岡山大学新聞　再刊第2号（通刊237号）　1978年6月30日発行

5.25　追悼，弾劾，そして斗いへ

　「マル青同（マルクス主義青年同盟）」による本学北津寮武装襲撃、大沢真君虐殺の七五年より四度目の「五月二五日」を迎え、今年も集会が開催された。自称「革命」党派による寮という大衆の生活の場への武装襲撃、という信じ難いファッショ的暴挙が現実に岡大キャンパスを血に染めたのだ。

基調報告をする奥津北津寮運営委員長
　五月二五日午後一時半より学生会舘大会議室に一五〇人の学生、教官、市民の結集をもって”故大沢真君追悼、「マル青同」弾劾、寮斗争勝利5・25集会”が開催された。
　集会はまず大沢君の遺影への献花、黙祷に始まり、主催者の北津寮運営委員会より基調報告がなされ、「全国から『マル青同』やそれと同質のエセ『革命』党派を放逐し、二度と5・25の悲劇を繰返さない事が大沢君追悼の本当の道である。また寮内より『マル青同』に同調する分子を生み出した事を厳しく総括して行く」と述べた。
　引き続き、女子寮有志、農学生会、医学部新聞会、部落解放研、日本原斗争岡大実行委、三里塚決戦勝利学生実行委、農薬空中散布を阻止する会、山口大学吉田寮、森永告発の学内外諸戦線、個人より寮斗争に連帯し大沢君を追悼するアピールがなされた。
　最後に卒寮生から「困難な状況の中良くここまでがんばった。現在の『マル青同』の崩壊、脱落を見れば5・25以来の寮斗争と比べどちらが正しいかハッキリした。学生運動の高揚を期待する」という激励のアピ−ルがなされた。
　集会後参加者は黒へルメットで学内デモを貫徹し、各学部や学生部前でシュプレヒコールをあげた。
　今年も5・25が近づくと日「共」−民青や法経学生会は大沢君が内ゲバに巻き込まれたかの様なウソデマを流し、「暴力一掃」なる問題の本質を一切抜きにしたキャンペーンを張り、学友の糾弾をあびた。
　七五年5・25より三年が過ぎ寮内に於いても直接体験者は少数となり、歴史の中に埋もれようとしている。
　昨年までの市中デモが提起し得なくなった事や集会参加者の減少という事態を迎え、5・25以後出された反動四条件による新寮斗争の停滞をどう打ち破り、寮内安アパート化を粉砕して斗って行くかが問われていく問題であるだろう。

「五・二五」事実経過

　七五年四月、拠点化を狙って軍服、軍靴姿で本学に登場した「マル青同」は反発する多くの学生に暴行を働いた。
　中でも自主管理・自主運営で無条件新寮建設を斗って来た北津寮に対し「寮斗争は反革命経済斗争である」と決め付け、「マル青の同の統制に服するのか否か」「我々は我々以外の一切を許さない」とナイフをちらつかせて寮生を恫喝した。
　寮生の反発にあい、拠点化に失敗した彼らは五月二五日夕方、三〇人余りの部隊で寮を取り囲み、寮生に無差別のテロ、リンチを開始した。五時過ぎ彼らはいったん引き上げたので、寮生は医師を呼んだが、その場では手の施し様が無った。
　ケガ人と看護の者を残し寮生が学内抗議デモに出た途中、「マル青同」は寮を再襲撃し、医師が「死んでしまう］と止めるのも無視しケガ人にリンチを重ねた。これに対しデモに出ていた寮生約百名は教養部東南に集り、人質の安否を気づかっていた。
　八時十分頃、「マル青同」はマイクでの「殺せ！　ひき殺せ！」の絶叫と共に、宣伝カーを全速力で寮生の中に突っ込ませ、大沢真君（理学部一年）をひき殺し多くの寮生に重軽傷を負わした。大沢君の遺体は二九日、顔をつぶされた無惨な姿で山中に埋められているのが発見された。
　この悲劇を利用し、警察、大学、日「共」−民青は、「内ゲバキャンペーン」を張り、すさまじい廃寮攻撃をかけた。
　なかでも日「共」−民青は五月二十九日、死体が大沢君であると確認される前に（寮生がそうでない事を願っている時に）「大沢君追悼、暴力一掃集会」を開くという暴挙をなした。
　北津寮はこれら廃寮攻撃の中、寮を守り、六・一四人民葬、一周忌集会と斗争宣言を発し、斗い抜いて来ている。

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