天応烏帽子岩山・天狗城山山行報告(by コアラ)

2月23日の日曜日には雨も上がって、所々晴れ間も覗いたので、
呉市にある岩山に登ってきました。

登ったのは、天応烏帽子岩山(標高410m)と天狗城山(標高293.4m)。
どちらも、呉線やクレアラインから見える、特徴ある山容の岩山です。
どちらも「分県登山ガイド 広島県の山」に紹介されている。
天応烏帽子岩山は二つ星(難易度が高い)の山で、
ガイドブックには基本的な登攀技術が必要なので、
初心者は単独登山はしないよう書いてある。
(この山は三点確保などの岩登りの技術が必要)
天応烏帽子岩山は山と渓谷社の中国百名山にも選ばれている。
また天狗城山は、宮島在住のイラストレターさんが書いた
「イラストで登る広島の山」にも紹介されている山で、
21座の内19座に登った事になります。
未登頂なのは三倉岳と極楽寺山の2座です。

この日は夜に妻子が新潟から帰ってくるので、
広島西空港に迎えにいかないといけず、余り遠出は出来ません。
でも、夕方までは歩けるので、
それなりの山行コースを歩きたいと思っていました。
というわけで、近場だけれども早朝山行では行きにくくて、
それなりにハードな山ということで、この2つを選びました。

まずは難しい天応烏帽子岩山に登ることにして、
その後下山してから、天狗城山に登り、小松尾山まで縦走して、
体力的に余裕があれば絵下山まで縦走しようかと考えていました。
要は、健脚コースを2コース分歩いてしまおうかという、
ハードなことも視野に入っていました。

結果としてとったコースは、JR天応駅から天応烏帽子岩山に登り、
ここから稜線上の中国自然歩道を北に歩き、深山の滝を経由して、
絵下山への縦走路の分岐から、小松尾山・中天狗・天狗城山と縦走して、
最後に天狗城山の岩山を下山し、JR呉ポートピアへ下りました。

天狗城山よりは天応烏帽子岩山の方がコース自体は十分ハードで、
結果としてはこちらを登りにしておいて正解でした。
雨の直後だったので滑りやすくてちょっと大変でしたが、
他に全く登山者はいませんでしたが、多少怖いところはあったものの、
特に大きな問題もなく、順調なコースタイムで山行を楽しむことが出来ました。

◎天応烏帽子岩山

●コースタイム
(車道からは、天狗城山の報告を参照)
JR天応駅8:10−墓場前広場8:20−展望台8:35
−ドンガメ岩9:00〜10−天応烏帽子岩山9:20〜35
−三角点峰9:45−野外活動センター10:10〜20
−車道10:30−(天狗城山)

JR天応駅から集落内の狭い道を進み、魚屋の所を左に曲がり、
ガイドブックの記述に従い進み高速道をくぐると、墓場前の広場に出る。
ここが登山口になっているが、この広場に駐車可能であった。
烏帽子岩のそそり立つ岩峰が顔を出している。

広場から直ぐ上の茶室のある住宅の右手を進んでゆく。
水の無い小さな沢を越えると登りが始まる。
しっかりしたルートがついておりそのルートを追う。
ジグザグに登り高度を稼ぐ。
しばらく登ってゆくと視界が開け、前方に烏帽子岩の鋭鋒が見え、
その左手に392mピークの岩山が見える。
後には瀬戸内海の景観が広がる。次第に岩のルートになる。
ルートには所々に赤ペンキ(大分色褪せている)によるルート表示がある。
ルートを選びながら登ってゆく。
足場を確保し松の小枝など支えになってくれるものを見つけなんとか登ってゆく。
下りは中国自然歩道を通ることを考えていたが、
ここを下るのは遠慮したいような場所である。
緊張する場所を越えると展望台と言われる広場に出る。
ただし、余り広くないし、予想よりもだいぶ早い時間で来てしまったので、
(ガイドブックでは40分のコースを25分で登ってしまったので)
その時はここが展望台と呼ばれている場所かどうか分からず、
ちょっと汗を抜くって一息入れただけで、先を急いだ。
広場から山頂の方向を見ると、右手にクロナメラとよばれる岩場が広がる。
尾根の左手に烏帽子岩の鋭鋒が見える。瀬戸内海の景観も更に広がってきた。

この後ルートは右手方向にとり谷筋を登ってゆく。
その奥に分岐があり、分岐を左にとり大きな岩の下を回りこむようにして進む。
足場が滑りやすいので手を上手く使い登ってゆく。緊張を強いられる登りだ。
この付近で左に入る踏み分け道みたいなものがあった。
結果的にはこれが烏帽子岩に登るルートだったみたいだ。
しかしこの時には、自分がまだ展望台を過ぎているのか不明だったし、
「烏帽子岩」との標識も見受けられなかったので、見送って先に進んだ。

この後も緊張を強いられる苦しい登りを続けると、大きな岩の横に出る。
この岩がドンガメ岩らしい。ここで自分の位置を正確に知った。
かなり早いペースで登ってきているので、
烏帽子岩に登ることもちょこっと考えたが、
先程の緊張を強いられる登りをまた下ることはどうもしたくなかったし、
烏帽子岩への登りはガイドブックに寄ると危険度が高そうだったので、
他に誰も登山客がいないことだし、諦めることにした。
ドンガメ岩の方は3m程の高さがあり、
ロープが岩に取り付けてあり岩の上に立てる様になっている。
こちらにはトライしてみたのですが、ほとんど垂直の一枚岩の岩場で、
自分の力量では全く登ることは出来ませんでした。
単に腕力が無いだけかもしれませんが。ここで、小休止を取った。
(実は1年半くらい前に肩を痛めてから、腕が余り上に上がらず、
懸垂は1回も出来無いどころか、鉄棒にもぶら下がれないのです。)

ここからは厳しい所は無い。すぐに中国自然遊歩道に出、右にとり山頂へ。
山頂には先客で、高校生と引率の先生といった感じの4人パーティがいた。
山頂には小さな祠があるが、三角点はない。山頂の眺望は素晴らしい。
灰ヶ峰の観測ドームや野呂山、小田山も見えるが、山頂付近はガスを被っている。
瀬戸内海方面の景観も素晴らしい。
しかし、直下の烏帽子岩やドンガメ岩は見えない。
裏側の、焼山の宅地開発が進んだあたりの景観も素晴らしい。
ここで記念写真を撮ったが、風景写真もいっぱい撮ってしまった。

ここで下山コースをどうするか考えたが、
(中国自然歩道を北に向かうか南に向かうか)
中国自然歩道を北に向かって、深山の滝方面に下りることにした。
この歩道は幅も広く歩きやすい。
ただし、マサの道なので、急斜面だと滑りやすいので、注意が必要である。

若干のアップダウンがあり、偽木の階段を登りきると、
391.7mの三角点ピークに出る。折角の三角点なので記念写真を撮る。
ここで、写真を撮りすぎてしまったために、フィルムが数枚しか残っていない。
中国自然歩道を南に行った場合は、
JR吉浦駅に出て、天狗城山にはJRポートピア駅まで移動するので、
途中でフィルムを買うことが出来るが、
北だとそのまま天狗城山への縦走になってしまうかもしれないので、
フィルムの入手が可能かどうか分からない。

この後は、快適な道をひたすら30分ほど下ると、
野外活動センターの舗装車道にでる。
ちょうど野球の試合などをしていて、人がいっぱいいる。
建物があり、売店があったので寄ってみたが、フィルムは置いていなかった。
しばらく休んだ後、遊歩道を歩き、焼山と天応を結ぶ車道に出た。
ここはバス路線になっており、バスで天応に出て、
JRで天狗城登山口に出る方法もある。
しかし、バスはあと3時間は無いようである。
天応までは車道を歩いて3.8km。約1時間である。
結局車道歩きはやめて、このまま自然歩道を深山の滝方面に歩き、
二艘木峠から分かれて、天狗城山方面に縦走する事にした。
絵下山は昨年10月に車で山頂まで上がっているので、
今回無理に行かなくても良いと思ったのである。
結局、天応の集落を起点として、ぐるっと周回コースで縦走することになる。

◎天狗城山縦走

●コースタイム
(車道までは、天応烏帽子岩の報告を参照)
(天応烏帽子岩山)−車道10:30−深山の滝10:40〜11:00
−廃屋11:25−二艘木峠11:30〜35−小松尾山11:40〜45
−中天狗12:00−天狗城山(昼食)12:20〜45
−登山口13:10−JR呉ポートピア駅13:20

深山の滝までは、観光客でもいける快適な遊歩道である。
深山の滝で休憩を取り、軽く行動食(おにぎり)を食べる。
ここからの中国自然歩道も軽快な道で歩きやすい。
30分程川沿いに歩くと、地形図上で建物のある二艘木と呼ばれる集落に着く。
実際には朽ち果てた建物跡しか残っていない廃村である。
この後坂を上がって二艘木峠まで出る。
中国自然歩道はこの後絵下山の方に向かっているが、ここで分かれる。
ガイドブックでは、ここから天狗城山への稜線は、
踏み跡程度で良くないとされているが、それほど悪路でもなく、順調に登れた。

小松尾山(標高379.7m)、中天狗(標高335m)と縦走するが、
小松尾山には四等三角点があり展望はそれなりにある。
中天狗は樹林帯の中で、展望は得られない。
それぞれ結構なアップダウンであるが、特段辛くはなかった。
天狗城山に着くが、四等三角点のある山頂は展望は無い。
少し手前の大岩からの展望がすこぶる良い。
特に天狗岩から広島湾方面の展望が良い。
似島、古鷹山、宮島、広島市街などを眺望することが出来る。
大岩の上で景色を眺めながらゆっくり休み、残りの行動食を食べた。
最後に残った1枚の写真を撮ろうと思ったが、
セルフタイマーではなかなか大岩の上の写真は難しい。
結局、展望の得られない三角点と標識をバックに、証拠写真を撮った。

この後、岩場の山の下山となったが、天応烏帽子山と比べたらずっと楽で、
登りだと1時間10分かかるとされている道を25分と、
かなり早い時間で下山出来てしまった。
天応烏帽子岩山だと、自分は登りのコースを下山出来なかったかもしれない。

◎下山後
JR呉ポートピア駅に出たが、せっかくなのでこのテーマパークを見学。
昔は入場料を取っていたらしいが、お客が来なくて倒産。
今は呉市が直営で経営しているが、案内とかは地域ボランティア。
勝手にお客が施設を利用して、水場や砂場等で遊んでいる感じ。
どちらかというと、昼は子供連れが楽しみ、
夜は23時まで開いているので、カップル等が夜景を楽しむような感じである。
この時は、陶器市をやっていたので見学した。
あとは、イタリアンレストランとかファーストフードのコート、
写真館やおもちゃやさん、住宅展示場、絵本館などがある。
今度カナビーを連れて遊びに来ようと思った。

列車に乗って広島に戻ったが、自宅には午後3時くらいには戻っていた。
この後、車で別な山(可部方面や廿日市方面)に行くことも考えたが、
そうするには時間が遅いかなと思ったので、
比治山にある広島市現代美術館に行き、サイバー@アジア展を見学した。
天応周辺には歩いていける距離には温泉やスーパー銭湯が無かったので、
下山後の一風呂は浴びていない。
そのため、美術館の帰りに、府中町にあるスーパー銭湯に向かった。

当初は天然温泉の「府中やまとの湯」に向かったが、駐車場待ちで渋滞。
まだ明るかったので、展望の良い「ふかわの湯」も考えたのだが、
車で30分と結構遠く、この後空港まで行かないといけなかったので、
府中町内の「みくまりっ子」にした。こちらも駐車場待ちはあったが、
これ以上放浪しても仕方がないので、ひたすら待って入った。
妻子は20:45広島西空港着の新潟−西広島便で帰ってくるので、
一風呂浴びた後にそこで夕食を取って、その後空港に向かった。