昨年三月六日夜失火により北サークルボックスが全焼し、十六のサークルが焼け出されてからもう一年半もたった。
それらのサークルによって組織された北ボックス再建連合は「新ボックス建設」という極めて困難な運動を提起できず、工学部の赤レンガ棟の使用と学友会基本金からの被災援助金の支給という「金と場所」の一応の確保によってその活動はほとんど停止してしまっている。
ところが最近になって当局筋などから新ボックス建設の話が急に具体的なものとして出て来ている。
新体育館の完成等にともない、八月には北ボックス隣りに残っていたサークル練習場が取り壊され、広い空地が出現した。学生部はここをスポーツ広場として長期的に使用したい、としており、北ボックス再建は考えられなくなった。現在の学友会ボックス棟なども極めて古い建物であり、いったん出火したら数分しかもたないであろう。
だから北ボックス再建は全サークルを含む新サークルボックス建設、という問題に拡大されるのである。
ここで憂うべき問題は新ボックス建設運動が全く学生、サークル等によってになわれていない、という事である。
文部省の通達によると新ボックスになった時、サークル数が同じならばだいたい今の3分の一の広さの部室しか建てられないという。またその時をチャンス、とばかりに学生部が部室のカギを管理したりしてサークルへの管理をはかる可能性もある(すでに多くの大学で現実に行れている)。
過去における合宿所問題、学生の運動によって建てられた学生会館ですら管理運営上に様々な問題を残している事、そして寮の新寮建設闘争に対する文部省−学生部の反動的対応等を見れば、いかに現在の本学での新サークルボックス建設が重大な問題であるかがわかるであろう。
現在の様に大学における広い共同性が失れ、各サークル内にのみ安住している限り、強力な新ボックス棟建設運動を組織する事は困難であるだろう。また共同性が徹底的に崩壊した時、サークルや個人は大きな力の前に全く無力であるだろう。
未だ新ボックス棟の用地すら確保されていないままである。当局筋は「現在関係各部局と話をしている。学生諸君は私たちにまかせなさい」と言っているが、新ボックスに関して学生の意見を聞こうともしていない。
サークルボックスなどは上から与えられる物ではなく、サークルの主体性によって必要とされ、築いて行くべきものである。
今各サークル、サークル員、そして全学生が新サークルボックス問題を理解し、早く新ボックス建設運動を開始することが必要だ。