年末から取り組んでいたロケットストーブを完成させた。ロケットストーブとは、断熱材で囲んだ空気取り入れ口・燃焼部・煙突がつながった筒になっており、煙突効果で薪や木ぎれなどを効率よく燃焼させることができる。原型はドラム缶などで作られたというが、日本ではペール缶や一斗缶などでコンパクトにしたものが一般的だ。『里山資本主義』(角川Oneシリーズ)で紹介されているのを読んで興味を持ち、みんなの森で作ったら面白いのではないかと思い立った。実際、東日本大震災の被災地に送られて活用されたという。
材料はペール缶とステンレスの煙突、それに断熱材としてパーミキュライトかパーライト。ペール缶は年末のうちに近所の自動車屋でもらってきたのだが、煙突が手に入らない。市内のホームセンター5軒を回ったけれど、扱ってないか在庫無し。コメリのネットショップで注文し、西府中店で受け取ることにした。これだと送料がかからない。
ステン煙突 直筒106mm 758円
ステン煙突 エビ曲106mm 688円
ステン煙突 Tマガリ106mm 898円
パーライトはコーナンで20リットル入りを2袋購入。743円×2
合計金額3830円なり。
ペール缶は中が汚れていたのでガソリンで拭いてきれいにする。自動車整備工場ではエンジンオイルを200リットル単位で買うので、20リットルのペール缶はあまり出ないのだそうだ。ガソリンスタンドの方がきれいな空き缶が入手しやすいかも。
直筒900mmを買ったのだけど、調べたら450mmの半直筒というのにすれば良かった。今更返品交換も面倒なので半分に切断することにした。
紙に煙突の外径を取り、12等分の線を引く。丸く切り抜いてペール缶に当て、マジックで線を写し取った。外径ぴったりだと煙突が通らないので、2mmぐらい広げてやる。Webに出てくる製作記事は金切りハサミで切れ目を入れるのが多いけれど、ディスクグラインダーがあるのでこれを使う。火花が飛び散るのでフリースは禁物だ。革手袋やゴーグルも有った方がいいだろう。
下側のペール缶はハンドル不要なので、ペンチでこじって取り去る。再利用することはないので、グラインダーで切断した方が早かったかも。
ペール缶は上に来る奴の底を切り抜き、2段重ねる。一般的にはボルトナットで固定するが、一度組み立てたら分解する必要はないので、ブラインドリベットとハンドリベッターで固定する。
横に穴を開けたペール缶が下段。Tマガリを外から差し込み、エビ曲を重ねる。針金でペール缶の折り込みを締めようとしたけれど、うまくいかないので諦めた。さらにエビ曲に直筒を接続し、ペール缶の中にパーライトを充填。これが断熱材の働きをする。600度以上になるのでグラスウールでは溶けてしまうそうだ。横穴からパーライトがこぼれてきたけれど、ふさぎようもないので気にしない。いずれ落ち着くだろう。
上までパーライトを充填し、穴を開けた底部分を置いて完成。慣れれば1時間はかからないだろう。
試運転ということで小枝に火を付けてみる。解説では直筒が煙突となって燃焼部から火が吸い込まれ、相当な火力になるというのだけど全然ダメ。木は燃焼部でもくもく煙をあげて燃えるし、煙突の先からは暖かい空気が出てくるだけ。話が違う~ どこで失敗したのかとめげそうになっていたら、だんだん炎が中に向かうようになってきた。どうやら煙突部が暖まらないとロケット効果が出てこないようだ。
一度勢いが付くと炎は横に吸い込まれ、ゴォーっと音を立てて燃える。煙突開口部からは熱風が吹き出し、煙は立たない。やかんを置いたところ、カップ2杯の水が20分程度で沸騰した。使った燃料は角材1mぐらいだろうか。これなら料理にも使えそうだ。
今度、みんなの森の活動に持って行って試してみよう。