およびBOX 建物の学生自主管理が保障されなければ、サークル活動としての存在そのものも危うくされるのである。
 現在においても面積、管理等が十分には言えないにもかかわらず、新BOXにおいて、現在以下の条件であれば我々学生はそのようなBOXを、サークルBOXとは決して認める必要はないだろう。
 今回のBOX間題においては、我々学生は常に防御−つまり、我々はわずかな自治活動の防御に全力を費いやして来た。しかし、現在にいたって、我々学生は連動によって学生部の大幅な譲歩を克ち取ることができた。
 我々学生は、これを契機に、攻撃=つまり学生自治の拡大に努めなければならない。そして、それによって大学の自治の獲得、学問の自由の保障を克ち取っていかねばならないだろう。
 そして、このBOX問題を契機に、現在我々学生の置かれている環境に対してさまざまな疑問をなげかることによって、大学の現状を見なおかねばならない。
 今やBOX問題は単にサークルBOXを獲得ずる問題にとどまらず、サークル活動のあり方、大学のあり方等を間い直す方向に向かいつつあるのだ。


[ BACK ]