実は10月22日に東京で委員会があり、出張しました。
その時、山MLやR’の有志で飲みました。
元々は、メグさんから預かったCD−Rをゴザルさんに渡すのが目的で、
二人きりで会うとゴザルさんの貞操が危ないという事で、
猿さん、リンさん、Wさん、
そしてR’メンバーでピアニストのSKさんが集まりました。
SKさんはそこで意気投合?し、山MLにも入る事になりました。
その節は皆さん、ありがとうございました。

私は飲み会がお開きになった後、夜行快速ムーンライトながらで帰りました。
天気が良ければ、山科から湖西線に乗り換えて、
比良山系の最高峰武奈ヶ岳に登り、紅葉狩りをしようかと思って。
武奈ヶ岳は二百名山でもあるのですが、関西では一番人気の山です。
京都のラビトさんからは、彼女一番のお気に入りの山で、
何度も季節やコースを変えて登っていると聞きました。
今回は平日だったので、ラビトさんは誘わず単独行で行ってきました。
(自分は休暇を予め取っておいた)

本来は、イン谷口から金糞峠経由で登るとか、
北麓のガリバー旅行村から日本の滝百選でもある八淵滝経由で登るとか、
西側の安曇川沿いの坊村から奥ノ深谷経由で登るとか、
沢登りも含めて、様々な登り甲斐のあるルートがあるのですが、
今回は京都駅近くに着くのが9時頃と、そんなに早い時間ではないので、
登山開始できるのは、10時くらいになってしまいます。
そこで、往復ともリフトとロープウエイを使って登り、
約3〜5時間くらいの稜線周遊を楽しむ事にしました。
従って登山というよりは、ハイキングに近いものかも知れません。
肝心の紅葉は、大変素晴らしく、紅葉狩りを堪能することが出来、
自分の二百名山コレクションも22座となりました。
忙しく報告していなかったのですが、1月遅れで報告します。

JR比良駅には9時半頃到着。9:47発の比良リフト前駅のバスに乗り、
リフト前には10:05着。バス代は340円。
リフトとロープウエイの通しの往復券は2000円と割引料金。
リフトには約10分くらい乗りますが、雨とか風が強いと辛いと思った。
山科駅のキオスクで昼食のおにぎりとかを買った時に、その時点は快晴で、
売店のおばちゃんからは、こんな日に山に登るとは羨ましいと言われたのですが。
電車の窓から見る限りは、蓬莱山など前面の山は綺麗に見えているが、
比良山地の奥の方の山は雲に覆われている。
リフトに乗っている時に上方を見ても、稜線は雲に覆われている。
このままだと、1月前の蓬莱山と同じ状況か?

釈迦ヶ岳でロープウエイに乗り換えて、一気に山頂駅へ。
山頂駅は北比良峠にあるが、ここに「比良山」と書いた看板(ケルン)があり、
一般的にはここが比良山の山頂とされている。
(一応、地形図上では「比良山」という山は存在していない。)
北比良峠から金糞峠に向かう稜線上のピークに展望台があり、
一応ここを比良山の山頂としているようである。
このケルンをバックに記念写真を取るが、霧雨状態で展望は全くない。
とりあえず、山頂を目指して歩く事にした。

●コースタイム
北比良峠10:30−比良ロッジ10:35−八雲ヶ原10:45〜55
−イブルギのコバ11:05〜10−武奈ヶ岳山頂11:50〜12:10
−細川越12:30−広谷12:55−イブルギのコバ13:00
−八雲ヶ原13:10〜30−北比良峠13:45

●八雲ヶ原まで
比良ロッジはスキーシーズンのみ開いている宿泊施設。
そこからゲレンデを下りて、八雲ヶ原に。
ここは比良山系で最も高い高層湿原で、ここ一帯が比良スキー場となっている。
ロープウエイで上がれるので、山の格好をしていない人達も結構いたが、
彼らの大半は自然観察などを目的で登ってきており、
この時も自然観察員のガイドで湿原の木道を歩いている一行とすれ違った。

ここに八雲小屋があるが、ここは食堂と売店のみで宿泊は出来ない。
しかし、八雲ヶ原のスキー場一帯がキャンプ場となっている。
小屋に入ってみるとまだ食堂はオープンしていなかったが、
小屋の人から、「食事出来ますよ!」と声をかけられた。
しかしまだ11時前だし、お腹も空いていないので、
下山してから寄りますよと答えた。
一応おにぎりと水は持っていたが、今日は天気も良くないので、
とっとと山頂までピストンして、
ウドンでも八雲小屋で食べようかという気になった。

●八雲ヶ原から山頂まで
イブルギのコバまでは展望のない水平道。
朝方の雨のせいか、結構道がぐちゃぐちゃしていたので、スパッツを付けた。
その後、沢沿いに道を上がっていき、
30分ほどしてコヤマノ岳からの稜線にぶつかる。
武奈ヶ岳という名前であるが、今は山頂付近にはブナの原生林はなく、
コヤマノ岳の周辺にのみ残るだけだそうである。
稜線に出ると上方への展望が開けているが、なんと霧は晴れて快晴である。
武奈ヶ岳自体も紅葉で紅に黄色に輝いているが、
木々の隙間から見えるだけで、全貌を見る事は出来ず、写真は撮らなかった。
結局最後まで、武奈ヶ岳全貌の写真は撮る事が出来なかった。残念。

ここで前の集団に追いついてしまったが、なんと百名を越す小学生の集団登山。
ここから登山道がかなり急になってきたし、岩場もあり、泥道で滑りやすい。
そんな中、子供達を急がさせるのは危険だし良くないのだが、
遅々として進まないのには、さすがにイヤになった。
そうこうしている内に、西側からはどんどん雲が出てきていて、
今にも稜線に雲がかかりそう。
このままでは、山頂に着く頃には雲に覆われてしまう。急いでくれ!
心の中では、そう叫んでいた。やはり比良山系では展望には恵まれないのか?

子供達にとっては、集団登山でもないと
山に登る経験をさせてやることが出来ないし、
自然教育上も極めて大事な事だとは思うが、
結構単独行を満喫している時に、
中高年や子供達の集団登山に邪魔される事が多く、
何となく集団登山とぶつかると、損をした気分になってしまう。

●山頂にて
ようやく山頂に到着したのは正午前くらい。ガスには覆われてしまった。
しかし雲の流れは速かったので、山頂でおにぎり食いながら待っていたら、
所々雲が晴れる時があり、武奈ヶ岳周辺の黄色く染まった山々や、
琵琶湖の景観、北方へと続く比良山系の深い山並み、
安曇川の深い谷を隔てて広がる京都府最高峰の皆子山を含む山々
(こちらは針葉樹林で、緑緑した山並みが続いていた)
などの展望を楽しむ事が出来た。

子供達は山頂でお弁当を広げているが、彼らが下山する前に下りる事にした。
登ってきた道をピストンするのは面白くないので、次のルートを考えた。

●下山コースの選定
1.今来た道を戻って、コヤマノ岳−中峠−奥ノ深谷−金糞峠−北比良峠
コヤマノ岳のブナ林の紅葉を楽しめる。

2.武奈ヶ岳南西稜−ワサビ峠−口ノ深谷−−中峠−奥ノ深谷−金糞峠−北比良峠
南西稜は非常に展望がよい。ただし、谷を2回越えるのでアップダウン多し。

3.武奈ヶ岳北稜−細川越−広谷の分岐−イブルギのコバ−八雲ヶ原−北比良峠

本当は2番のコースを選びたい気もしたが、
山頂駅の看板にはこのコースは5時間と書いてあったので、
余り時間がかかりすぎるのも、イヤだなという気がした。
自分の脚だったら、4時間以内で歩けるとは思っていたのだが。
3番のコースだと、看板によると4時間。早く下山して、
温かいうどんを食べたい(1・2番のコースだと八雲小屋には寄らない)、
温泉にも寄ってから帰りたい(バスが温泉である比良トピアを経由していたので)
という気分が勝り、3番のコースで下山することにした。
このコースだと、昭文社の二百名山のコースと似たルートになる。
昭文社のコースはガリバー旅行村が起終点なので、
登りは旅行村−八雲ヶ原間を、下りは広谷の分岐−旅行村間を歩かない事になる。
ちょうど、日本の滝百選の八淵の滝に寄らない感じになる。
武奈ヶ岳はなかなか良い山だったので、今後も何度となく登ってみたい山である。
次回来る時は、滝コースで来ても良いかなと思った。

●下山路
山頂から細川越までの北稜は急な坂道の下りではあったが、
慎重に下りたので問題はなかった。
多くの人が登り下りしていたコヤマノ岳への稜線の方が、
滑りやすくて危険だったかもしれない。その意味ではこのルートは正解。
比良山系の北方の蛇谷ヶ峰などの眺めながらの下山である。
細川越から稜線を離れて、広谷の源流部に下り、広谷沿いに下山する。
源流部は小さな湿原になっており、誰にも会う事がなく、
一人静かな山行を満喫する事が出来た。登りとはえらい違いである。
この意味でも大正解であったが、広谷は樹林に覆われており、
全く武奈ヶ岳の姿を見る事が出来なかった。
その意味では、時間はかかるが南西稜を下山した方が良かったのかもしれない。

広谷の分岐からは、広谷から離れて沢を登ってイブルギのコバに。
この付近に、広谷小屋とか望武小屋とかがあるらしいが、
山小屋フェチの私は残念ながら見つける事が出来なかった。
その代わり、広谷沿いには、○○山岳会○○小屋とか
○○会社○○小屋とか、一般に開放されていない小屋が結構あった。
望武小屋も普段は閉まっていて、
使用する人は管理人から郵送で鍵を受け取って利用するそうである。
いわゆる営業小屋や避難小屋は比良山系には無いようである。
もし比良山系の山中で泊まる場合には、八雲ヶ原キャンプ場でテント泊しかない。

八雲小屋に入り、おにぎりだけでは腹一杯にはならなかったので、
カレーうどんを注文した。冷えた体には、暖かい麺類は最高だった。
その後、北比良峠まで戻ったが、若干時間があったので、
比良山の山頂とされている展望台にも上がった。
琵琶湖や、武奈ヶ岳の展望を楽しんだが、
武奈ヶ岳ははっきりは見えたが、その手前にコヤマノ岳が遮るように聳えており、
紅葉に燃える武奈ヶ岳の景観をたっぷり楽しむというわけにはいかなかった。

●下山(比良トピアで一風呂)
バスは1時間に1本しかないので、
ロープウエイでの下山時間(1時間に4本)を考えておかないといけないが、
展望台でのんびりしている内に、
例の小学生の集団山行がロープウエイ駅に到着してしまい、
1本ロープウエイに乗りそびれてしまった。またしてもピンチ。
とりあえず、次のロープウエイに乗って、リフトで下りてバス停に行くと、
小学生が長蛇の列を作って並んでいる。
ひょっとしてバスに乗れないのかと思って焦ったら、
彼らは専用バスを待っているとの事。一安心。
15時発のバスはほぼ満員で出発したが、
比良トピアに寄ったので下車したが、なんと下車したのは私一人。
お風呂は特に特徴はない、無色透明の湯であったが、
内湯の他、泡風呂や露天もあり、山の疲れを癒すには充分であった。
結構マイカー山行で来ている人は寄っているらしく、
温泉の中で山で見かけた人は結構入っていた。

16時台のバスに乗って、JR比良駅へ。
京都駅17:24発のひかりに乗って広島に向かった。
リフトとロープウエイを使ったお気軽山行ではあったが、
正味山行時間は3時間を越えるくらいはあり、天気にもそこそこ恵まれ、
紅葉真っ盛りの武奈ヶ岳の魅力満載で、温泉で一汗流せたし、
大変印象に残る山行であった。
今後も、比良山系には注目したいと思った。