岡山大学新聞 再刊第2号(通刊237号) 1978年6月30日発行

獄中アピール

管制塔占拠戦士

岡大出身 成田2161号

 岡山大学の全ての学友諸君! 五月一日付けで出された学長告示の一当事者としてまず一言。三里塚二・二六開港阻止斗争を「不法な犯罪行為」と断じた小坂学長よ! 「目的のいかんを問わず、云々などとファッショ的言辞を吐く前に農民の声に耳を傾むけてはどうだ。内容をこそ問うべきではないか。
 政府・公団は農民が反対に立ち上がるや機動隊を投入し、文字通り力づくで農地を強奪し去った。以降十三年間政府・公開はこの北総大地を侵略し続けてきたのだ。
 小坂よ! この国家権力の道義なき無制限の暴力行使には口をつぐむのか。国家の暴力と密通する見せかけの「反暴力論ほど恥かしいものは無い思うのだが。
 五月二十日、暴政福田は傭兵=機動隊を唯一の頼りにかろうじて「開港」を強行くした。学友諸君! この「開港」は不動のものであろうか。否、断じて否である。政府、公団はこの強権的開港がぬきさしならない泥沼への道でしかない事、廃港への新たな一歩となったことをいやと言う程思い知らされるであろう。
 全ての学友諸君! 戦略的ヘゲモニーはわが手中にある。空港包囲・突入・占拠の大功勢を断固として堅持しようではないか。
 敵権力は何よりも次の事を恐れている。すなわち、大義の為にはいかなる犠牲、弾圧も怖れず、三里塚農民と共に空港へ進撃して来る労働者、学生の存在である。テロリズムとは一切無縁の自覚した人民大衆が解き放つ無限の力、この真の意味での「革命的暴力」の偉大な復権と成長こそが、勝利への鍵である。
 全ての学友諸君! 三里塚へ行こう。農民の汗と戻で息づいてきた北総大地に触れ、額に汗し、手にマメを作ろう。九〇〜百ホーンという耐えがたい爆音下でクワをふるい、さらに廃港への決意をうち囲める農民の不屈の斗魂を我物としよう。
 三月二十六日、我々は管制塔に赤旗を打ち立てた。諸君、再び管制塔に、滑走路に、人民の大義の旗を打ち立てようではないか。
 我々もまた戦線に復帰するその日まで厳然と獄中から決起しぬくであろう。
 いかなる弾圧も我々の前進を押しとどめる事はできない。諸君、共に進撃しよう。
☆総反攻で廃港へ!
☆包囲、突入戦の大攻勢を!
☆全ての学友は青年先鋒隊へ結集せよ!
 六月三日 昼下がり
 千葉拘置所にて


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