毎年恒例となっている年末の中央線沿線低山登山。今年は小荒井さんに加えて数年ぶりに稲葉さんと始めて稲葉さんの息子さんの4人で大月市の高川山,岩殿山に行ってきた。
高川山はこの企画で2005年12月29日に登っている(高川山山行)。このときは小荒井さんと齋藤さんの3人だった。大月市が制定している秀麗富嶽十二景の一つ。十二景の中でも登ってない山があるけれど,小荒井さんと稲葉さんがつくばから来ること,12月で日が短いことなどから手軽な高川山となった。
9時32分初狩着の予定で,国分寺発8時11分の中央特快に乗るはず。ところが出がけにもたもたしてしまう。駅までずっと走ったものの,タッチの差で中央特快は出てしまった。途中で特急の通過待ちなどがあり,32分には間に合わない。稲葉さんに電話をかけ,遅れることを伝えた。10時2分に初狩駅到着。初狩駅は無人駅で何もないため,3人は大月駅で待っていたという。
稲葉さんの息子さん聖岳君は中学1年生。前回の高川山登山の時はまだ赤ちゃんだったことになる。
10時10分ぐらいに歩き出し,35分に登山道入り口。新ルートと玉子石ルートとがあり,玉子石ルートを選ぶ。途中は杉の放置林,あるいは間伐した材を倒したままの切り捨て間伐と荒れている。玉子石はショボかった。30分ぐらいで新ルートの女坂に合流する。
11時42分に高川山山頂。穏やかな天気だったこともあり,けっこう人がいた。三角点の周りは霜柱が融けてグチャグチャになっていた。富士山の眺望はもちろん,新宿の高層ビル街,南アルプス甲斐駒なども見える。
前回登った時はビッキーという犬がいた。野良犬というか,麓に住んでいて朝山頂まで登り,登山客からご飯をもらっては夕方下山するという。大人しい犬で登山客から慕われていたが2010年に死んでしまった。山頂にはビッキーのことを伝える新聞記事の切り抜きや寄せ書きノートが置かれていた。聖岳君もビッキーに会いたかったとノートに書き加えた。
昼食を取って下山開始。南側の斜面をくだったのだが,いきなり急な鎖場で焦る。登るならたいしたことないけれど,下るのは怖いものだ。
その後はなだらかなハイキングルート。日当たりの良い松と広葉樹の混成林が主で,秋に来たらいろいろキノコが採れそうだ,とついキノコ目線になってしまう。
やがて山里へ。リニア実験線の下をくぐる。稲葉さん親子はリニア見学センターに行きたかったようだが,年末ということで残念ながら休館。リニア実験線の下をくぐれただけでも喜んでいた。
13時46分ごろには古い学校を利用した尾県郷土資料館に到着。ここも年末なので開いていない。前回も年末だったので入れず。いつか中を見ることはできるのだろうか・・・ 考えてみれば三つ峠研修の帰りにこの近くを通っているので,その気になれば見られるのだが。
資料館前でのんびりして,田野倉駅へ向かう途中で単独ハイカーに抜かれる。見れば小荒井さんも稲葉さんもスマホを持っておらず,富士急大月線のダイヤを把握していない。自分が調べたらあと数分で大月行きが来る。ここでぼくらも走れば間に合うはずだが,高川山登山で疲れてしまい,のんびり歩くことにした。田野倉駅では4分の遅れで大月行きを逃し,駅前のベンチで時間をつぶす。次の列車は14時44分発。機関車トーマスのラッピング列車だったので,稲葉さん親子は喜んでいた。
2駅,6分の乗車で大月駅に到着。そこから歩いて10分ぐらいで次の目的地である岩殿山登山口に到着。岩殿山はいつも中央高速や三つ峠行きで見えている,巨大な岸壁が気になる山だった。なぜクライミングの対象にならないのか,観光地だから,史跡だからか。ネットで調べると礫岩なのでもろくて登れないという記事を見つけた。大昔,竹本さんや北山さんたちは登ったようだが。
岩殿山の登山道は,ずっとコンクリートの階段。危険なところはまったく無い。ただ小荒井さんが遅れ,聖岳君も頭が痛くなったということで,ゆっくり登る。登山道から大岸壁はあまり見えないけれど,途中ですぐ横に露岩があった。確かにボロボロの礫岩。これではボルトは効かないしホールドも不安定だ。スポートクライミングで取り付く岩では無い。
15時半ぐらいに展望台に到着。目の前に富士山,眼下には大月の町並み。絶景だ。小荒井さんの解説によれば,かつて大月あたりが台地だったのが桂川の浸食によって削られて河岸段丘となり,礫岩の塊だった岩殿山がぽっかりと残ったという。中央線も中央高速も甲州街道も削られた底の方を走っている。
展望台は山頂ではないので,山頂に移動する。ここは標高がスカイツリーと同じ634m,スカイツリーはほぼ海抜0メートルから立っているの対し,岩殿山は大月駅で標高359mあるので,高低差は倍違う。山頂には中継アンテナなどがあるだけで,眺望は無い。すぐに展望台に戻り,南アルプスに沈む夕日と赤く染まる富士山を堪能した。
16時20分ぐらいに展望台を出発する。稚児落としというハードなルートもあるが,もうすぐ暗くなるだろうから,そちらはパスし,登ってきた石段をひたすら下る。
大月駅に戻ってきたのは17時5分頃。どうにか真っ暗になる前だった。駅前にある「長寿村権六」という居酒屋でほうとうや馬刺しを食べ,電車の自分だけビールをいただいた。
18時26分発の高尾行き,高尾で中央線快速に乗り換えて岐路についた。
稲葉さんは子どもが生まれてしばらく登山を控えていたが,今年ぐらいから聖岳君と登山を再開している。この先部活だ塾だと忙しくなるし,親離れしていくだろうけど,またみんなで一緒に登山できそうなの楽しみ。