蕨山山行
(地理院職員道を間違える)
コアラです。
奥武蔵の蕨山に登ってきたので、報告します。
日時:2000年1月29日(土)
メンバー:コアラの他、女性2名。
お二人は看護婦さん(マロ子さん)と薬剤師さん(Sさん)。
お二人で平日に良く登っているようです。
キャンプ7で知り合い、今回誘われました。
山はコアラが自由に選んで良いということで。
当初から奥武蔵を考えていたのですが、
棒ヶ折、伊豆ヶ岳は一昨年、昨年と1月に登っている事、
自分か関係している山行会で、武川岳、丸山、関八州見晴台等が予定されていたので、
次のような提案を致しました。
案1 蕨山、さわらびの湯。
案2 秩父御岳山、四阿屋山、薬師の湯
その結果、彼女たちは案1を選択し、いざ山行が実施される。
5時にキャンプ7集合。コアラの車で出発。
谷田部から常磐高速に乗り、コアラは眠りたかったので、
守谷SAで運転を夜勤に強い看護婦さんと交代。
外環、関越、圏央道と来て、入間ICで一般道へ。
名栗川沿いの道に入り、さわらびの湯の駐車場に7:45到着。
荷造りをして、河又のバス停へ歩く。
河又8:22発 名郷行きの始発バス 名郷8:35着
名郷 8:40発
林道をウオーミングアップがてら歩く。
林道終点 9:00
ここから沢に入って、山道になる。
私としてはそんなに急とは感じないが、
尾根に取り付く道なのでそれなりに急ではあるし、
展望もないので、程良く汗をかく。
稜線 9:30〜40
稜線にでると、見晴らしが木々の合間から見えるので、小休止。
伊豆ヶ岳、武川岳などが見える。
その一つ向こうには、関八州見晴台の尾根が見える。
その向こうは、何か塔らしきものが立っているので
堂平とか大霧山とかであろうか?
ここからは、快適な尾根歩きと、岩が出た急な登りが交互に現れ面白い。
雪はほとんど無く、道も乾燥しているので実に歩きやすい。
とても急な尾根道を登り切ったところにベンチがあり、
ここで2回目の小休止。
ベンチ 10:20〜35
ここからはあと一登りで山頂かと思われたが、結構大変であった。
急な尾根道の直登であったが、
雪が残っており歩くところが凍結しているため、
つるつる滑り大変であった。
軽アイゼンを付けようかとも考えたが、
道にはアイゼンの跡はないし、
彼女たちも平気で登っているので、付けるのをやめた。
あまりにカチカチなので、付けてもあまり効果も期待できないし。
私は道から離れたところの雪がまだサクサクしているところを選んで登っていった。
20分ほどのゆっくりした歩みで慎重に上がり、ピークの稜線に到着。
蕨山 11:00〜10
ピークの稜線には雪が結構積もっていた。10〜20cmくらいか。
ここをまっすぐ行けば蕨山との標識があったが、
右に少し行くと蕨山の本当の山頂があるので、そちらに先に行く。
そちらに向かう人は誰もいない。
山頂の小さな標識があるところ(標高1044m)で記念撮影。展望はない。
かすかに針葉樹林の隙間から、日向沢ノ峰が見える。
蕨山展望台 11:20〜13:10
もとの道に戻って5分くらいで、見晴らしの良い蕨山展望台である。
こちらに山頂の標識があり、
本来1033mのはずなのに、1044mとかいてある。
大勢の人が休憩して、食事などをとっている。
中高年の5〜6人のグループが多い。
単独行らしいやや若手の(20代後半から30代前半くらい)女性もいた。
かなり若い男性2人組もいた。
他にカップルも数組(別に若くはないが。私よりちょっと上くらいか?)いた。
展望としては、
伊豆ヶ岳、武川岳、武甲山、関八州展望台の尾根、堂平の尾根などのほか、
遠望として男体山、日光白根山、赤城山、榛名山などが見える。
むろん近くの、蕨山山頂そのものや橋小屋ノ頭等も見える。
反対側に目を転じれば、やや木が邪魔をしているが、棒ヶ折等が見える。
景色を堪能した後、昼食を食べる。
私はおにぎり1個とカップラーメンとミネストローネスープであった。
寒い冬は汁物に限る。
最近、携帯コンロ持参の山行が多いな。
ここで暖めたコッヘルを持とうとして、フリースの手袋がないことに気付く。
雪道の急登の際木々をつかみながら登ったので、
手袋を持ってきていたのは間違いない。
どうやら途中で落としたらしい。
これはクリスマスにプレゼントしてもらったもので、
数回しか使っていないものだ。
食事後あわててもと来た道を引き返し探してみるが、見つからない。
雪道の急登のところまで来て、この道を下るのは危険なのであきらめた。
ここでは明らかにはめていたし、
ここは私が先頭だったので落としていたら、彼女たちが気付いていたはずだ。
フリースは使い心地がよいし、貰い物なのでなくしたくはなかったのだが。
これで元気が急になくなった。
私はプレゼントを良くなくす癖がある。
去年の夏もおろし立ての帽子を中アで風にとばされてなくしている。
のんびりしていたら人がいなくなり、
若手男性2人組を残し、最後から2組目の出発であった。
急な稜線を下り、しばらくすると快適な尾根歩きとなった。
針葉樹にはしごが掛けられているが、枝打ちの途中の様である。
しばらくすると、ふかふかと柔らかい急な下り道となった。
快適な下りではあるが、結構急で登るのはイヤだなと思ったが、
地図を見るとそんなに等高線が密になっているところはない。
逆にそろそろ藤棚山の登りになるはずである。
道を間違えたかなと思ったが、思い起こしても間違えそうなところはない。
しかし、この急な下りでは道標は見ていない。
一旦急な下りが終わり平坦になったかと思うと、
先ほど以上の下りで、しかも岩場である。
まるで登ってきたときの急登と同じ様な道である。
女性二人も帰りはなだらかと聞いていたのに、
違うじゃんと文句を言っていた。
見通しの利くところで周りを見て見ると、
稜線らしきものは左上方に見え、藤棚山らしきピークも見える。
尾根からはだいぶ標高を下げてしまっている。
道を間違えたことは明白であった。
彼女たちは結構先まで下りてしまっている。
私は声をかけた。道を間違えたらしいが、引き返すかどうか?
彼女たちはこの道をまた登るの?と聞いた。
振り替えるとかなり急な斜面である。
斜面調査などを仕事でやっていた自分にとっては、
時間さえかければ直ぐに戻れそうであったが、
確かに下りすぎてしまっている。
このまま下りればおそらく林道に出るはずである。
とりあえず、林道にさえ出れれば、帰ることは可能なので、
方針を変えて林道に下りることにした。
しばらく急斜面を下りると林道が見えてきて、ホッとする。
しかし、下りてきた道と林道との接合部は切り土になっており、
10mくらいの崖になっている。
これは巻いて下りないといけないと、
必死に下り口を探して、林道に下りた。
林道から下りてきた斜面を見ると、とてつもなく急な斜面である。
間違えて転べば、止まらず落ちてしまって、
最後は10mの崖を直下して死んでしまう可能性もある。
地理院の職員としては、道を間違えるのは初めてであり
(判断に苦しんだことはあったが)、
全く正しい道に気付かなかったこともあり、屈辱ものであった。
手袋の件と合わせて、ますます元気がなくなった。
林道出合 13:35
この林道は地図にはまだ書いていない。
ちょっと判断に苦しんだが、
私は対岸に地図に書いてある林道が見えることから、
右に谷の奥に行った方が地図に書いてある林道にぶつかると判断したが、
何となく下り道になっている左に行ってしまった。
言い訳すると、左に行けば我々が縦走予定の尾根と平行に行くことになり、
尾根の標高はだんだん低くなるので、
尾根に取り付ける場所があるのではという期待であった。
ひょっとしたら、林道は尾根を越えて延びているかもしれず、
そうするとさわらびの湯には近道になる。
しばらく行くと、ますます道が新鮮になってくる。
なんかやばいぞと思っていたら、工事しておりそこが林道の先端であった。
工事の人に聞くと、このまままっすぐ行っても無駄で、
結局反対に行かないとダメとのこと。
ここでも読みは外れた。
元に戻り、少し行くと舗装された車道とぶつかる。
この道を上がると、蕨山の直下に行けるらしい。
林道がこんなに上まで来ていると興醒めである。
でも、今回はこれで助かったのだから、文句は言えない。
14:10に車道を下り始める。正味約30分のうろつきであった。
車道をどんどん下っていくと、先ほどの若者2名が前を歩いているのが見える。
彼らも間違えたか。彼らの足は速いので追いつかず、やがて見えなくなった。
時々マウンテンバイクに追い抜かれる。
うらやましい。こういうときは、後に乗せてもらいたい気分である。
落合 15:10〜25
ようやく有間渓谷観光釣り場の休憩所に着く。
ここでトイレ休憩。男子トイレに雲克斉(うんこくさい)と書いてあるので、
思わず写真にとってしまう。
有間ダム沿いに車道を歩き、途中でカヌー工房があり5分ほど見学する。
さわらびの湯 16:30着
ようやく温泉に到着。ここは3時間で800円。
18時までなので、17時半まで1時間はいることとした。
食事施設はないので、食料は持ち込みになる。
泉質は無色無臭であるが、フッ素イオンに特徴があるようである。
建物の作りもウッディでなかなか良い。
ジャグジーの付いた露天もあるが、小さい。
私は2年前の棒ヶ折山登山の時以来2回目の利用であるが、
この日帰り温泉は私のお気に入りの1つである。
写真が2枚残っていたので、一枚温泉前で記念写真。
残り1枚は温泉の中で撮りたいというので、
君たちのヌード写真でも期待しているからといって写るんですを貸したが、
結局は撮らなかった様だ。
風呂上がりに、看護婦さんはビールを飲んでしまう。彼女には運転は頼めない。
さわらびの湯 17:50出発。
今回は近道をして、日高ICから乗ることにする。
圏央道から関越に入り、三芳SAで軽い夕食を食べる。
私は豚汁定食。やはり汁物である。
ここから眠くなった小荒井は、薬剤師さんと運転を交代。
目が覚めたときは、既につくば市内のガソリンスタンドであった。
キャンプ7 20:30到着
1人3000円ずつ出し合って、
高速代、ガソリン代、簡単なつまみ・飲み物代全てOKだった。
他に自己負担は、
各自が途中のコンビニで買った昼食・行動食代、温泉代くらいである。
かなりこのパターンの山行は、安く仕上げることが出来、
マイカー山行もお手軽でよい。
今回、地理院職員としては屈辱ものの間違いをしてしまい、
ガッカリでしたが、結構面白い経験でした。
山自体、一緒に行ったメンバー自体は面白かったです。
秋に今回の雪辱をはらすため、逆から蕨山に登って間違えた箇所を明らかにし、
そのまま橋小屋ノ頭や鳥首峠まで縦走して名郷に泊まり、
次の日武川岳から二子山を経て芦ヶ久保に縦走してみようかと、
話しています。興味ある方、一緒にどうですか?