岡山大学新聞再刊1号(通刊236号)1978年4月30日

交通規制

 今年初め、交通規制が施かれた。それまでにも色々と事故が起こり、何らかの処置はとられるべきであったのだろうが、今回の交通規制の場合、少なからず憤りを感じた。
 何の学生に対する説明もなく、いきなり交通規制をするからということで、自動者通学の者は、大学の認可を受けるようにと、通達されるという一方的なものであった。このことは、学生側の意向を無視したものとして捉えて、批判されるべきものであると思う。交通規制の実施を行う前にそれなりの予備通知をなし、更に充分な説明をしても良かったのではないかと思うのである。
 次に感じたことは、あの事務員(でしょうか)の態度の横柄さについてである。違反者に対する接し方にも一応の程度というものがあってもいいのではないか、それを頭ごなしに大声を張り上げ悪態をついてまるで警察気取り。あれではいくら何でも惨すぎるのではないか。
 我々学生ももう一個の人格者としと認められていいと思うので、何もあんなに全く学生の人格を無視する態度には非常に憤りを感じたのである。我々は分りの悪い子供じゃないんだから違反者にそれなりのしっかりした処置があるならば、おだやかに言えばいいと思う。
 交通規制によって主になされたことは.駐車場の制限とスピードの制限である。駐車場については、今までは殆んど野放しで、駐車出来そうな所どこにでも駐在されていたが、決められた駐車場に駐車することで解決しようとしたのだろうが、確かに野放しという状態は無くなったように思うが、今度は体育館の前に何台も駐めている。これでは駐車場の設定はどういうことなんだろうと考えてしまう。
 次にスピード制限についてはどうだろうか。学内は除行程度の二〇キロのスピード制限がされているようであるが、(実は知らなかったのである。)この点については少なからずその効果が、あったものと受け取られる。これは駐車場が制限されたということと関連して効果が上がったと思うのだが、スピード制限についてはこれはこのままの状態を保って欲しいと思う。
 色々と大学当局に不満を述べたが、今度は学生側に対して苦言を述べたい。
 確かに大学当局側の手続上の不手際と一方的な抜き打ち的規制は、当然非難されて当然と言えると思うのだが、学生側にも色々と問題とされるべき点があるのではないか。
 学生自身のモラルの低下や甘えが、多分にこの規制に関与している。
 学内を普通の道路並みにぶっ飛ばす自動車を何度も見かけて、危ないなあと思ったことは一度や二度ではない。我々自転車族にとっては、不愉快なことのひとつだ。またやたらとどこにでも車を駐める人もいる。もう少し節度をもって欲しいものだ。そうして一番解せないのは、車の方が便利だというので、近くても他の交通機関を利用せず、わざわざ大学まで車で乗り込んで来る人も沢山いる。車が絶対に必要であるという人が一体何人いるだろう。
 今度の交通規制をひとつの反省材料として一体となった大学の運営を考えたらどうだろうか。


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