コアラです。

11月14日15日と大阪工大で学会があり、司会と審査のため出席しました。
16日(土)は帰るだけだったので、ちょうど紅葉の良い時期でもあることから、
妻に断って、京都の山に紅葉狩り山行をして帰ることにしました。
登ったのは、三百名山でもある京都の愛宕山(標高924m)。
このところ、比叡山、蓬莱山、武奈ヶ岳と
京都近傍の二百名山・三百名山に登っているので、
何となく愛宕山にターゲットを絞ることに。

この山は真冬でも登れる三百名山なので、
冬の日だまりハイクのチャンスがあれば登ろうかと考えていたのですが、
今回たまたま学会とのタイミングがあったし、
10月の比良山武奈ヶ岳で、ちょうど紅葉真っ盛りの山にあたって、
やはり紅葉は良いなと思ったので、嵯峨野が紅葉で良いこの時期に登ることに。

近畿の三百名山については、
百名山:伊吹山、大台ヶ原、大峰山、
二百名山:伯母子岳、金剛山、武奈ヶ岳、氷ノ山
三百名山:山上ヶ岳、大和葛城山、護摩壇山、蓬莱山、比叡山、愛宕山、扇ノ山
と登っているので、残りは、
二百名山:御在所岳、釈迦ヶ岳、
三百名山:六甲山、三峰山、高見山などです。
結構広島在任中に登りました。

コースは、よくガイドで紹介されている、
清滝から表参道を上がって愛宕神社(山頂)まで行き、
下山は月輪寺経由で清滝まで下りる周回コース。

●コースタイム
清滝バス停9:15−お助け水9:30−25丁休憩舎9:55〜10:00
−7合目休憩舎10:30−水尾分岐10:40〜45
−山頂愛宕神社11:15〜45−三角点11:55〜12:05
−分岐12:15−月輪寺12:40〜13:00−大杉谷分岐13:30
−空也の滝13:40〜45−大杉谷分岐13:50
−森遊館(昼食)14:15〜30−清滝バス停14:50

●登山前
当初大阪で宿を取っていたが、
翌朝早い時間から動けるようにと京都の宿を手配しようとした。
しかし、紅葉シーズンの金曜夜ということもあり、
また一人の宿泊ということもあり、宿の手配が困難であった。
結局YHをどうにか予約することが出来、久しぶりにYHに泊まった。
YHも昔泊まった時とはだいぶ感じが変わっており、
若者の出合の場的雰囲気があったものだが、その様な交流は無かった。
宿からバスを乗り継いで清滝まで行ったが、
各バスの接続が悪く、待ち時間を合計すると小一時間程度に。

途中でコンビニも見つからず、昼食のおにぎりとか水が買えなかった。
清滝に有ることを期待したが、残念ながら無く、
バス停に食堂はあったのであるが、うどんとかの軽食は売っていたが、
おにぎりとかの行動食は販売していなかった。
「食べていきませんか?」と声をかけられたが、
さすがにまだ朝が早いのでお腹は空いていない。

登山客らは、毎日登る人がいるような山なので、
空身で登っている人やら、ジョギングのような格好で登っている人までいる。
まあ、お昼無しでも大丈夫かとい思い、
水は昨日の残りのペットボトルがあるので、それで我慢することにして、
昼食・行動食無しで登ることにした。
お昼は早めに下山して、清滝で湯豆腐でも食べようかと思っていた。
ただし空身の人達はかなり速いペースで登っていました。


●登山路(表参道)
自分が表参道を登っている時に、中高年ではない集団山行があった。
年齢的には20代後半から30代前半くらい。
山MLの年齢層よりはやや低めだが、若者というほども若くはない。
引率している人数名はそれなりに経験有りそうだが、
他は荷物や格好を見る限りは山は素人みたいであった。

休憩時間の様子なんかを見る限りは、出合のサークルの交流会みたいな感じで、
たまたま今回はアウトドアということで愛宕山ハイキングをしているだけなのか、
アドバンスのようなアウトドアサークルの関西版なのかな?
と結構興味を持って見ていました。
(アドバンスもアウトドアサークルにしては、
アウトドアをやりそうもない雰囲気の人が結構入っているので、
似た雰囲気でした。)
全員が顔見知りといった感じでもなく(そういう意味で山MLぽくもなく)、
かといってツアー登山の様な参加者がそれぞれバラバラという感じでもなく、
この不思議な感じは、アドバンスに共通した感じかな?

愛宕山の表参道は非常に整備されている道で歩きやすい。
針葉樹と広葉樹が混じっているのですが、
紅葉している木はとっても鮮やかに染まっていました。
部分的に、パッチ状に鮮やかな部分が有る感じです。
紅葉が始まったばかりの、鮮やかで明るい紅葉・黄葉でした。
(紅葉末期のくすんだ紅葉ではなく)

5合目に東屋があり、そこまで休み無しだったので、小休止。
この一帯の紅葉が、この山で一番綺麗でした。
樹林に覆われて展望はほとんど無いので、
鮮やかなトンネルを抜けている感じです。
例の集団登山はここで長めの休憩を取ったみたいで、
その後は山頂まで会いませんでした。

7合目の東屋は、表参道で最も展望のある場所。
京都市街の西部を一望することが出来ます。
水尾分岐にも東屋があり、そこで休んでいると、
単独行のおばさんに話しかけられる。
何度も登っている人らしく、水尾の方に下りようと思っているのだが、
道が急で余り良くないので、同行者を捜しているようであった。
水尾も紅葉が綺麗なところだし、自分は行ったこともないので、
自分も行き当たりばったりでコースを決めることもあるので、
そちらのコースで下りて、
帰りは保津峡をトロッコ列車で帰っても良いなとは思った。
でも、初志貫徹で予定のコースで行くことにした。
(清滝で湯豆腐でも食べたいというのがあったのかもしれない。
保津峡経由だと嵐山に出るので、清滝は経由しない。)
ここからしばらく登ると総門がある。
この少し手前にも展望の良い箇所があり、亀岡市街が一望できる。

●山頂(愛宕神社・三角点)
神社直下の社務所やトイレのある広い平坦地に出る。
ここには休憩所もあるが、参拝者と登山者とで明確に分けられている。
登山者のマナーが悪いようで、愛宕山は神聖な領域であり云々
と色々注意書きが書いてあって、
これ以上マナーが悪いと登山を禁止せざるを得なくなると書いてありました。
山のマナーの問題は百名山に限定された話でなく、
人ごとではない大事な問題だなと痛感しました。

最後に急な階段を上って山頂の愛宕神社に上がる。
神社のある場所が最高地点のようであるが、標識等はない。
仕方がないので最高点ではなく、階段の途中で神社をバックに記念撮影。
神社の境内を見学したり、ストーブがあり暖がとれるスペースがあったりで、
そのあたりで30分ほどうろうろしていた。
社務所ではお守りとか売っていたので、火の用心のお札と鈴を買った。

老若男女色々な人が登山していたが、
カップルとか比較的若い妙齢のグループとか、
様々な階層の人達が山に来ているようであった。
社務所のある公園のような広場で、多くの人が弁当を広げていた。
売店とかが有れば良かったのだが、残念ながら無かった。
(ジュースの自販機はあったが)
先を急ぐことにして、せっかくなので三角点にも行くことにした。

三角点は神社の裏側の方、徒歩10分位のところにある。
山のガイドなんかには余り紹介されていないが、地形図を頼りに行ってみた。
道は分かりづらいが、道自体は整備されており、問題なく三角点に到達。
そこにも結構人はおり、弁当とかを広げていた。
展望が良く、京都市街を一望でき、こちらの方が山頂ぽい。
三角点の標高は890.5mで、明らかに神社の方が高い。

社務所広場の近くまで戻り、月輪寺方面に下りる。
そこまで、北の方の八木町原から登ってきた単独行の中高年男性と一緒になり、
色々話しながら歩いていたが、早く下山してお昼を食べないとと話したら、
なんと別れ際におにぎりを1個くれた。
ありがたく頂戴して、下山路を下りる。

●下山路(月輪寺・空也の滝)
ここからは、登りのような参道といった感じではなく、山道である。
下りて直ぐに大岩があって、ここからは京都市街が一望でき、
ガイド本にはルート中最も展望が良いとある。
確かに展望は良いが、三角点からの方が素晴らしかった。
この後、いくつか分岐があるので、良く地図を見て判断しないといけない。
かなり良いペースで下山したので、25分くらいで月輪寺に到着。

月輪寺は歩かないと登れない寺で、法然上人ゆかりの寺とされている。
明智光秀が本能寺の変に出陣する前に、
愛宕神社で何度もお神籤を引いたが凶が出たという伝説が残っているが、
実はその籤は愛宕神社ではなく、この月輪寺で引いたものだそうである。
この一帯は5合目の東屋周辺と並んで紅葉が美しく、
境内には美味しい湧き水も涌いており、法然上人の像もある。
このお寺は、年老いた女性とその娘さんとおぼしき尼さんの二人で管理しており、
色々と老朽した寺の普請等でお金が必要らしく、
登山者に100円の協力金を張り紙でお願いしていた。
自分も協力金を払うと、お寺の縁起を書いた紙をくれた。
すごく心落ち着く山奥の寺なので、ここで戴いたおにぎりを食べて、
20分ほど休んでまた出発した。

ここから先は月輪寺の参拝者に踏まれているので、幾分道は良くなる。
ただし、急で岩場の滑りやすい道なので、表参道ほどは良くない。
良いペースで下りて、30分で舗装された車道に出る(大杉谷)。
ここから大杉谷に入ると空也の滝があるので、ここを往復して見てくる。
この後、車道を清滝に向かうが、
途中で高雄の高山寺や神護寺から来る東海自然歩道と合流するが、
そこからはものすごい人の数になった。
途中に森遊館という食事も出来る施設があったので、
お腹の空いた私はここでうどんを食べた。
結構な人だかりで、山帰りの単独者が清滝で湯豆腐を頼むのが躊躇されたから。
この森遊館というのは、千葉真一が主宰したジャパン・アクション・クラブの
道場を再利用した施設で、簡易宿泊なんかも出来るらしい。

●下山後の紅葉狩り(清滝・嵯峨野)
食事後歩いて清滝まで戻ったが、このあたりの紅葉は素晴らしかった。
時期も遅いこともあってか、山中よりも素晴らしい紅葉で、
いっぱい写真を撮ってしまった。
現像してみると、本当に素晴らしく艶やかな紅葉が映し出されており、
今期自分が見た紅葉では、一番ではないかと思われる。

清滝からはバスで戻らずに、清滝トンネルを徒歩で抜け(これが結構怖い)、
嵯峨野の紅葉と寺社仏閣を拝観しながら、JR駅まで歩いてしまった。

清滝トンネルを抜けたところに、茅葺き屋根の民家が並んでおり、
ここが街並み保存地区であると同時に、湯豆腐などの料理店でもあるのだが、
ちょっと覗いてみたらかなり混んでいて、
食事も昼で5000円から1万円くらいの京懐石で、
とっても自分では手が出ない(一人では食べようとは思わない)ものであった。
その意味では、森遊館でうどんを食べて正解だったのかも。

久しぶりの嵯峨野だったので、たっぷり嵯峨野の紅葉狩りを堪能したが、
本当は嵐山近くの大河内山荘(大河内伝次郎の別荘)で紅葉を味わいながら、
抹茶を戴こうかと思っていた。
だから、寺社仏閣の拝観も、本当に見たいところだけに絞れば良かったのだが、
久しぶりなので、つい順番に全ての寺社仏閣に拝観してしまった。
拝観したのは、愛宕念仏寺、街並保存館、化野念仏寺、祇王寺、滝口寺、落柿舎。
落柿舎で5時になってしまい、タイムアウト。

この後、買い物も食事もお風呂も入らずに京都を発ち、広島に戻りました。
本来なら、京都の美味しい食事も堪能したかったのですが、
これは単独ではなく、二人以上で行った時の楽しみにとっておきます。
この時期は、東山の方の寺社仏閣では、夜間拝観などもやっていて、
ライトアップされた建造物と庭と紅葉を堪能できるらしいのですが、
今回は残念ながら、それもしませんでした。
午後9時位まで京都で夜間拝観を堪能して、
最終ののぞみで帰るという選択肢もあったのですが、
(この場合、広島着は深夜0時ですが)
女房が怒りそうだし、(寝顔でない)カナビーの顔も見たかったので、
京都の紅葉に後ろ髪を引かれる思いで帰りました。
三百名山も寺社仏閣も紅葉も、たっぷり堪能できた日帰り山行でした。