先週末(1月25/26日)、家族で蒲刈島と野呂山に行って来ました。
妻とどこかに旅行に行こうと言うことで、インターネットで調べて、
私は昨年の1月に行った事があるのですが、蒲刈島に行くことにしました。
(HPの1月の七国見山行を参照。
下蒲刈島の三ノ瀬地区を散策、七国見山を登山し、県民の浜やすらぎの館で温泉。)
下蒲刈町のHP
県民の浜のHP
今回は三ノ瀬地区を散策し、県民の浜に泊まって、
いちご狩りやハーブ工房を体験でもしようと考えていた。
ところが県民の浜の宿泊施設「輝きの館」がその日に限って団体客で満室。
(1泊2食で10,200円。ウッディなリゾートホテル。)
そこで、蒲刈島に泊まるのは諦めて(民宿はあったのですが)、
対岸の野呂山の山頂にある国民宿舎「野呂山高原ロッジ」に泊まることに。
元々1泊2食で6,800円と安いのだが、今はシーズンオフでガラガラで、
1泊2食で5,500円とかなり安い料金設定になっていた。
蒲刈島の方は、三ノ瀬地区は、蘭島閣美術館と松濤園を見学。
蘭島閣美術館はスリッパで入るので、カナビーは絨毯の上をハイハイして上機嫌。
松濤園は民家が色々展示されているが、中が暗い造りになっているためか、
カナビーは機嫌が悪くて、愚図ってばかりで大変だった。
番屋敷は明るい造りのせいか、縁側を機嫌良くハイハイしていた。
県民の浜は「恵みの丘」に行ったのだが、
いちご狩りもハーブ工房もその日は予約が一杯で飛び込みはダメ。
レストランで恵み御膳を食べて、後は周辺を散策しておしまい。
温泉「やすらぎの館」に入りたかったのだが、妻が湯冷めを嫌って、
今夜宿でもお風呂に入れるので、野呂山に向かうことに。
私も1年前に入っているので、無理に入らないことにした。
翌日は、野呂山散策後、筆で有名な熊野町の「筆の里工房」を見学し、
そこで筆の里御膳を食べ、
その後、広島と呉の中間にある日本最大の家具店
「ファインズ・ギガモール」に寄って、
そこでカナビーを1時間ほど自由に遊ばせて、広島に戻りました。
(「子供パイレーツ」という子供を預かってくれる遊び場がある)
http://www.asagami.co.jp/main/hiroshima2/gigamall.html
http://www.epocaclub.com/konshuu/giga.htm
以下、野呂山を中心に報告します。
◎野呂山(のろさん)(標高840m)
野呂山は瀬戸内海沿岸では、六甲山(標高939m)に次いで高い山だそうです。
高原状になっていて、車で上がれる山で、瀬戸内海の展望が素晴らしい山です。
行政的には、呉市、川尻町、安浦町にまたがっています。
夏の避暑としても有名で、安芸の軽井沢とも呼ばれています。
初日の出も有名らしく、広島から車で2時間なので、
元旦に一人で行ってみようかと思ったのですが、
曇天だったので行きませんでした。
昭和25年国立公園に指定され、同年毎日新聞主催の「観光百選」に入選、
昭和29年には,中国新聞社主催の「観光コンクール」で第2位に入選している。
学術的にも貴重なものがあり、
植物の種類が豊富で、約1000種あるといわれている。
地質の上からも、岩海、大重岩、小重岩等があり、価値が高い。
歴史の上からも、弘法寺、野呂神社、古くは侍屋敷跡等があり、興味は尽きない。
江戸時代の文政の頃から開拓が行われ、明治や戦後にも多くの入植者があったが、
凶荒や獣害、世の中の急変によって徐々に離農、下山し、
現在では10戸、約30人しか残っていないという。
●野呂山の地形(1/2.5万地形図「安芸内海」参照)
瀬戸内海国立公園の野呂山は、東西2キロ、3000ヘクタールの高原の総称で、
野呂山という固有の山はない。
ピークが三つあり、西の方から、
最高点で三角点のある膳棚山(標高839.4m)。
山頂周辺にはNTTの電波塔が乱立しています。
真ん中が、国民宿舎の西側のピーク(独立標高点813m)。
東が弘法寺の北西にあるピーク(独立標高点826m)。
弘法寺の直ぐ上にはもう一つの三角点(標高788.8m)があります。
膳棚山と真ん中のピークとの鞍部は、
車道の「さざなみスカイライン」が上がってきた十文字ロータリーにあたり、
この周辺に開拓民の住居が集中しています。
真ん中のピークと弘法寺のピークの鞍部には、
氷池という最大の池があり、その周辺は散策路になっています。
その南の突端には最も展望の良い「かぶと岩展望台」があります。
また、弘法寺のある場所の突端には、「星ふる展望台」があります。
●野呂山高原ロッジ周辺の散策
今回は家族連れだったので、夕方に各展望台にはマイカーで行きました。
※星ふる展望台、かぶと岩展望台
展望が素晴らしく、瀬戸内海の島々、
特に下蒲刈島・上蒲刈島・豊島・大崎下島・大崎上島
と続く数珠つなぎの島々の景観が素晴らしかったです。
翌早朝には、一人で展望台に行きました。
曇天だったため、今回も日の出は無理でしたが、
瀬戸内の展望は十分満喫出来ました。
また周辺のかぶと岩や大滑岩などを散策、弘法寺にも行きました。
※弘法寺
弘仁3年(812)弘法大師が21日間参籠され、
大師の肖像を88ヶ所に安置されたうちの一ヶ所とつたえられている。
この事蹟を敬い麓の住民が弘法大師堂を建立し,幾星霜を経て今日に至る。
山の上にある三角点には、時間が無く登ることが出来なかった。
朝食後チェックアウトまで、一人で氷池や大重岩などを散策しました。
※氷池
氷池付近を散策すれば湿地などがあり、尾瀬沼を歩いている感じさえする。
明治22年頃、川尻の中村亀太郎氏がここに氷池を掘り、
天然氷の製造を始め、年間約200石を生産したといわれる。
※大重岩
大自然の節理によって出来た岩塊。
岩石は流紋岩、組織は板状節理で風化残留岩の一種。
「節理」とは、岩石に発達した割れ目のことで、
規則正しく発達したものもあれば、不規則に発達したものもある。
「節理」には柱状節理、板状節理、塊状節理等がある。大重岩は板状節理である。
※筆資料館
国民宿舎のとなりには筆資料館があり、家族で見学した(入館料200円)。
昭和59年完成。館内には、筆作りの工程、筆作りをしている人形もあり、
興味深くみることが出来る。また、国民宿舎入口近くに筆塚がある。
また、「さざなみスカイライン」を車で少し下りて、
途中の駐車場から「岩海遊歩道」を少し歩いた。
この遊歩道の途中にはこの辺では珍しい岩海で(ごうろ)があり、
しかも、途中に展望台などがあり、
ゆっくりと瀬戸内の美しい景色を眺めながら歩くのに適したコースである。
※岩海
岩海は、寒冷地の気候を示す地学的現象で、
温度差による膨張、収縮により岩石がこわされるが、
化学的風化があまり進まないので、粘土が形成されにくいために
長い年月の間に谷に集まったものと考えられる。
岩石がその節理に沿って、
物理的な風化作用や化学的な風化作用によってこわされたり、
分解されたりして生じた礫がその場に残留し、
または、更に流水によって運ばれ、累積している現象を岩海という。
●最高峰「膳棚山」
国民宿舎の支配人に聞いてみたら、野呂山には山頂というものはなく、
国民宿舎の周辺の高原が山頂のようなもので、
そこを散策する山と言われてしまった。
しかしながら、地理院の地形図には最高峰「膳棚山」まで行ける車道があるので、
チェックアウト後、家族で車で行ってみた。
しかし、その車道はNTT管理用で一般車立ち入り禁止で、
チェーンがなかったので登ってみたが、
最後はアンテナ周辺が柵で覆われていて、立ち入りが出来なかった。
最高地点まではほんのちょっとだっだので、
単独だったら、柵の脇を藪漕いで、ちょっと登ってきたのでしょうが、
今回は家族連れだったので諦めました。
カナビーと山頂で記念写真でも撮ろうかと思っていたので、残念。
それだったら、早朝に一人で登ってくれば良かったと思った。
その後、車で膳棚山の周辺を1周する車道を行き、
何処か藪漕ぎせず登れるところはないかと捜したたが、見つからず。
その代わり、この車道は中国自然歩道になっているのですが、
その最高地点らしい高原状の場所に「膳棚山」の標識があったので、
ここで証拠写真を撮りました。
ただしその周辺では、とっても良く吠える犬が放し飼いになっていたので、
車からは降りれず、車窓からの写真となってしまいました。
この周辺には開拓民の住居が集まっているのですが、
確かに廃屋になったようなものも散在していましたが、
人が住んでいる建物は結構小綺麗で、まるで別荘のような感じでした。
(ひょっとしたら、避暑地でもあるので、別荘なのかもしれませんが)
●野呂山の登山コース
山の本を読んでみると、野呂山の登山コースとしては、
JR川尻駅から十文字ロータリーまでの「どんどんコース」、
(開拓民の子供達が山麓の中学校に通う通学路だったらしい)
川尻駅からかぶと岩展望台までの「かぶと岩コース」、
JR安登駅から弘法寺までの「弘法寺コース」、
野呂山の西麓、国道375線の石内から膳棚山への「下石内コース」
の4つが紹介されている。
どのコースも高原の一角に出たところで終わっているので、
必ずしも最高峰に到達することにこだわらなくても良いのかも知れない。
また、山頂の国民宿舎野呂高原ロッジに泊まって、
大重岩、氷池、カブト岩展望台、星降る展望台、弘法寺などを散策する
(約2時間のコース)というのが一般的のようです。
なお冬はシーズンオフなのですが、
ロッジ主催で様々なアウトドア企画があります。
http://www.kawajiri.net/08000/8000norosan_top/8000norosan_top.htm
こちらでも、駅からかぶと岩展望台までの登山か、
山頂付近の高原の散策がメインです。