氷ノ山山行報告(byコアラ)

11月6日(金)、休日出勤の振り替え休日をもらったので、
中国地方第2位の高峰(標高1510m)の氷ノ山に登ってきました。

●メンバー:コアラ、Qちゃん

兵庫県と鳥取県の県境に位置し、
兵庫県の最高峰でもあり、鳥取県第2位の高峰でもあります。
鳥取県の最高峰は(というよりは中国地方の最高峰でもあるでもある)、
深田百名山でもある伯耆大山(標高1729m)。
中国地方で標高が1500mを越えるのは、この2つだけである。
いかに中国地方に高い山が無いかが、良くわかるかとは思いますが。

氷ノ山には、兵庫県側の鉢伏高原から登るコースと、
鳥取県側の若桜町から登るコースがあるが、
今回は鳥取県側から登った。
氷ノ山スキー場のキャンプ場から氷ノ山越に登り、
そこから稜線沿いに氷ノ山に登頂。下山は、仙谷沿いに下りるコースをとった。
昭文社のエイリアマップ「氷ノ山」参照

●コースタイム
キャンプ場駐車場10:00−氷ノ山越10:45〜55−仙谷分岐11:30
−氷ノ山山頂11:50〜12:50(昼食・古生沼散策)
−仙谷分岐13:00−仙谷登山口14:15−キャンプ場駐車場14:40



●費用(バス旅行との比較)
朝5時にQちゃんと待ち合わせして、コアラのマイカーで行ったが、
中国道の津山ICからの国道がとっても長く、4時間強かかった。
走行距離にして、片道320km。
広島ICから津山ICまで、高速代が片道5000円。
ガソリンは途中で空になってしまい、帰りの高速で入れた。
その時約5000円かかっているので、それを二人で折半した。
この他に温泉が一人400円だったので、
食事等を除いた一人あたりの経費は、約8000円。
読売旅行の剣山日帰りバス山行が約1万円だったが、これと比べて高いかどうか?

実は7月の那岐山単独行で、山よりも車の運転と高費用で疲れてしまったので、
今回の氷ノ山は、最も広島から遠い中国地方の山ということもあり、
当初はバス会社の登山企画に参加することを考えていた。
10月末の防長観光の氷ノ山登山(夜行日帰りで、約19,000円)
11月初旬の広島電鉄の大山・氷ノ山1泊山行
(三朝温泉泊まりで、なんと19,000円、安い!)
しかし、どちらの企画も人数不足で成立せず、
Qちゃんと相談して自分達で企画することに。
(というよりは、ほとんどコアラが企画)
ちなみに、コアラは過去に他にも、
防長の東赤石山、後山(岡山県最高峰)、那岐山、由布岳、
広電の羊蹄山・樽前山・ニセコアンヌプリ、古鷹山
などに申し込んだことがあったが、いずれも人数不足で企画が成立しなかった。
羊蹄山等は人数は集まったが、火山活動と土砂災害で延期。
どうも、ツアー登山とは相性が悪い。
広島で参加できたのは、愛トラベルの比婆山と読売旅行の剣山くらいである。
防長、広電ともに聞いてみると、深田百名山だとキャンセル待ちなんだそう。
あとは、帝釈峡とか三段峡のハイキング。
いずれにしても、コアラとしては、登頂済みだったり、
あえてツアーで行くメリットもない山域ばかりである。
どうも、コアラが行きたいような山行は、一般には人気薄の様である。

●天候と展望
話が脱線したので戻すと、前日の月曜日は午後から激しい雨であった。
天気予報では、広島と岡山は回復傾向で、
翌日の火曜は午前の降水確率が20%、午後の確率は10%であった。
しかしながら、鳥取は午前も午後も50%。
日本海側は回復しない見込みであった。
出発するかどうか迷ったが、広島は出発時には雨は上がっていたので、
現地に行って判断しようと、とりあえず出発した。
当初は、コアラはアドバンス時間(午前1時から2時)に広島を出て、
氷ノ山は夜が明けると共に登り始めて、午前中には下山し、
午後近くにある扇ノ山に登ろうと考えていて、そうQちゃんに提案した。
(防長観光でも前夜発だったし)
しかし、そんな早い時間に出発するのはイヤだといわれて、
コアラの方で妥協して、午前5時出発にしたのである。
あとで、この出発時間が効いてくるのである。
岡山鳥取県境にさしかかったあたりは、山に雲が覆い尽くされており、
激しい雨が降っていた。
Qちゃんはこんな天気だったら登らないと言うので、
コアラはどうしようかと思った。
10時少し前にスキー場に着いたが、この時点では下界は降っていなかったが、
氷ノ山は厚い雲に覆われたままであった。
雲の流れとかを見ていると、回復傾向にあるようであったので、
展望は期待できないかもしれないが、これ以上悪くはならないと判断し、
ブナ林の散策と紅葉を楽しむのが目的と割り切り、支度をして登り始めた。
なんと、氷ノ山越の稜線に着いたら、雲が流れて山頂が見えるではないか。
しかも日が照りだして、尾根を歩いている間、展望を楽しみながら歩けた。



山頂は360度の展望。一等三角点がある。
風が強かったので、食事は避難小屋の中でとったが、
展望は大いに楽しめた。
兵庫県側は雲が流れていく方向なので、遠くの山々は雲に覆われていたが、
近くの鉢伏高原の山々は見ることが出来た。
鳥取・岡山県側は、扇ノ山、後山、那岐山などの山々を同定することが出来、
遠くには大山を望むことが出来るくらいの展望であった。
山頂は兵庫県側に平坦となっており(昔の火山の溶岩流の跡)、
西日本唯一の高層湿原古生沼があり、その周辺には古代杉が生えている。
この付近の散策も楽しみ、1時間近く山頂に滞在した。



下りの仙谷は、鎖場もある急勾配で、しかも沢沿いに下りる道で、
徒渉も何回もあり(といっても、飛び石で渡れるものばかりであるが)、
Qちゃんはかなり苦労して下りていた。雨具が全身泥だらけになっていた。
沢から樹林帯に入るあたりで、雨が本格的に降り出してきた。
結局この雨は最後まで止まなかったので、
降水確率50%の状況で、我々が稜線にいる間だけ晴れていたことになる。
何という、私の晴れ男パワー(神通力)であろうか?
アドバンス時間に出発していたら、ダメだったかもしれない。

●紅葉
目的の紅葉であったたが、山麓のスキー場あたりは結構綺麗であった。
稜線から鳥取県側にはブナ原生林が存在しているが、
ブナの黄葉は終わっており、枯れ葉がたくさん登山道を覆っていた。
枝だけのブナ林が、幻想的な格好でたっており、
黄葉は楽しめなかったが、ブナ林歩きそのものは十分堪能できた。
紅葉のランキングとしては、先週の西沢渓谷の方が良く、
守門岳に次ぐあたりにランキングされるかな?



●温泉
下山後、若桜の湯原地区にある日帰り温泉「ふれあいの湯」で一風呂浴びた。
男女別の内湯のみの小さな湯で、値段は400円。
アルカリ単純泉の透明な湯。
風呂からあがった後も、食事施設とかは無く、待合室があるのみである。
地元の銭湯代わりみたいな温泉で、町民は200円。
地元の人が入っており、露天とかもっと広い内湯があると良いですねと聞いたら、
「ふれあいの湯」だから、小さい方がふれあえるのだよ、との答え。
個人的には、このようなシンプルな湯も結構好きです。
暖まり、肌に優しい湯でした。
スキーシーズンには、スキー帰りの客が暖まるため、かなり混み合うそうです。

午後4時には温泉を出発し、津山近くで夕食をとり、
広島に着いたのは、午後10時過ぎ。
山も結構ハードだったが、遠いため運転が最も疲れた山行であった。
しかし、天候にも稜線上だけは奇跡的に恵まれ、思い出深い良い山行であった。