古鷹山山行報告(byコアラ)

2月2日(土)に、広島山ML企画として、
広島湾の沖合にある、江田島の古鷹山に登ってきました。
古鷹山は標高392m。
海軍兵学校の学生達が鍛錬のため駆け足で登った山として有名です。

モーリンら広島大学系列のお医者さん達は、人事の季節と言うことで落ち着かず、
今回は参加を見交わせるということで、
夜の懇親会も含めて参加出来ないとの事でした。
従って、今回は、コアラとQちゃんの2名で、山のみ登ってきました。
下山後の新年会は延期ということになりました。
音戸大橋経由で本州の呉市から倉橋島に渡り、
早瀬大橋で経由で倉橋島から江田島に渡ります。
従って、呉市からバスで行くことが可能なのですが、
JRとバスを使うとえらく遠回りですので、
今回は広島からフェリーで江田島に渡り、北から古鷹山を縦走。
南に下山して、下山後は有名な旧海軍兵学校を見学しました。
その後、小用港からフェリーで呉に渡り、呉では呉市美術館を見学、
その後JRで広島まで帰りました。

●メンバー:コアラ、Qちゃん
8:00に広島港(宇品港)に集合。
8:15分の上村汽船のフェリーで、江田島北部の切串港に渡る。
30分の乗船で、切串港に着きました。

◎古鷹山登山
●コースタイム
切串内港8:45−登山道9:10−林道出合9:40〜45−鞍部9:55
−古鷹山山頂10:10〜40−二等三角点峰10:55〜11:10
−バクチ岩11:20−奥小路登山口11:45



切串港から歩き始めるが、当初江田島最高峰のクマン岳(標高400m)経由で
縦走しようと考えていたが、
切串港からクマン岳までの道が余り整備されていないと案内書に書いてあり、
下山後出来れば1時から旧海軍兵学校の見学をしたかったので、
クマン岳経由は諦めて、直接切串港から古鷹山に登ることにした。
古鷹山には山頂直下に林道が延びており、
ここから30分弱で古鷹山に登ることも可能であるが、
今回はマイカーでは来ていないので、下から登った。
川沿いに25分歩いた所でようやく登山口の案内があったが、
そこからもしばらくは車が通れる道。
やっと山道になったが、畑仕事をしている人が、この道は良くないと言っていた。
確かにシダが多く茂っており、夏なんかだったら歩きたくない道である。
でも、テープなんかもしっかりあったし、決して悪路ではなかった。
林道にでたが、そこにトイレと広場があり、ここまで車で来れるわけだ。
ここから古鷹山までの道は遊歩道化されており、大変歩きやすい。
古鷹山には二等三角点峰が有るが、最高峰は別なところにあり、
最高地点に山の標識等がある。地元の人はここを古鷹山にしている。



古鷹山の最高地点の標高は392mとされているが、
最近の国土地理院の調査では394mとなっている。
ただ、地元の人達は天皇の国(御国:みくに)という意味から、
パンフレットや案内等では392mを使っているようだ。
展望も三角点峰よりは最高峰の方が良い。360度の展望である。
北の方を見ると、朝着岸した切串の街が島の突端に広がっているのが見える。
東に目を転じると、呉線沿いの町並みが見え、呉の市街地と工場群が見える。
南の方に目を転じると、海上自衛隊の第1術科学校の敷地が下に広がっている。
その向こうには能美島が広がり、江田島との間には穏やかな内湾が佇んでいる。



30分ほど景観を楽しんでから下山を開始し、
三角点峰をピストンして、中郷方面に下山した。
コンクリートで舗装された部分もある、かなり整備された遊歩道である。
30分強で、奥小路登山口に下山した。
ここには駐車スペースもあり、古鷹山に登る人はここからピストンする人が多い。

◎下山後の楽しみ
●ふるさと交流館
中郷の町並みを歩き、海上自衛隊第一術科学校の正門前に来た。
午後の見学は、13時からと15時からなので、
正門近くのふるさと交流館に入り、展示物を見た。
その後、黒豚という名の食堂に入り、昼食にした。
コアラは、黒豚ロースカツ定食を食べた。(950円)

●海上自衛隊第1術科学校(旧海軍兵学校)
旧海軍兵学校で、現在は海上自衛隊の第1術科学校と幹部候補生学校。
江田島の海軍兵学校は、アメリカのアナポリス、
イギリスのダートマスと並ぶ世界三大兵学校だったらしい。
第1術科学校は、自衛隊の隊員に対して専門教育を行う機関で、
幹部及び海曹士の学生が教育を受けています。
幹部候補生学校は、防衛大、一般大学を出た幹部候補生、幹部予定者に
約1年8ヶ月の幹部教育を施す機関で、3等海尉に任官して巣立っていきます。
昔ながらの建物が多く残されており、まさに建造物の博物館といった感じです。
御影石で出来た大講堂。
煉瓦造りの幹部候補生学校。
ギリシャの神殿のような教育参考館。

中でも、幹部候補生学校の景観は白眉である。

この玄関は、校長先生しか通ることが出来ない。
(他の先生や学生は、通用門からしか入れない)
来賓等があった場合には、校長先生と一緒に玄関を通行出来るらしい。
教育参考館には、東郷平八郎や山本五十六などの
海軍将校の書や遺品が展示されている。
また、真珠湾攻撃に参加した特殊潜水航艇、
(5隻10名がその任務に就いたが1名しか生き残れなかった)
特攻潜水艇「回天」や神風特攻隊の資料や遺品なども展示されている。
今の平和をありがたく思う、大変厳かな気分になった。

見学自体は集団で行い、シルバーボランティアの人1名と、
第一術科学校生徒部の学生2名が案内に付いた。
Qちゃんは、一番後ろから学生2名と話しながら見学していた。
後で学生さんとしか話していなかったねと聞いたら、Qちゃんはやはり、
「若くて制服着た凛々しい男性は素敵だもん」と言っていた。
やはり若い男性の方が良いのか?
最後に、頼んで一緒に記念写真を撮ってもらった。
たっぷり2時間以上、見学にかかってしまった。

術科学校前のバス停で午後3時台のバスに乗り、近くの小用港まで向かった。
小用港からフェリーに乗り、呉港に向かった。
呉港には、午後4時くらいには着いていた。

●呉市立美術館
グラフィックデザイナーの亀倉雄策展をやっていました。
既に故人の日本のグラフィックデザイナーの大御所です。
東京オリンピックや大阪万博などのポスター制作で有名です。
この美術館は、特別展の時は午後7時まで開館しているので、
今回のように旅行帰りに立ち寄ることが出来、結構活用出来ます。
美術館の隣には、呉にあった海軍鎮守府の建物を持ってきた
入船山記念館もあり、ここ一帯が呉市の最も有名な観光エリアになっている。

◎費用
公的交通機関を使ったので、かなり安上がりであった。
フェリー 宇品港−切串港 400円
バス 術科学校−小用港 150円
フェリー 小用港−呉港 300円
JR 呉−広島 480円
 合計の交通費用は、1330円。
この他に、昼食950円、美術館600円がかかっている。

山よりは、下山後の観光に力を置いたようになってしまったが、
山も旧海軍兵学校も美術館も楽しめた、広島近郊の船旅の山歩きであった。
このところ、宮島弥山、上蒲刈島七国見山、江田島古鷹山と
瀬戸内の島の山行が定例化してきている。冬に登るには良い山ばかりである。