高野三山・護摩壇山・伯母子岳山行報告(byコアラ)
コアラです。
2001年12月23日〜24日、毎日新聞旅行の企画で、
揚柳山・護摩壇山・伯母子岳の登山ツアーに参加しました。
この企画は、関西百名山を登るという企画で、
コアラは護摩壇山が和歌山県最高峰(厳密には違うが)
であること(三百名山でもある)、
伯母子岳が二百名山で、なかなか交通アクセス上行きにくいこと、
などから前から行きたいとは思っていたので、急遽参加エントリー。
元々12月の3連休は、モーリン宅でのクリスマス鍋会が予定されていたので、
クリスマスの三連休は特段遠出はせず、大竹市周辺の山にでも登ってから、
モーリン宅鍋会に参加しようかと予定していたのですが、
急遽鍋会が中止になったので、近畿の山に行くことに。
毎日新聞旅行は前からチェックはしていたのですが、
大阪集合なので、中国・四国・九州の山行は経費・時間の上で損だし、
関東甲信越以東の山行は、関東に戻ってから行けばいいので、
北アルプス・白山近傍・紀伊半島あたりの山行には使えるかなと思っていました。
秋にスケジュールされていた大台ヶ原(大杉谷に下りる縦走)や
大峰山(奥駈縦走)などの企画はチェックしていたのですが
マゾッコメグちゃんとの山ML近畿百名山企画
(縦走ではなく3つのピークハントでしたが)が成立したので、
これまで毎日新聞旅行のツアーに参加したことはなく、今回が初参加でした。
参加者は約25名くらいで、中高年が多かったです。
引率者は2名で、二人とも山の専門家、一人は私くらいの年代(ちょっと上?)、
もう一人は会社をリタイアしたくらいの年令(自分親くらいの年代)でした。
◎高野三山(摩尼山・揚柳山・転軸山)
高野山は、空海が開祖である真言宗の総本山。
深い渓谷を南海電鉄とケーブルカーを乗り継いで行くと
(我々はバスで上がったが)、
標高約800mの平坦地に、宗教都市高野山が広がっている。
総本山金剛峯寺を中心に、各種の寺院やお店の他、
役場、銀行、郵便局、学校などがある。高野山大学という大学まである。
宗教都市高野山の東側に奥の院があるが、その北方を取り囲むように、
高野三山(摩尼山・揚柳山・転軸山)が連なっている。
このうち、揚柳山(標高1009m)が関西百名山になっている。
高野山は明治の初め頃までは女人禁制となっており、
女性は高野山を望む高野三山を縦走して、遠くから拝んだという。
それで、女人高野とも呼ばれる。
一般的には、3つの山を縦走するのが一般的で、ツアーもこのコースを選んだ。
●コースタイム
中の橋駐車場10:50−奥の院11:00−摩尼峠11:20
−摩尼山11:40〜45−揚柳山(昼食)12:20〜45−車道13:25
−転軸山13:40〜50−奥の院14:00〜15−中の橋駐車場14:30
前日の雪が残っており、高野山の街に入るあたりからスノータイヤが必要。
山行もまず参道を奥の院まで行き、そこから山道に入ったが、
一部凍結して滑りやすくなっており、特に下りで難儀した。
摩尼山と転軸山は針葉樹林に覆われており、全く展望がない。
揚柳山は一部山が開けており、展望がある。いずれの山にも山頂には祠がある。
そこで、昼食を食べたが、天候は曇っており寒かったので、長居せずに下山した。
後で地図を見て分かったことであるが、揚柳山には祠の裏に三角点があるらしい。
しまった!気付かなかったので、写真を取るのを忘れた!悔いが残った。
高野山は大阪からも遠いので、生まれて初めて行ったエリアである。
寺社仏閣巡りも好きなコアラとしては、
金剛峯寺を始めとした様々な観光寺院を巡りたかったが、
今回は山登りがメインのツアー山行ということで、
奥の院の弘法大師廟を参拝しただけであった。
また今度、観光でも来てみたいエリアである。
高野山金剛峯寺と云えば、対になるのは比叡山延暦寺。
比叡山は、日本三百名山でもあり
(最も標高の低い三百名山。800m台の標高は、比叡山と筑波山のみ)
真冬でも登れる山なので、京都は何度も東京出張の際通るので、
今度機会があったら是非登ってみたい山である。
2001年は宗教に関する登山が多かったが、年末もそうであった。
この後の2001年最終登山も、御正体山は山頂に祠があり、
講中登山(修険道)と関連が深いらしい。
2002年の初登りも宮島弥山と、信仰と関係が深いし(厳島神社、大聖院)、
しばらく宗教ブーム?は続くのかな?
◎護摩壇山(標高1372m)
三百名山。和歌山県最高峰。
名前の由来は、落ち延びてきた平家の武将平惟盛が、
自分の行く末を占うため、山頂で護摩を焚いたことからきているらしい。
占いの結果は、良くなかったらしい。
惟盛はひっそりその生涯を野迫川村で終えた。
●コースタイム
護摩壇山バス停(ごまさんスカイタワー)15:40
−護摩壇山山頂16:00〜05−バス停16:15
高野龍神スカイラインが通じているので、山頂直下まで車で行ける。
今回は雪が積もっていたため、バスはチェーンを付けて走っており、
山頂直下に到着するまで、かなりの時間を要してしまった。
バスを降りたら晴天で、遠く大峰山や伯母子岳のスカイラインが見える。
ブナ林・ミズナラ林のきらめくような霧氷の中を、雪をかき分け登っていった。
この霧氷の美しさは、その前の週の恐羅漢山頂の霧氷の美しさに、
勝るとも劣らない。
●和歌山県最高峰の話
これまで護摩壇山が和歌山県最高峰とされていたが、
一昨年の国土地理院の測量で、
その東側にあるピーク(NHKの中継局があるピーク)が1382mあり、
ここが和歌山県の最高峰である事が分かった。
ただし、このピークには特段の名前はなく、
護摩壇山の一角であることは間違いない。
山の本なんかには、護摩壇山最高地点という名前で紹介されている。
我々が登った山頂には、護摩壇山:和歌山県最高峰と看板に書いてあった。
最高地点への道は、踏跡の無い雪に覆われており、
到達するまでには時間がかかりそうだし、
ツアー登山なので勝手な行動は取れないので、今回は行くのは諦めた。
三百名山たる護摩壇山には登ったが、
和歌山県最高峰たる護摩壇山に登ったと言えるかどうか?
こういう事を厳密に考え出すと、鳥取県最高峰(中国地方最高峰でもある)の
大山には登っているが、最高地点の剣ヶ峰には行っていない。
(崩壊が激しいので、立ち入り禁止になっている。)
大山の剣ヶ峰はエキスパートしか行けない領域だし、
今後も登ることは出来ないであろう。
このような場合、どう考えたらよいのか、難しい問題である。
◎野迫川温泉
その晩は、奥高野の野迫川温泉郷「ホテルのせ川」に泊まった。
内湯のみであるが、天然ラドンを含む単純硫黄泉で、
ヌルヌルした感じがして、お肌に良さそうである。
風呂からは、川原樋川の景観美を堪能することが出来る。
今回は全く観光はしなかったが、野迫川村というのは平家の落人の里で、
それに関連する観光施設(平惟盛歴史の里)もある。
料理もボリュームがあり、美味しいものであった。
部屋は、山のツアーなので、和室の相部屋。
普通のツアー旅行だと、温泉旅館に泊まるツアーには一人で参加しにくいが、
山のツアーだと、相部屋が当たり前だし、一人参加者が多いので、気にならない。
温泉旅館泊まりの山のツアーに一人で参加するのも、値段は高めになるが、
一人で温泉旅館に泊まる方法としては、良いかも知れない。
◎伯母子岳(標高1344m)
二百名山。川原樋川沿いの集落大股からのピストン。
このコースは、熊野古道の一部になっているようで、小辺路街道と呼ばれる。
●コースタイム
大股8:05−萱小屋跡8:55−桧峠9:40〜45
−護摩壇山分岐10:20−伯母子峠(避難小屋)10:40〜45
−伯母子岳山頂11:00〜15−護摩壇山分岐(昼食)11:25〜50
−桧峠12:15−萱小屋跡12:45−大股13:20
最初のコンクリートの急坂が凍結していて、
登りだというのにツルツル滑って登れず、大変であった。
こんな調子じゃ、無事下っていけるのかな?
山道に入ってからは、雪は積もっているものの、
サクッサクツといった感じで(御正体山の時の雪のような状態かな)、
だいぶ歩きやすくなってきた。
萱小屋跡からは、稜線沿いで、急な登りはほとんど無い。
護摩壇山への分岐点からは、単なるピストンはせずに、
行きは山頂をゆっくり巻いて避難小屋のある伯母子峠経由で登り、
帰りは直接下山するという、周回ルートを通ることにした。
伯母子峠のすぐ近くには林道が通っており、
RV車なら十分登って来れるらしい。
獅子座流星群の時も、避難小屋に泊まって見に来た人がいたらしい。
避難小屋の外にはトイレがあったので、女性陣の長い列が。
男性はその辺で立ちションしていたが、余り人目に付くのもイヤだなと思い、
その辺の雑木林でしようと小屋の裏側に回ったら、
小屋の影で用を足している若い女性とばったり遭遇。
後で聞いたら、彼女は京都の山岳会に入っている方で、
どちらかというと岩とか沢とかのテクニカル指向。
ただし、皆さん技量がすごいので、冬のツアーには一緒について行けないとか。
そういう環境で鍛えられている?ので、トイレを長く待つのも面倒だし、
その辺で用を足すのくらいは全然平気とか。
やはり、山をやる女性は、そのくらい豪快じゃないと。
山頂は360度の展望で、天気は快晴では無かったが、結構遠くまで見えた。
南には果無山脈、そこから時計回りに、護摩壇山の稜線、高野山、大峰山脈。
大峰では、白く覆われた八経ヶ岳、釈迦ヶ岳のピークが同定出来た。
山頂は吹きっさらしで大変寒いので、展望と記念写真だけ楽しんだら下り、
分岐点の樹林帯の中で昼食をとることに。凍って弁当がぱさぱさしていた。
くだんの若い女性と、コアラより少し年上そうに見える女性と3人で食事をした。
色々山(山の会)や家族の話をしたが、年上の女性は御主人と山に登られるそう。
コアラが11月27日に娘が生まれた話をしたら、
なんと若い女性は11月26日生まれだとか。
そうしたら、もう一人の少し年上の女性は、11月28日に孫が生まれたとか。
26/27/28と偶然つながったのもビックリだが、
コアラより少し上くらいの女性が孫と聞いて、二度ビックリ!
彼女は二十歳くらいで結婚して、子供も二十歳で学生結婚とか。早婚の家系?
それなら、コアラと余り年が変わらないのに、孫が居るのも納得?
後は、行き来た道を引き返すだけなので、順調に下りることが出来た。
最後のコンクリートの急坂の部分も、午後には溶けていて、
特段問題にはならなかった。予定よりも1時間位早く下山出来た。
◎帰り
帰りには、泊まった野迫川温泉で一風呂浴びて、さっぱりして大阪に戻った。
登頂した3つの山の登頂証明書をくれた。
なかなかこういうのも、記念になってうれしい。
そういえば、今回は登山バッチを入手することは出来なかった。
営業小屋のない山域では、記念バッチは作っていないのかも知れない。
ものすごい渋滞が発生しており、
河内長野市を通過するのに1時間以上かかってしまった。
クリスマスイブなので、渋滞の先頭には必ずケンタッキーフライドチキンの
ドライブスルー待ちの車の行列があった。恐るべし、ケンタッキー。
野迫川を出たのが予定よりだいぶ早かったので、帰りに時間を食ってしまったが、
予定よりは1時間弱早めに、大阪駅に着くことが出来た。
久しぶりに旅行会社企画のツアー山行に参加したが、
参加して良かったと思える、素晴らしい山行であった。