◎大滝根山山行報告(byコアラ)
日にち 11月9日(日)
メンバー:コアラ、キミベエ夫妻
キミベエ夫妻と、
阿武隈高地の最高峰である大滝根山(標高1192m)に登ってきました。
元々11月9日に御坂黒岳山行を希望していたのはキミベエ夫妻だったので、
それに応じて、山MLにも9日に御坂黒岳でアナウンスしておりました。
しかし、コアラの提示したプランだと、
常磐線の始発利用で、しかも遅い帰りになるため、
キミベエ夫妻から阿武隈山地か栃木南部などの、
近場の山に変更なら参加したいとの打診が、数日前にありました。
元々9日は天気も悪そうだったので、
御坂黒岳山行では富士山の展望が期待出来なかったし、
他に黒岳希望者がいなかったので、
8日夜の食事会でキミベエ夫妻と相談して、
阿武隈高地の最高峰である大滝根山に変更しました。
連ちゃんで福島方面だったので、コアラはつくばには戻らず、
なか健康ランドに泊まったので、荒天でない限り雨天決行と決めました。
キミベエさん宅に午前7時に集合し、
いかにも雨が降りそうな天気でしたが、まだ降っていなかったので出発。
キミベエさんの車で、ご主人の運転で登ってきました。
高速で日立南ICから小野ICまで行きましたが(高速代片道2700円)、
その途中は結構激しい雨が降りました。
いわき市を過ぎたあたりからは雨も小降りになり、展望も開けてきました。
車窓から見る阿武隈の山々は、
常緑樹の中に黄や赤の紅葉がパッチ状に広がり、鮮やかでした。
●山の概要
阿武隈高地は隆起準平原の老年期の山地で、なだらかな山容である。
阿武隈には1000m峰は3座。
日山(標高1057m:富士山が見える最も北の山といわれている)
八溝山(標高1022m:茨城県最高峰)
そして、阿武隈高地最高峰の大滝根山である。
大滝根山は、三百名山にもなっている(阿武隈高地では、他に八溝山)。
阿武隈高地は基本的には花崗岩の山塊ですが、
大滝根山周辺は例外的に石灰岩のエリアで、
近くには、東洋一の規模を持つ鍾乳洞などもあります。
この山は、平安時代初期に、坂上田村麻呂に滅ぼされた、
大多鬼丸の居城があったとされている。
歴史は勝者の視点から描かれており、朝廷に逆らった大武丸は、
没後、鬼の字を当てられて、大多鬼丸とされ、
周辺の鬼伝説の元にもなっている。
真実は、朝廷から過度の租税の徴収を求められたが、
村民のためそれに応じなかったため、
朝廷は田村麻呂を派遣して、これを制圧したとされている。
●鍾乳洞見学
山行時間が約2時間半と半日コースの山だったので、
下山後に「あぶくま洞」や「入水鍾乳洞」などの観光も考えていました。
当初の天気予報では、曇りで午後から雨の予報でしたが、天気の変化が早く、
高速道での移動中は雨が激しく、午後から回復する傾向とのことでしたので、
登山前に入水鍾乳洞に行きました。
あぶくま洞は、キミベエ夫妻は行ったことがあるとのことでしたので、
まずは入水鍾乳洞に向かい、時間があったらあぶくま洞ということに。
入水鍾乳洞はA/B/Cの3コース有るのですが、
B/Cコースは整備されておらず、ローソク等が必要。
特にCコースは案内人が必要で、5人で4800円だそうです。
どうせなら探検コースの方が面白いだろうと、BかCコースを想定して、
ヘッドライトと足元が濡れても良いように
登山靴・スパッツ等を準備して行ったのですが、
サンダルと短パン(海パン)が必要だとか。
要は、膝上まで水に浸かるようなコースで、しかも水温は14度とか。
これから山登りを控えているので濡れたズボンで歩きたくないし、
この時期ではさすがに無理だろうと判断し、
直ぐさまAコースに軟弱に変更(1人550円)。
しかし、このAコースも整備されているとはいえ、
すごく狭い鍾乳洞の中を、滝のように水が流れる中を歩くコースで、
整備されていなかったら、B/Cコース以上に冒険だったことでしょう。
なかなか迫力があって、楽しめました。
★山MLの皆さんへ(新企画のご案内)
5人揃えばCコースも結構安いお値段で楽しめるので、
5人以上集めて、来年の梅雨以降の暖かい時期に、
入水鍾乳洞のCコース探検ツアーを企画しようという話が、
キミベエ夫妻との間で持ち上がりました。
可能なら、山ML企画として立ち上げたいと思っているので、
興味ある方は、山MLで表明願います。
(だいぶ先の話で申し訳ありませんが)
●コースの概要
「あぶくま高原ホテル」に車を止めて登りました。
今回は半日の山行予定だったので、下山後食事を取ろうと、
登るときに食事を持って上がりませんでした。
先に入水鍾乳洞に行ってしまったので、登山開始が11時になってしまい、
登山口の高原ホテルで、登る前に食事をしてから上がろうかとも考えましたが、
まだホテルの食堂が空いていなかったので、
山麓に戻って食料の調達をするのも時間のロスになるので、
そのまま我慢して登ってしまいました。
登りは鬼五郎渓谷沿いに登り、沢沿いの山行を楽しみました。
下山は稜線沿いの蟻の戸渡り経由で下りましたが、
このコースは最後は鬼穴の登山口に出るので、
そこから車道を30分以上登って、
あぶくま高原ホテルに戻らないとなりません。
出発時間が遅くなり、早く下山して昼食を取りたかったので、
途中のブナ平から、鬼五郎渓谷にトラバーする道を歩き、
結局登山口であるあぶくま高原ホテルに下山できるような、
変則的な周回コースを取ることにしました。
●コースタイム
あぶくま高原ホテル11:00−賽の河原11:20〜25
−子育地蔵11:50−大滝根山山頂12:10〜55
−大越分岐13:10−蟻ノ戸渡り13:15−ブナ平13:30
−鬼五郎渓谷合流13:40−あぶくま高原ホテル13:50
あいにくの天気だったため、他に登山客はいませんでしたが、
天気自体は回復傾向にあり、特段雨具はいらない感じでした。
しかしながら、登りの鬼五郎渓谷のルートは、
登山口をはじめ渓谷内も余り案内等が整備されておらず、
鬱蒼とした山で途中道が今一判断できない所があり、
単独行だとちょっとめげていたかもしれません。
その点、キミベエ夫妻と一緒の山行だったので、良かったです。
最後の取り付きのところがかなり急で、
鎖場になっていて、ちょっと大変でした。
そこの部分の傾斜だけだと、前日の二岐山の直登よりも急傾斜でした。
山頂はガスに覆われてしまい、全く展望は得られませんでしたが、
元々樹林に覆われた山ですので、展望自体は余り期待できる山ではなく、
その点では余りガッカリはしませんでした。
一等三角点のある真の山頂は、
自衛隊のレーダ施設があるため、立ち入り出来ません。
フェンス越しに、三角点の写真を撮りました。
山頂の一角には、坂上田村麻呂の創建といわれる霊峰神社があり、
そこが広場になっているので、
そこでコーヒーを沸かしたり、お菓子を食べたりして長めに休憩。
この時、キミベエさんが山頂で良くマーキングするという話題がでて、
結構この話題で盛り上がりました。
下山路の尾根沿いのルートは、雑木林の落ち着いた感じのルートで、
登りの鬼五郎渓谷の様に迷うこともなく、雰囲気が良かったです。
ガスってさえなければ展望も得られたことでしょう。
また、蟻ノ戸渡りでは、一枚岩の鎖場が有ったりと、
結構変化に富んだコース取りがとれ、予想より楽しい山行でした。
この鎖場では、コアラはその脇から下りることが出来たので、
そこを通過して下りてしまったのですが、
キミベエさんはその一枚岩を面白がって、鎖に捕まりながら下りてきました。
よっぽど岩場や鎖場が好きみたいです。
余りにも楽しそうだったので、コアラも一度下ったのに、
また一枚岩の鎖場を、鎖を使って登って下りてをしてしまいました。
ブナ平からのトラバーのルートは、普段は余り使われておらず、
藪っぽい道でしたが、踏み分け道をどんどん進んでいったら、
しばらくして登山道の一角に出て一安心。
後は行きと同じ道を、あぶくま高原ホテルに向かうだけでした。
●下山後
山頂でコーヒーを飲みながらお菓子を食べたくらいで、
午後2時まで食事をせずに山登りをしてしまいました。
従って、下山してきた時には、おなかぺこぺこ。
当初コアラは、あぶくま高原ホテルの温泉で一風呂浴びる予定でしたが、
このホテルは日帰り入浴で食っているような感じのところで、
宴会モードのカラオケがうるさい感じで、
キミベエさんがジジババが多そうでイヤとのことで、
入水鍾乳洞の近くにある「星の村ふれあい館」で入ることにしました。
従って、食事もそこで取ることにして、
下山後はあぶくま高原ホテルには全く寄らずに出発。
ちなみにホテルの日帰り入浴は、1時間以内で500円です。
途中、当初の下山予定地だった鬼穴の登山口に車を止め、
大多鬼丸と部下の鬼五郎が自決したと伝えられる鬼穴を見学しました。
この付近には大きな凹地がありましたが、
地形的にはドリーネと呼ばれるカルスト地形で、
鬼穴もカルストに由来する地形と思われます。
「星の村ふれあい館」に着くと、食堂は午後2時までとか。ショック!
さすがに、お風呂よりは食事を先にしたいということで、
麓まで車で下りて、和風レストラン「山びこ」で昼食。
ウコンラーメンとかを食べて、暖をとりました。
また、田舎の堅い豆腐とかもあって、これらも湯豆腐や冷奴にして食べました。
美味しかったです。
「星の村ふれあい館」は、温泉ではなく、内湯のみでしたが、
綺麗な内装のお風呂で、とても感じは良かったです。
日帰り入浴料は400円。
何しろ体が冷えていましたから、暖かいお風呂が何よりです。
入水鍾乳洞探検ツアー後にも、利用すると良いと思いました。
あぶくま高原ホテルの方も、温泉で露天もあったみたいですから、
こちらにも興味はあったのですがね。
お風呂から上がったら、午後4時半頃で、あたりは暗くなりかけていました。
余裕があったら、あぶくま洞にも行く予定だったのですが、
今回は残念ながら、時間切れということで、次回のチャンスを待つことに。
来年夏の入水鍾乳洞探検ツアーの時に、
前座で行ってみても良いかもしれません。
磐越・常磐高速道で帰り、キミベエさん宅に着いたのは午後7時前。
コアラはそのままマイカーで下道を帰り、つくばには午後8時過ぎに到着。
費用は、ガソリン代と高速代を3人で割り、一人2700円でした。
●最後に
キミベエさんのご主人は、大学時代山岳部に所属しており、
沢登り、岩登り、雪山とオールラウンドにこなしていたそうです。
ここ2ヶ月くらい、夫婦で毎週のように山に登っていらっしゃるようです。
今回は物足りなかったかもしれませんが、
悪天候だったのに、コアラ企画にお付き合いいただき、ありがとうございました。
今後も、機会が有れば一緒に登りましょう。
阿武隈山地も、良い山が結構あるので、晩秋から初夏にかけて、
色々登ってみたいと思っています。