コアラです。
2月21日に、三百名山六甲山に登ってきました。

六甲山は当初京都在住のラビトさんと登ろうかと打診していたのですが、
結局ラビトさんに土曜日仕事が入ることになり、単独行に。
従って、金曜日の広島に帰る途中で下車し、午後を使って登りました。
関東ではもの凄く良い天気で、新幹線の車窓からは富士山がくっきり見える。
琵琶湖に入ったあたりから、雲が出てきましたが、
春と思わせるような暖かい気候で、全体的に良い天気でした。
翌土曜日は雨だったので、結果的には金曜日に登って正解でした。
コースは、JR芦屋駅からロックガーデン内を通って、
風吹岩、雨越峠経由で六甲山最高峰に上がり、有馬温泉に抜けました。
一応三百名山なので、これでコレクションが増え、
大阪近傍の三百名山は、あらかた登ったことになります。

●登頂済みの近畿の三百名山
百名山:伊吹山、大台ヶ原、大峰山
二百名山:金剛山、伯母子岳、武奈ヶ岳、氷ノ山
三百名山:山上ヶ岳、大和葛城山、護摩壇山、蓬莱山、比叡山、
     愛宕山、六甲山、扇ノ山

●六甲山の概要(コースの設定)
六甲山というと、結構エリアが広いので、何処に登ったら良いかが迷います。
一応最高峰が931mで、ピークハンターのコアラとしては、
まずはここに行こうと考えました。
他に、神戸側から有馬側にゲーブルカーとロープウエイで抜ける事が出来、
その六甲山上駅周辺は、ゴルフ場やホテルやレストラン等が立ち並び、
観光的には六甲山の中心地となっており、
六甲山上行きのバスもこちらに行きます。
従って、観光的にはここが山頂扱いになっているようです。
他に、神戸からケーブルカーで登れる山に摩耶山があり、
こちらも六甲山観光や山行の中心になっています。

今回は観光というよりは山行がメインだったので、最高峰は外せないとして、
ガイド本の通り芦屋からロックガーデン経由で登って、有馬に下りるとなると、
歩行時間だけで5時間近くなってしまい、午後からの山行となると、
明るい内に下山出来るかどうかが心配でした。
そこで、ケーブルカーかバスで六甲山上駅まで上がってしまい、
観光しながら稜線を歩いて最高峰まで行くというのも考えました。
これだと、観光・山行両方の意味の山頂に行けるし、
最高峰に到達するまでかかる時間も1時間位短縮出来ます。
また、稜線までの大半の標高差をケーブルカーで稼いでしまい、楽でもあります。
しかしながら、早い新幹線に乗る事が出来、正午前に芦屋駅に着けたので、
当初の予定通り、芦屋の山麓から最高峰まで登り、
有馬に下りるという、完全縦断のハードなコースにしました。

●コースタイム
JR芦屋駅11:55−阪急芦屋川駅12:10〜15−高座の滝12:45
−風吹岩13:20〜25−横池13:35−雨ヶ峠14:15〜35
−本庄橋跡14:50−一軒茶屋15:25−六甲山最高峰15:30〜55
−一軒茶屋16:00〜10−射場山西16:45−有馬温泉17:00

●芦屋〜風吹岩(ロックガーデン)
JR芦屋駅のマクドナルドで軽く食べて、途中のコンビニで行動食を買って、
阪急芦屋川駅で荷造りをして、出発。
阪急駅の周辺は高級住宅街で、急傾斜地に大きなお屋敷や
階段状の景観をした高級マンション(コンドミニアムのような感じ)が一杯。
高座の滝までは舗装した車道が続く。このあたりは餌付けされた猪が出るらしく、
登山者の人気者になっているらしいが、今回は見かけなかった。
看板には、「イノシシ注意、近寄らないように」とは書いてあるが。

高座の滝からロックガーデンに入るが、
地獄谷のコースは経験者の同行がないと入らないように
とガイドブックにあったので、
今回は時間が余り無い事もあり、簡単な尾根のコースを選んだ。
しかしながら、いきなり手を使わないと登れないような、
滑りやすい風化花崗岩の岩場である。
どんどん標高を稼ぐので、見晴らしも良くなって気持ちが良い。
地獄谷の尾根への取り付きなどは、
ほんと山水画のような急な花崗岩の先鋒で、滑りやすそうで結構危険そうである。
(後日ラビトさんに聞いたら、大したこと無いし、
一人でも行けますよとの事でしたが、なにせラビトさんとは力量が違うからなあ。)

高座の滝への車道を歩いている時に抜いたお年寄りがいるのだが、
格好は普通の靴(といってもビジネスにも使えそうなウォーキングシューズかな)
とノーネクタイのジャケットとスラックスといった感じ。
しかし雰囲気は山用といった感じがする(昔のアルピニストはこんな感じかな?)
高座の滝までの散歩かなと思っていたら、ロックガーデンに入っていく。
しかもすいすいと身軽に岩場を登っていき、私もその後を追ったが、
なかなか差が縮まらない。なかなか大したお年寄りである。
比較的平らな稜線部になったら、私の方が脚が速いので、
結局風吹岩に着くまでには追いつきましたが。
そのお年寄りは、風吹岩で休憩した後は、六甲山方面には向かわず、
別ルートでロックガーデンを下山した。
どうやら、ロックガーデンを庭にして、毎日歩いて(登って)いるのだろうか?

風吹岩からの展望は素晴らしく、
ロックガーデンの荒涼とした風化花崗岩の景観の他、
芦屋よりも西側の大阪平野と大阪湾が一望出来る。
ここで小休止を取った。

●風吹岩〜一軒茶屋
風吹岩からは展望のない平坦な道が続き、横池などの池がある。
(横池にはほとんど水は無かった)
ロックガーデンでは多くの人に会いましたが、
ここからは時々下りの人に会うだけで、同方向の人は全く居ませんでした。
ゴルフ場の中の道を上がり(ここもほとんど展望がない)、
一登りで、四阿のある雨ヶ峠に着く。
ここで、最後の登りの活力を補うため、行動食を食べて小休止。
いざ出発しようとしたら、四阿で休んでいた単独行のおばさんが道を聞いてきた。
六甲山は主要道にはほとんど案内板は付いていない。
逆に、地図には載っていないような踏み分け道がいっぱいあり、
このような道には赤いテープなどが張ってある。
このおばさんと色々しゃべってしまい、休憩時間を予想以上に使ってしまう。

その後、東お多福山(標高697m)に登るかどうかを考えていたのであるが、
休憩を長く取ってしまったので、東お多福山を経由しない近道で山頂に向かう。
後で自宅に戻ってからガイドブックで知ったのであるが、
東お多福山は六甲山系では唯一の高原的景観を有するカヤトの山。
遠回りになっても登っておくべきだった?

雨ヶ峠を過ぎたあたりから電波塔の立った六甲山最高峰の姿が見えてくる。
本庄橋跡から最後の急なきつい登りとなってくるが、
大したきつさも感じることなく、難なく登ってしまった。
一軒茶屋に着くと、ここは六甲山の稜線を結ぶ車道である。
急に場末の観光地に出た気分である。
茶屋はやっており、中は山登りの格好をした人達で賑わっていた。
コーヒー等でも頼んで暖を取りたかったが、
3時過ぎていたのでとりあえず山頂に向かった。

●山頂(六甲最高峰:標高931.3m)
車道を登ると、六甲山最高峰の山頂である。
車で来れる事もあってか、それなりの人が居た。
青山さんの話だと、昔は山頂に電波塔が建っており、
最高地点には入れなかったらしい。
今は電波塔はあるものの、最高地点よりは一段低いところにあり、
最高地点には標識と一等三角点が設置されている。
三角点の復旧に伴って、記念の解説板も設置されている。
山頂広場の一番端が最も展望が良い。
ここからは、眼下に芦屋から大阪平野・大阪湾にかけての展望が得られる。
西の方に目を向けると、ロープウエイの六甲山頂駅付近の
電波塔の乱立するピークが見える。
山頂広場の一番端のすぐ下に、最高地点に上がれなかった頃の山頂ケルンがある。
ここには、今時の若者達のグループが陣取っていたが、
先方から挨拶してくるし、写真を撮ってくれたりと、
見た目とは違って、礼儀正しく好感の持てるグループだった。
傍若無人な振る舞いの多い中高年山行グループよりも良いかもしれない。
彼らの装備は結構しっかりしたものであったが、話を聞いた感じでは、
次回はカヌーとか言っていたので、大学のアウトドアサークルだろうか?

●下山(魚屋道)
一軒茶屋まで戻ったら、もう店は閉まっていた。残念。
自販機で温かい紅茶を飲んで、暖をとることにする。
車道沿いだけあって、結構ドライブやバイクで来るカップルが多い。
この時期、デートしているカップルを見ると、羨ましい。
午後4時を過ぎたので、急いで有馬温泉方面に下山開始。
魚屋(ととや)道と呼ばれる旧街道を下山したが、非常に広くて良い道である。
ただ、北斜面であるため所々凍結しており、注意が必要である。
しかも樹林帯に入ると、結構足下が暗くなってしまう。
快適な下山道であったため、順調に高度を下げ、
予想より早く、5時には有馬温泉に到着。
出発が遅かったので、明るい内に下山出来るか心配であったが、
無事、芦屋から有馬への最高地点を通っての六甲山縦断山行は終了した。


◎有馬温泉
有馬の湯は、塩分濃度が日本で最も高い赤茶けた色の温泉(金湯)と
色の付いていない炭酸泉(銀湯)の2種類があり、
せっかくなので梯子して両方入ってきました。
日帰り入浴出来る温泉はホテル等でもいくつかあるのですが、
私は日帰り施設の「金の湯」(650円)と「銀の湯」(550円)
に入りました。両方入ると、850円に割り引かれます。
どちらも内湯のみで露天風呂はなく、入浴後も休憩室があるのみで、
食事をしたりする施設はありません。
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/17/010/area/scape/arima.html

いかにも温泉街といった感じで情緒があり、大変良かったです。
さすが日本最古の温泉の1つだけのことはあります。
(他に、道後温泉、白浜温泉が日本三大古湯だそうです。)
観光地としては、太閤秀吉が入った湯舟跡を発掘した資料館とか、
色々な寺社仏閣や源泉巡りなどがあるのですが、
山から下りてきたのが午後5時過ぎで、観光はほとんど出来ませんでした。
最初に金の湯に入った後、銀の湯に入ったので、
体に染みついた日本一の塩化物泉の効用が流されてしまったみたいな気がして、
何となくもったいない気分になってしまいました。
(先に銀の湯に入った方が良かったかな?)
ちなみに、金の湯は人で溢れかえるほどに混んでいましたが、
銀の湯はほとんど人がいませんでした。(時間帯によるのかもしれませんが)
炭酸泉は源泉の出ている炭酸泉公園で飲んでみましたが、
確かにサイダーのような苦みがあります。
昔は温泉水に砂糖を溶かして、サイダーにして飲んでいたそうです。
でも温泉では飲んでみたのですが、加熱したためか炭酸の感じは無く、
普通の単純アルカリ泉かラジウム泉のような感じでした。

「金泉」(含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉)は地中にいるときには透明、
だが空気に触れると濃い塩分と多くの鉄分によって
温泉が酸化して赤茶色に変色します。
これだけ濃い赤茶色だから、給湯口にも湯の華が付着し、
更に浴槽の脇に置いたタオルも所々赤茶色くなっていました。
毒味してみると、塩分と鉄分の影響でしょっぱい
(塩分濃度が日本一! 海水の3倍近く)中にさび臭い匂いが混ざっています。

本当は有馬温泉に泊まれれば良かったのですが、男一人ということもあり、
温泉場の場末の食堂でカツ丼食べて、広島に帰りました。

本当は5時には下山出来たので、軽く温泉で一風呂浴びて、
7時台のレールスター新幹線で広島に帰るつもりで、
これだと9時前には広島に着くので、
その後レイトショーでも見に行こうかと考えていました。
しかしながら、つい有馬温泉で梯子湯したり、食事をしたりで、
有馬温泉の出発が午後8時半過ぎで、もうレールスターの最終は終わってしまい、
広島行きひかりの最終1本前でした。
従って、広島に着いたのは10時半過ぎでした。