猿@エルデです

安達太良山で道に迷い、くろがね小屋の温泉を堪能し、
アイスバーンでほとんど滑れず、
最後にハイウェイパトロールのお世話になった2日間の報告。

◎安達太良山山行報告

【目的地】安達太良山
【日時】2003年3月29日(土)〜3月30日
【メンバー】猿、pooh

コース:
29日:あだたら高原スキー場〜五葉松平〜安達太良山〜矢筈森〜鉄山
〜矢筈森〜峰の辻〜くろがね小屋
30日:くろがね小屋〜峰の辻〜安達太良山頂〜峰の辻〜勢至平
〜あだたら高原スキー場



金曜日夜、自宅を車で出発。
新宿駅でpoohさんをピックアップし、東北道を北へ。
4時過ぎぐらいにあだたら高原スキー場入り口の駐車場に着く。
後ろを片付けて(この時、荷物を不用意にルーフキャリアに置いたために
後で大変なことが・・・)車中泊。
7時過ぎに一度目が覚めたのだが、また寝てしまい、起きたのは9時半。

まずは登山靴でフリートレックがちゃんと滑れるかどうか、
ゲレンデにて試してみた。
登山靴をきつく履き、ソフトブーツ用のアタッチメントで締め上げる。
これで多少は足首が安定したように思える。
シールを着け、歩行モードにしてコースとコースの間の林の中を登る。
リフト1本分登って初心者コースを滑り降りる。
次にゲレンデブーツでテストしようとしたが、
poohさんのラングのブーツでは前傾がきつすぎ、歩くのは断念。
僕だけ、古いサロモンのリアエントリーブーツで登る。
登山靴より重くて疲れるが、登れないほどでもない。
滑りは足首がしっかりホールドされているのでとても楽。
結局、今回は登山靴だけで行くことにした。

レストハウスで昼食を取り、ロープウェイ(あだたらエクスプレス)に
乗ろうとしたら強風のために運転中止。
チケット売り場で聞いても再開のめどは立た
ないというので、仕方なくリフトを乗り継いで上まで行くことにした。
13時40分、一番下のリフトに乗る。
2本目を乗っている最中になんとロープウェイが動き出す・・・
2本目のリフトからロープウェイのコースをシールで登り出す。
クライムサポートを使うと快適に登れる。
ところが、途中からガリガリの上級者コースに。
ここでにっちもさっちもいかなくなってしまう。
シールでは歯がたたず、スキーアイゼンを着けるが、
それでもまともに登れない。諦めてスキーを脱いだら、まぁなんとか登れる。
ここで1時間以上時間をロスし、体力を使い果たす。

15時27分、ようやくロープウェイ山頂駅にたどり着く。
ロープウェイなら14時前には到着しているはずだ。

五葉松平は、その名前の通り平原であり、
スキーを背負ったまますたすた歩く。
途中、山小屋で心配するといけないので電話をかけ、
向かっていることを告げる(去年、苗場山で遅くなり、怒られたので)。

安達太良山の乳首と言われる山頂直下には17時前に着いたが、
時間がないので登頂は諦め、小屋に向かう。

ここで大失敗。くろがね小屋へは山頂手前を右に折れ、なだらかな
広い雪原をほぼ北に下っていけば45分ぐらいで到着するはずである。
ところが何を勘違いしたのか、雪原を下らずに稜線を進んでしまった。
地図は2万5000分の1をコピーしたものをザックに着けており、
しばしば見ていたのだが、稜線を進むものと思い込んでしまったようだ。
鉄山避難小屋と取り違えたのかもしれない。



稜線はめちゃくちゃ風が強く、時々よろよろするほど。
さらに、馬の背と牛の背との分岐で右に下がれば
くろがね小屋に行けるのだが、ここでも直進。
鉄山まで小屋を探しながら進むと、右手の谷の下、はるか先にやっと発見。
馬の背まで戻り、矢筈の森をトラバースして、
目の前に小屋の明かりが見えた時はほっとした。
だが、この先がけっこう急斜面で、小屋手前数十メートルのところで
poohさんがスリップ(翌朝、他のパーティもこの斜面には苦労していた)。
だいぶ暗くなってきた18時半、小屋にたどり着いた。

食堂に入り、荷物を降ろしているとpoohさんが「スキーが1本しかない」。
ザックにくくりつけていたのを途中で落としてしまったようだ。
「もう暗いから、明日でいいよ」と言われたけど、
新品のスキーを無くしたとあっては飯もうまくない。
ヘッドライトを着けて小屋の前の斜面を登ったら、すぐそこに落ちていた。
スリップした時に落としたのだろう。

受付を済ませビールで乾杯。
自炊素泊まりにしたので入湯料・税込み一人3,570円と格安。
ビールも1本400円と良心的価格だ。

くろがね小屋の魅力はなんといっても温泉。男女別になっており、
6人ぐらいは入れる木の浴槽でお湯がどんどん溢れている。
ちょっと熱いが体を沈め、疲れを取る。
鉄山から小屋が見えた谷が湯元であり、
ここは有毒ガス噴出で立ち入り禁止となっているそうだ。

風呂からあがって食堂の一角、だるまストーブの横で
野菜と肉たっぷりのキムチ鍋にワインの夕食。

寝るスペースも余裕があり、毛布は1人4枚ぐらい使い放題だが、
その必要もないぐらいに十分暖かい。9時消灯。

30日



朝、6時半ごろ起床。まずは朝風呂入って目を覚ます。
夜は消灯の関係で20時半までが入浴時間だが、朝は自由に入れる。
朝食は餅入りラーメンを作る。



8時、小屋をチェックアウト。
昨日断念した安達太良山頂を目指すことにする。
小屋の前の急斜面はスキーを背負い、キックステップで慎重に登っていく。
やがて広いなだらかな雪原に。



9時30分、山頂直下に到着。
ここにザックとスキーをデポし、空身で山頂に登る。
ちょっと急だがアイゼンを着けるほどでもなかった。
9時45分山頂に。風は冷たいが空は晴れ渡り、360度の展望を満喫。



10時18分、写真を撮って下山。いよいよスキー滑降の開始だ。
スキーを着けて大雪原に向けて滑り始めようとしたが、いきなり転倒。
アイスバーンで滑れない。
しばらくもがいていたが諦め、またスキーを背負ってつぼ足で下り始める。
途中、少しなだらかになったのでまたスキーを着けたが、
まともに滑れないので断念。以降、断続的に滑ったり歩いたり。
峰の辻でくろがね小屋へのルートと別れ、勢至平へ。
ここはなだらか+雪質も柔らかなのでそれなりに滑ることができた。

勢至平は名前の通り、平な雪原。低い潅木がちょろちょろと生えている
(もっとも雪が1mは積もっているのだが)。
後ろを振り返れば安達太良山や鉄山が見え、気持ちいい雪上ハイキング。

だんだん木が大きくなり、樹林帯に。狭い登山道をどんどん下っていく。
烏川橋を渡るとあだたら高原スキー場。
昨日、歩いて登ったところあたりに出たので、
ゲレンデを滑って駐車場まで降りる。13時5分、到着。

車でマーボー春雨+餅+韓国うどんの昼食を取る。
リフト券が余っていたので二人で2本ほど登り、
ゲレンデを滑り降りて本日のスキーを終了とする。
poohさんはスキー靴で滑ったらとても快適だったという。

スキー場入り口の富士急ホテルで立ち寄り入浴が30日は半額の400円。
ゆっくり風呂に入り、身体を洗う。

●ハイウェイパトロールのお世話になる

風呂を出て集合し、スキー場を出発したのが16時。
やがて二本松インターから東北道に入る。
合流して加速した途端に大きな音がして、
ミラーには何か飛んでいく黒い物体が。
はて、何事が起きたのか。
思い返してみたら土曜日の朝、スキー場で仮泊したときに
タイヤチェーンをルーフキャリアに乗せたままだった。
幸い、後続車両にあたったりはしてないようだが、
そのまま放置もできず、かといって後戻りもできない。
金属チェーンなので重いし、直撃していたら大きな事故になっていただろう。

すぐ非常電話があったので車を止める。
初めて非常電話を使ったが、ボックスを開けると
「事故」「故障」など4個のボタンが並んでいる。
「事故」というボタンを押したらすぐに相手が出たので、
チェーンを落としたことを告げる。
回収するので、危険だから先の安達太良SAで待っているように言われる。
安達太良SAで待っていると警官がやって来て、
落としたチェーンの特徴などを聞かれる。
「そういえば、中央分離帯にそれらしきものがあったな」。
道路公団からも電話があり、
もう一度見てくるからさらに待っているように言われた。
20分後ぐらいして、
今度はJHのパトロールが来てチェーンを持ってきてくれた。
受領証を書き、チェーンを引き取る。
「注意してくださいね」と言われただけでおとがめはなし。
その後はゆっくりと安全運転で帰京。