上州武尊山行報告

●マゾッコメグからの報告

マゾッコメグです。

5月25日、マイカー日帰りで上州武尊山に行って来ました。

今回の参加者は
(男性)マゾッコメグ、猿、H、あきじ
の男性4名。
今回は妻が出張で参加できず
(というより、妻がいなくて寂しいから企画したのだが)、
タケちゃんも上州武尊は登頂済みで不参加。
結局女性の参加はゼロとなってしまったが、
その代わりかなり強力なメンバーとなった。
理由は後述するが、このメンバーになったことが
結果的には大きな意味を持つことになった。

上州武尊は多くの登山口があり、コースも何通りか考えられたが、
今回は日帰りで時間も規制されること、
公共交通機関を使っての日帰りは無理なため自ずとマイカー山行となり、
縦走は出来ないこと等から、水上ICで関越道を降り、
武尊神社側から登ることにした。
ただのピストンでは物足りないので、
登りは手小屋沢避難小屋経由の一般的なコースを使い、
帰りに余裕があったら、剣ヶ峰山を経由して下山することにした。
それでもコースタイム上では7時間位かかり、
かなりハードな山行になることが予想された。

車割りだが、あきじさんが車出しをしてくれて、船橋からはるばるつくばまで来て、
私とHさんを乗せて行ってくれることになった。
また府中在住の猿さんは、地理的にかなり離れているので、
単独で来られ、登山口で合流することになった。

つくば−前橋IC−水上IC−登山口(武尊神社)−分岐−手小屋沢避難小屋
−上州武尊山頂−日本武尊像−剣ヶ峰山頂−分岐−登山口(武尊神社)
−裏見の滝−ホテル湯の陣−水上IC−高坂SA−つくば

AM3:00につくばセンターであきじさんの車と合流することになっていたが、
あきじさんもつくばの地理にはあまり詳しくないので、携帯で連絡を取り合って、
最終的に合流できたのは3:10頃。
その後、Hさんと合流する「肉のハナマサ」には3:15頃着き、
何はともあれ無事に合流できたので、出発することにした。
時間がありそうだったので、一般道を使って下妻・下館・小山・佐野経由で
前橋ICから関越道に入ることにした。

あきじさんが前日遅くまで仕事をしていて、一睡もしていない状態での
運転ということで、体調が心配されたが、大丈夫そうだった。
また車中ではHさんの仕事の話などで大いに盛り上がった。

途中AM6:15〜50の間、赤城高原SAで朝食兼休憩をとり、
水上ICで一般道に出て北上し、湯檜曽の手前で県道水上片品線に入り、
藤原湖の脇を通り、武尊神社の近くの駐車場に着いたのは7:50だった。
もっと早く着くかと思ったが、とにかく当初の予定だった8時には間に合った。

猿さんがすでに来ていた。
猿さんが言うには0時頃府中を出発し、駐車場には4時頃着いて、
寝て待っていたらしい。
そう言えば、前日の夜11時頃猿さんから電話があって、
「そろそろ出発する」と言っていたが、あれは冗談ではなかった訳だ。

ここの駐車場は舗装されており、地図には20台停められると書いてあったが、
実際には30台以上停められそうな広さがあった。
駐車場にトイレもあったが、これもなかなかきれいで良かった。

AM8:10には出発するつもりだったが、登山届けを書いてポストに入れ、
そのポストと「熊出没注意」の看板の前で使用前の写真を撮ったりしていたら、
出発は8:20頃になった。
武尊神社はあまり立派な造りではなかったが、ここの写真も撮り、
登山の無事も祈ることにした。
武尊神社から先の道は舗装されておらず、ここからしばらくは平坦な林道を歩いた。



しばらく歩くと道が二手に分かれていた。
まっすぐ行くと小さな沢を横切ることになるので、左に曲がるのか?と思ったが、
近くで山菜採りをしている人に聞いたら、「まっすぐ行くように」とのことだった。
それでまっすぐ行くとすぐ本当の分岐が見えてきた。分岐到着は8:55。
今度はちゃんと道標もあったので間違いはなく、左に曲がって行った。
ここからだんだん道が急になってきた。そして雪が多くなってきた。
ある程度の残雪は予想されたが、この雪の量は予想外だった。

手小屋沢避難小屋にはAM9:50到着。
小屋は登山道から少し下った所にあったが、
これがまるで巨大なドラム缶を横にしただけのような代物で、窓もない。
中は使えるのかどうか分からないランプが1つ下がっているだけで、
寝具の備えなどある筈もなかった。
正に風雨をしのぐためだけにあるようなものだった。
武尊の山小屋は避難小屋しかなく、
その避難小屋にしてもこのようなレベルのものしかないそうだから、
山中で宿泊しての山行はかなり厳しいと言えるだろう。

手小屋沢避難小屋をAM10:00出発。ここから先は更に厳しくなった。
傾斜が急になり、鎖場やロープが増えたのもあるが、
雪の量も多くなり、滑りやすくなり、道も分かりにくくなった。
恐らく北側の斜面だからこんなに雪が残っていたのであって、
他のコースだったらこんなに雪はなかったのだろうが、
こんなに雪があるのは全く予想外で、自分の認識の甘さを痛感したと同時に、
もしこれで遭難者が出たら自分の責任にもなってしまうので、
これは大変なことになったと思った。
しかしここまで登ったからには下りもあるのだからと、山頂まで行く決心を固めた。
またHさんがルートファインディングの能力に長けていたお陰で随分救われた。
場所がどの辺だか分からなかったが(これが藤原武尊峰だったのだろうか?)、
とても眺めのいい地点があり、しばし苦しみを忘れて感動に浸った。



山頂が近くなると何故か雪がなくなり、最後は結構いいペースで山頂に到着した。
山頂到着はAM11:47。
山頂には山頂を示す標識の他、石碑と小さな祠、それと三角点があった。
途中ではあまり人に会わなかったのだが、山頂には我々の他に数名の人がいた。
恐らく我々とは別のルートで来たのだろう。
天候に恵まれたせいもあるが、山頂からは360°すべてが見渡せ、
その素晴らしい眺めに感動した。



東側には皇海山や日光白根山が一際高くそびえていた。
北側には燧ケ岳と至仏山があり、その間に尾瀬ヶ原があったようだが、
あいにくどれが燧でどれが至仏か、今イチよく分からなかった。
西側には谷川連峰が見えたが、まだ雪をたくさん被っていた。
南西側には剣ヶ峰山が見えたが、名前の通り鋭く尖った形をしていた。



ここで昼食にしたが、今回は時間的に制約も多いので、
特にお茶を沸かしたりすることはせず、
各自持って来たおにぎりやパンを食べるのみにとどめた。



PM12:20に山頂を出発。
コアラさんが言っていた日本武尊像のことが気にかかったので、
それも見に行くことにした。
日本武尊像は山頂から5分ほど下った所にあるが、
中ノ岳方面からの登山道にあり、本来我々は通らないコース上にあった。
像の大きさはそれ程でもなかったが、みんな結構感動し、一緒に写真に収まった。



PM12:30、道を引き返し、剣ヶ峰に向かった。
山頂から見た限りでは剣ヶ峰まで行く途中はあまり雪がなさそうだったので、
来た道を引き返すよりは楽だろうと思い、剣ヶ峰経由で下山することにした。
確かに剣ヶ峰までの道は快適な道も多かったが、当初予想したほど楽ではなかった。
ここでも雪渓を渡る箇所はあったし、雪が溶けて湿地と化した箇所もあった。
ガレ場も若干あった。
しかし何と言っても、途中で道を間違えてしまい、
道がなくなってしまったのが最大のハプニング。
この時もHさんのルートファインディング能力のお陰で救われたが、
正規のルートに戻るまで、藪漕ぎを余儀なくされた。
それにしても本当にバラエティに富んだコースがある山だ。
途中の山道から見た武尊の山頂と、
武尊から前武尊にかけての雪渓と尾根の眺めは実に素晴らしかった。
花は満開になるにはまだ早かったようだが、
石楠花(しゃくなげ)の花は綺麗だった。



このコースで、自分は左足がつってきた。
左足の筋肉を伸ばし、ゆっくり歩くようにしたら、
足がつったのは次第に治ってきたが、今回のコースがいかに大変か、よく分かった。

剣ヶ峰の近くまで来たら標識があり、そこには「剣ヶ峰まで100m」とあった。
これなら楽勝と思ったら、甘かった。
傾斜はきつくなるし、なかなか山頂に着かない。
「100mというのは高さのことだったのか?」という声も出始めた。

剣ヶ峰山頂にはPM1:43到着。
山頂は狭く、標識も物足りないものだったが、眺めは素晴らしかった。
玉原湖のブルーの湖面が綺麗であった。
遥か遠くに赤城山も見えたが、その手前に見えた市街地は沼田だろうか?
ここでみんなマッタリモードに入り、出発は2:05と、
思ったより長居してしまった。

剣ヶ峰から分岐に下る道はとにかく急で、その距離も長いものであった。
後で聞いた話だと、この辺は地元の人でも滅多に行かない所らしく、
「剣ヶ峰に行った」と言ったら驚かれた。
また最初はあまり雪もなかったから、登りに比べたら楽だろうと思ったら、
何と下りのこのコースでも残雪があった。
これでまた道を間違えそうになったが、幸い間違えることはなかった。
しかし雪渓のせいかペースが上がらず、
コースタイムよりもだいぶ余計にかかってしまった。

結局、分岐に着いたのはPM3:50。
ここでテントを張って宿泊しようとしている男性(30〜40代?)がいて、
その人と少し話したが、この人は関西から単身赴任で関東に来ているが、
仲間がいないので単独で山に行くことが多いらしい。
水上まで電車で来て、水上からここまでは折り畳みの自転車で来たらしい。
かなり本格的にアウトドアをやってそうな人だ。
どうせだからこの人も山仲間に引き込もうかとも思ったが、
時間もなかったので、この人とはここで別れ、3:55頃また歩き出した。

登山口の駐車場にはPM4:25到着。
当初の予定では4時には到着するつもりだったから、やや遅れてしまった。
しかし今回の山行は、残雪が多かったため、かなりハードなものであったから、
若干の遅れは止む無し、といったとこか。
正直言って、このメンバーだからこの時間に降りて来られたが、
もしこの中に初心者がいたらどうなっていたか?
最初は男ばっかりで物足りなさを感じた面もあったが、
健脚揃いのこのメンバーだったから暗くなる前に戻って来られたのかも知れない。
(勿論、女性にも実力のある人はいるけど)

裏見の滝がすぐそばにあった。
時間が遅くなっていること、体力的にもだいぶ参っていることから、
滝まで見に行くのはどうか?という気もしたが、結局、見に行くことにした。
滝まではひたすら階段を下った。
道はよく整備されており、一つの公園のようになっていた。
滝そのものは結構迫力があって良かったが、滝の裏側に行く道に
「立入禁止」という札がかかっていて、裏までは行けなかった。
しかしその札をよく見ると、立入禁止になっているのは冬の間だけらしく、
なぜこの時期に立入禁止の札がかかっているのか、よく分からなかった。
ここから駐車場に戻る道は、とにかくしんどかった。



駐車場をPM5:10出発。
だいぶ遅い時間帯になってしまったが、温泉に行くことにした。
やっぱり土曜日にして良かった。
もしこの山行が日曜日だったら、滝も温泉もなかったかも知れない。
温泉の候補として、「水上高原プリンスホテル」、宝川温泉の「汪泉閣」、
うのせ温泉の「奥利根館」、諏訪峡温泉の「温泉センター・諏訪の湯」
も考えていたが、結局、湯檜曽温泉の「ホテル湯の陣」に行くことにした。

ホテル湯の陣にはPM5:50着。入浴料は1050円。
風呂だけでなく建物全体も清潔な印象があり、好感が持てた。
露天風呂がちょっとセコイ感じがしたが、
トータルでは結構いい点が付けられると思った。
貴重品のロッカーが塞がってしまっていたので、
Hさんがみんなの貴重品をフロントまで持って行ってくれて預かって貰った。
そのため、Hさんが入るのが遅れてしまったが、露天風呂の存在に気付かず、
私と猿さんとあきじさんが露天風呂に行っているのも当然分からず、
もうみんな上がってしまったものと勘違いして、早目に上がってしまったようだ。
ちょっと勿体無いような・・・

ここで食事をしていこうかという話もあったが、
ここではラーメンなどの軽食しか出せず、
もっと手の込んだ料理になると前日までに予約しておかないといけないらしい。
それでPM6:50に湯の陣を出発し、水上の町で適当な食堂を探すことにした。
7:00、「焼肉・ラーメン・若松」という店を見つけ、ここで夕食にした。
結局はラーメンになってしまった訳だが、
ここは焼肉にもこだわっているようなので、カルビラーメンを頼むことにした。
ちょっと辛かったが、結構美味しかった。
またこの店の水は、谷川岳の湧き水を使っているそうだが、
この水も結構美味く、気に入った。
この店のおやじさんが話し好きで、この辺りの熊の話などを聞かされた。
先に書いた、「剣ヶ峰は地元の人でも滅多に行かない」という話は、
このおやじさんから聞いたものだ。

PM7:50に店を出発し、水上ICから関越道に入って帰った。
私とHさんの茨城組はどのように帰ろうかと考えたが、
結局、つくばまで高速を使って、あきじさんに送って貰うことになった。
さすがに時間も遅いので、行きのように一般道で帰る訳にもいかなかった。
多少お金はかかるが、一番疲れない帰り方だろう。

PM9:10に高坂SAに到着。
ここでまた猿さんと合流し、9:45まで休憩をとった。
ここで猿さんと別れた後、外環道・常磐道と乗り継ぎ、
谷田部ICで高速を降りた。
まずHさんが先に降りることになり、ここで清算をすることにした。
ガソリン代、高速道路代で計10400円となったが、
あきじさんにわざわざつくばまで来て貰って、送って貰っているので、
私とHさんで5000円ずつ出し合うことにした。
それでも十分安いものだと思ったが。
その後、私の家の敷地内まで送って貰った。到着は11:10。
思ったより早く着いたのではないだろうか。
この後あきじさんが無事に船橋まで帰れたか、心配だったが、
その後あきじさんからメールが届き、ひと安心。

翌日曜日はさすがに疲れたので、一日中家にいた。
今回の山行は、予想外の残雪があったせいもあり、
日帰り山行としては最高レベルの厳しさだったと思う。
しかしコースもバラエティに富んでおり、景色も素晴らしく、滝も見に行けたし、
天気も良く、メンバーにも恵まれたので、今回もまた満足の行く山行となった。

また今後、Hさんとあきじさんが仕事の面でも交流を持つことになるかも知れず、
これがお互いにプラスになれば、
我々としても山ML企画をやっていて良かったと思えるだろう。

はるばる茨城まで来て車に乗せてくれたあきじさん、
そして一緒に楽しんでくれたHさん、猿さん、有り難うございました。
今回参加されなかった方も、次の機会に一緒に楽しみましょう。

湯桧曽温泉・ホテル湯の陣 0278−72−4111
宝川温泉・汪泉閣 0278−75−2611
うのせ温泉・奥利根館 0278−72−2311
水上の温泉 
水上高原プリンスホテル 0278−75−2222
温泉センター・諏訪の湯 0278−72−2056


●あきじからの報告

あきじです。

昨日の武尊山山行、とても良い山行でした。
企画してくれたマゾッコメグさん、また、一緒に参加していただいた
猿さん、Hさん、ありがとうございました。

当日は天気も良く、気温も登山にはちょうど良い感じでしたので、
登りはじめから快調に歩くことができました。

途中の雪渓や岩壁には参りましたが、気持ちの良い広葉樹林帯や
360度見渡せる山頂など、すごくメリハリがあり
思い出に残る登山になった気がします。

今年もこれからが登山には良い季節なので、
また近いうちに山にいきたくなってしまいました。


●Hからの報告

Hです。

昨日の山行では、とてもお世話になりました。
おかげさまで、大変良い運動になり、
また、素晴らしい展望を楽しむことができました。
どうもありがとうございます。