昨夜は池袋の勤労福祉会館で行われた横山・ジャンボ・勝丘さんの講演会「Mt.ローガン登攀報告-北米での1年を振返って-」(都岳連主催)に行ってきた。
横山さんは2009年4月から北米に移住し、中古のバンを入手してカナダ、アラスカ、そしてヨセミテなどアメリカ西部でのクライミングライフを続けてき
た。今年5月にカナダ最高峰であるローガン山南東壁を初登したのを区切りとして帰国。現在は山梨の長坂インター近くに住んでいる。
講演会場ではクラハイのまり。さんやZooのKさんなどジムや岩場で見知った人が何人も。佐藤祐介さんの講演会でもそうだったけれど、Giri Giri Boysのメンバーはフリーもアルパインも超一流なので、自然と強いクライマーが周りに集まってくる。
まず前半では昨年5月に、鳴海玄希さんとアラスカのハンター北バットレスにある「Wall of Shadows」フリー化の報告。いったんは途中で強風に煽られて敗退したものの、5日後に天候の回復を待って再挑戦し無事に登頂に成功した。また Wall of Shadows以降は北米各地を旅しながらのフリークライミングでの思い出が数々の写真とともに語られた。各地でクライマー仲間に歓迎され、パーティに招 かれたり泊まったりすることもしばしばだったという。
講演会の後半ではローガン南東壁初登の記録報告が行われた。アラスカに接するカナダ・ユーコン準州にあるローガン山は標高は5,959m。アラスカのマッ キンリー(デナリ)に次ぐ北米大陸第2の高峰であり、世界で最も大きな山麓を持つといわれている。今年4月、横山さんは鳴海さん、岡田康さんと3人で向 かった。
アプローチはセスナで広大な氷河に着陸するしかなく、ベースキャンプから山のふもとまで10km。一度は取付きまで行ったものの、雪が降ればベースキャン プの場所すら分からなくなることに気づいて、あわてて引き返したとのこと。とにかく天候不順な山で、降るときには一晩で首まで降るとも。GPSを持たない 彼らは、ベースキャンプに長いテントポールを突き立て、コンパスで慎重に方角を記録しながら再度ローガン山へ向かった。
片道30kmを歩いて東峰まで行き、すさまじい吹雪の中で1週間にわたって高度順応を行った。しかしあまりにハードだったことなどから体力的にも精神的にも消耗し、鳴海さんは南東壁のアタックを断念。ベースキャンプに残留することになる。
5月4日未明、横山さんと岡田さんは二人でローガン東南壁へのアタックを開始。最初は「1日で登れるんじゃないか」と元気だったものの、想像以上の傾斜と 氷の薄さ、岩のもろさからなかなか核心部を越えられず、2回ほど壁の途中でビバーク。もう引き返すことはできない、生きて帰るには登り切るしかないという 状態になり、ようやく3日目にして稜線に立つことができた。この夜は洞窟のようになっていて、どんなに強風が吹いても安心できるクレバスを見つけて潜り込 んだが、マイナス40度近い寒さに靴の中で靴下が凍ってしまい、脱ぐのに苦労したほど。夜は一睡もできなかったという。
4日目も奇跡的な好天。二人は東峰を頂上目指して歩いたけれど、もう体力の限界を越えていた。頂上まであと600m地点で、30分間激論を交わした結果は 「撤退」。荷物をまとめ、いざ下降を始めようとしたときに横山さんは思わず「あ~あ」とつぶやいてしまった。それを聞いた岡田さんは即座に「やっぱり登ら なくちゃダメだ」と。そこから3時間かけ、ふらふらになりながら二人は東峰山頂に立った。寒さと疲れで、写真を撮っただけの山頂。だけどその時に「この山 (ローガン山)のすべてを受け入れることができた」という。
ローガン山自体は東稜などのルートで登られているが、岩と氷の壁を登ったのは岡田さんと横山さんが世界初。彼らはこのルートを「糸I-TO」と名付けた。
質疑応答ではいろいろな質問が出ましたが、最後に「これからの目標は?」という問いには、「まず働いてお金を貯めること」。来年は充電(貯金?)期間とし、再来年にはまた海外でのアタックを再開したいとのこと。
講演会場ではクラハイのまり。さんやZooのKさんなどジムや岩場で見知った人が何人も。佐藤祐介さんの講演会でもそうだったけれど、Giri Giri Boysのメンバーはフリーもアルパインも超一流なので、自然と強いクライマーが周りに集まってくる。
まず前半では昨年5月に、鳴海玄希さんとアラスカのハンター北バットレスにある「Wall of Shadows」フリー化の報告。いったんは途中で強風に煽られて敗退したものの、5日後に天候の回復を待って再挑戦し無事に登頂に成功した。また Wall of Shadows以降は北米各地を旅しながらのフリークライミングでの思い出が数々の写真とともに語られた。各地でクライマー仲間に歓迎され、パーティに招 かれたり泊まったりすることもしばしばだったという。
講演会の後半ではローガン南東壁初登の記録報告が行われた。アラスカに接するカナダ・ユーコン準州にあるローガン山は標高は5,959m。アラスカのマッ キンリー(デナリ)に次ぐ北米大陸第2の高峰であり、世界で最も大きな山麓を持つといわれている。今年4月、横山さんは鳴海さん、岡田康さんと3人で向 かった。
アプローチはセスナで広大な氷河に着陸するしかなく、ベースキャンプから山のふもとまで10km。一度は取付きまで行ったものの、雪が降ればベースキャン プの場所すら分からなくなることに気づいて、あわてて引き返したとのこと。とにかく天候不順な山で、降るときには一晩で首まで降るとも。GPSを持たない 彼らは、ベースキャンプに長いテントポールを突き立て、コンパスで慎重に方角を記録しながら再度ローガン山へ向かった。
片道30kmを歩いて東峰まで行き、すさまじい吹雪の中で1週間にわたって高度順応を行った。しかしあまりにハードだったことなどから体力的にも精神的にも消耗し、鳴海さんは南東壁のアタックを断念。ベースキャンプに残留することになる。
5月4日未明、横山さんと岡田さんは二人でローガン東南壁へのアタックを開始。最初は「1日で登れるんじゃないか」と元気だったものの、想像以上の傾斜と 氷の薄さ、岩のもろさからなかなか核心部を越えられず、2回ほど壁の途中でビバーク。もう引き返すことはできない、生きて帰るには登り切るしかないという 状態になり、ようやく3日目にして稜線に立つことができた。この夜は洞窟のようになっていて、どんなに強風が吹いても安心できるクレバスを見つけて潜り込 んだが、マイナス40度近い寒さに靴の中で靴下が凍ってしまい、脱ぐのに苦労したほど。夜は一睡もできなかったという。
4日目も奇跡的な好天。二人は東峰を頂上目指して歩いたけれど、もう体力の限界を越えていた。頂上まであと600m地点で、30分間激論を交わした結果は 「撤退」。荷物をまとめ、いざ下降を始めようとしたときに横山さんは思わず「あ~あ」とつぶやいてしまった。それを聞いた岡田さんは即座に「やっぱり登ら なくちゃダメだ」と。そこから3時間かけ、ふらふらになりながら二人は東峰山頂に立った。寒さと疲れで、写真を撮っただけの山頂。だけどその時に「この山 (ローガン山)のすべてを受け入れることができた」という。
ローガン山自体は東稜などのルートで登られているが、岩と氷の壁を登ったのは岡田さんと横山さんが世界初。彼らはこのルートを「糸I-TO」と名付けた。
質疑応答ではいろいろな質問が出ましたが、最後に「これからの目標は?」という問いには、「まず働いてお金を貯めること」。来年は充電(貯金?)期間とし、再来年にはまた海外でのアタックを再開したいとのこと。