2000.12.2 大和葛城山・金剛山 コアラ、ラビト

コアラです。12月2日の葛城山・金剛山の山行報告をします。

これは、11月30日(木)12月1日(金)と、
奈良女子大学でリモートセンシング学会があり、
2日(土)はその日の内につくばに戻れれば良かったので、
京都在住のラビトさんと会おうということになって、
せっかくなら都会で会うよりも山で会おうという事で、
関西の山歩きを企画したものです。

近畿地方の山として色々な候補が考えられたのですが
(百名山の大台ヶ原、大峰山脈、京都の近くということで比良山地、西山など)、
11月の鳥取では大山に行く際に、
後醍醐天皇が建武の中興で隠岐から抜け出して立て籠もった船上山に登ったので、
今回も太平記関連ということで、
楠木正成が鎌倉幕府と戦った千早赤阪城関連の史跡を巡ろうと思い、
葛城山・金剛山の縦走を考えました。
この他に、各都道府県に最高峰というのにも関心があり、
最近、伊吹山(滋賀県最高峰)、三宝山(埼玉県最高峰:甲武信山行の時に登頂)、
大山(鳥取県最高峰)と登ってきているので、
大阪府最高峰に登ろうという気持ちもあったのです。
ちなみに、大阪府最高峰は大和葛城山で、
最高地点(ピークではない最高の場所)は金剛山の一角になっています。
どちらにしても、縦走すれば大阪の最高地点(または最高峰)に行けるわけです。

●コースタイム
近鉄御所駅(バス)葛城ロープウエイ前:葛城登山口駅(葛城山ロープウエイ)
葛城山山上駅9:40−(自然研究路)−ビジターセンター(10:45〜55)
−葛城山頂(11:15〜30)−ツツジ園11:45
−水越峠(12:15〜30:昼食)−水越峠バス停12:40
−合流点:735m地点(13:00〜05)−太尾塞跡(13:35〜40)
−六道ノ辻(14:00〜05)−金剛山:転法輪寺(14:25〜45)
−葛城神社:金剛山最高峰:葛木岳14:50
−三角点:湧出山(15:05〜10)−展望台
−山上駅(金剛山ロープウエイ)千早駅:ロープウエイ前(バス)富田林駅

●コアラの荷物
今回は縦走なので、今回の出張の荷物を全て自分で持って歩かないといけません。
最初、自然研究路を歩いている時は、ビジネスバックを手に持っての山歩きで、
まるで山奥に往診に行く医者みたいでした。
そのためちんたらモードの歩きになってしまいました。
これではまずいと思い、
途中からビジネス手提げバックをリュックにつるして両手を空けたのですが、
背中が後に引かれて、しかも荷物が揺れるたびに上体が不安定になるし大変。
結局、葛城山山頂で、コアラのリュックに無理矢理ビジネスバックを積め、
入り切らなくなった衣類の一部をラビトさんのリュックに入れてもらうことに。
荷物は重いままですが、安定したので、
その後は単独行並みのスピードで、結構快適に登りました。

●ラビトさん
それにしても、ラビトさんはずっと私の後を付いてきて、
全く息も切らさないし、まいりました。
さすが鍛えている人は違います。
とは言っても、ラビトさんは小柄でとてもかわいらしい人なのです。
でも、上下のスリースが良く似合っている、
アウトドアバリバリの人でもあるのですが。

●大和葛城山
標高952mは、大阪府最高峰。
ロープウエイからは、奈良盆地が良く見え、
万葉集などにも詠われている、大和三山がポツンと見えます。
それにしても小さな山で、山というよりは丘ですね。
石舞台などのある明日香村のあたりも、結構起伏があることが分かります。
自然観察路は、落ち葉の積もった冬枯れの広葉樹林帯。
木々の隙間から、奈良盆地の様子が伺いしれます。
山頂からは、奈良盆地の他、大阪平野の方の展望も素晴らしい。
奈良盆地はお昼近くなり、やや霞んできている。
大阪の方は、高層ビル群がかすかに見えるほか、
海に目を転じれば、関空のような構造物が見える。
水越峠への下りは急な階段が続く道。標高450m近くまで下がる。
これが登りだったら、もう大変。


●金剛山
水越峠からの登りは、針葉樹林の中で展望は全くきかない。
そういう意味では、葛城山の方が展望の上では、良いのかも?
ロープウエイ駅の近くにある展望台が、最も展望がよい。
ここに上がると、南の方は大峰山脈まで見え、登攀意欲が沸き立てられる。

●金剛山の山頂と大阪府最高地点
大阪府の最高峰は今回登った大和葛城山。そして最高地点は、金剛山の一角。
金剛山の最高地点は、葛木神社のある葛木岳で標高1125m。


それから、三角点のある湧出岳は標高1112.2mで、共に奈良県内である。
大阪府と奈良県の境界を追跡してみると、次の2点が候補地に。
水越峠から登って来た道の六道ノ辻付近(標高約1050m)
金剛山ロープウエイ駅の上方にある展望台(標高約1050m)
どちらが最高地点かは、登山地図のみでは判らないが、
一応両地点で記念写真だけは撮ってみた。

(ロープウェー駅上方展望台)

大阪府最高地点の標識は、特段無かった。
後で登山案内書を見てみると、
転法輪寺より少し下にある国見城跡に金剛山山頂の標識があり、
展望が良いらしい。地
形的には最高地点ではないが、便宜的に山頂的に扱われているみたいだ。
国見城跡にも千早城跡方面に下山する前に立ち寄る予定であったが、
残念ながら時間切れでロープウエイで下りる事にしてしまったので、
結果として立ち寄らない事になってしまった。今後の宿題に。

●楠木正成関連
当初、楠木正成関連で寄ろうと思っていたのは、次のところ。
★金剛山からの下山途中
正成の首塚、千早城など
★千早赤阪村役場周辺
建水分神社、上赤坂城、下赤坂城、資料館、正成生誕の地など

村役場周辺は、バスを途中下車しないといけないので、
時間的には無理かもしれないとは思っていたのですが、
下山途中の千早城とかは、充分見れると思っていました。
当初は、金剛山山頂付近は、輪法転寺−葛木神社−三角点−展望台
−ロープウエイ山上駅−輪法転寺と1周して、
その後国見城跡によって、一本木茶屋経由で、楠木正成首塚、千早城趾、
千早神社等を見て、登山口バス停まで下山する予定でした。
下山時間は、コースタイムで1時間10分。
まだ明るかったのですが、バスの時間が1時間に1本しか無く、
次ので行くと大阪発の新幹線に間に合いそうもなくなったので、
結局下りもロープウエイを使うはめに。
楠木正成関連は全く見れなかったので、この関連は全く次回の宿題に。
金剛山にはまた来ないといけなさそうです。
結局接続が良く、阿倍野まで来たら余裕が出来たので、
打ち上げを兼ねて2人で軽く飲みました。

●最後に
以上、次回の宿題を残した(千早赤坂村関係)山行ではあったが、
天候にも恵まれ、ラビトさんとも楽しく色々話が出来た、
思い出深い山行であった。
関西の山行も、東日本の山行とは全く違った趣があり、
また機会があれば色々歩いてみたいエリアである。