この連休、友人と二人で日本で2番目に高い山、南アルプスの北岳に登ってきた。もちろん一般登山道だ。
天気予報が見事に外れ、初日の19日は暴風雨。ほとんど景色は見えないし、テント泊は断念して小屋に素泊まり。身体も冷え切って低体温症一歩手前? という悲惨な登山だった。
二日目の20日は一転して好天に恵まれ、朝日に輝く北岳、富士山、鳳凰三山、甲斐駒、千丈、白馬、槍、穂高を眺めることができた。
この連休、猫たちの具合も落ち着いてきたので、久しぶりに山登りをすることにしていた。去年はどこも行ってないから、2007年の6月に雲取山に登って以来。
最初は一人でのんびり、八ヶ岳でもぶらぶらしようかと思っていたのだが、山のMLで書いたところ、ひたちなか市に住んでいるタケさんから一緒に行かないかとお誘いがあった。
週間天気予報では、山梨・長野方面の天気が崩れるという。群馬や新潟の方が天気良さそうなので、谷川山系の平標~仙ノ倉~大源太山~三国山という
ルートを登ることにした。ところが、直前になって予報が逆転し、平標周辺は日曜日降水確率80%以上に。山梨は日曜日の午後、ちょっとだけ雨の予報。そこ
で、タケさんお気に入りの北岳に行き先を変更した。彼女はすでに5回も登っているという。最近、クライミングに興味を持ち、地元のフリーメイト(小林由佳さんのお父さんがやっているジム)でボルダリング体験をしたという。もちろん、今回はバットレスではなく、一般道登山だ。
日曜日、朝5時過ぎに家を出て、7時20分に芦倉市営駐車場で待ち合わせ。ところが甲府昭和インターを降りたところでタケさんから電話があり、す
でに市営駐車場は満車で追い返され、数キロ降りた道路際のスペースに駐車しているという。問題はここから芦倉までどうやって行くかということ。そうしたら
乗り合いタクシーがやってきて、芦倉まで乗せてくれた。
芦倉で別の乗り合いタクシーに移り、広河原へ。予報では午前中は晴れか曇りだったのに、小雨が降っている。レインウェアを着込んで歩き出す。
今年は雪が多く、大樺沢は下の方まで雪渓が残っている。八本歯のコル経由で登るにはアイゼンが必要だという。もちろんぼくらは二俣を右俣経由で稜線というコースをたどる。久しぶりの登山で、足腰がつらい。おまけに朝、コンビニに寄り損なって昼食を購入できず。バナナとプロテインが昼食だ。
稜線に出ると、雨はほとんどやんだものの風が強い。小屋の手前ではまっすぐ歩くのも困難なほどで、ザックカバーははがされてしまった。
小屋の前にはテントも何張りかあったが、強風にひしゃげている。撤収しているグループもある。今からテントを張れる自信がないし、ゆっくり安心して休めそうにもない。ちょっともったいないけれど、素泊まりに変更する。他にもテント泊から小屋泊に変更した人が多いのだろう。中もごった返しており、寝返りを打つのもままならないぎゅうぎゅう詰めだ。
小屋に着いた時点で、両手の指がしびれている。かじかんでいるのではなく、ビリビリとしびれた感じだ。手袋を忘れてしまったのが失敗。唇も紫色になっているという。ダウンパーカを着込み、小屋の梁で懸垂し、懐炉を背中に貼り、アルファ米のリゾットとワインで暖まる。
朝4時過ぎ、「朝焼けだぞ」と誰かが叫んで、みんなバタバタと起き出す。外に出ると、いつの間にかすっかり雲はなくなっていた。鳳凰三山の方から朝日が昇り、北岳は赤く染まっている。富士山、甲斐駒、千丈、そして遠く白馬や槍、穂高も見える。
朝食を済ませて、荷物を小屋に置いて空身で北岳山頂を往復。7時半、3193mのピークに立った。
下山途中、小太郎山にピストンすることにした。分岐から片道1時間程度で、見晴らしもいい山梨100名山だが、登山地図では点線ルートで描かれて
いることもあって、あまり登る人はいないらしい。スタート地点から山頂はかすかに見えているのだが、途中、何度も小ピークがあり、これで山頂かと思うと、
まだだいぶ先にあるということでがっくりの連続。ガレ場、岩場、樹林帯、ハイマツと足下の様子もころころ変わる。小太郎山の山頂からは北岳の全貌、そして
目の前には千丈岳がはっきり見える。
下山は昨日と同じコースを戻ることにした。久しぶりにストックを使ったが、それでも下りはさらにきつい。暑くて汗が噴き出すし、足がもつれて何度
もこけてしまう。尻餅をついたところで、石のでっぱりに左足の付け根を思いっきりぶつける。打撲だからアイシングするのがいいのだけど、こんな部位じゃ冷やすこともできない。それでも、お花畑をじっくり堪能することができた。
1時半のバスは諦め、3時を目標にのんびり休みながら下山する。ぶつけた箇所は、下りではあまり関係ないが、ちょっと登るところではかなり痛む。2時過ぎには広河原到着。乗り合いタクシーが満車になってしまったので、バスに乗る。芦安の下に車を停めたということを話したら、途中下車してく
れるという。
ところがバスのスタッフはぼくらが「学校の駐車場」に停めたものと勘違いして、芦安中の前で降ろされた。このちょっと先ですよと言われて歩き出したが、ぜんぜん風景が違う。1kmほどとぼとぼ歩いたら、ようやくエスクードを発見。東電芦安発電所が目標だったようだ。
この時点で4時過ぎ。すでに中央高速は30kmの渋滞が始まっているという。夕方に向けてどんどん渋滞は長くなるだろうから、さっさと帰ることにする。常磐道を使うタケさんは首都高の渋滞を避けるため、逆にのんびり帰るということで、温泉へ。ここで分かれる。
結局、小仏トンネル手前から30km、2時間あまりの渋滞だった。20時半に到着。
次回はぜひ、バットレスを登ってみたいもの・・・