恐羅漢山(広島県最高峰)雪山山行報告(byコアラ)

コアラです。
12月19日に、広島県・島根県最高峰の恐羅漢山(標高1346m)
に登って来ましたので、山MLに報告します。

恐羅漢山は、西中国山地の最高峰で、ブナの原生林と
ツキノワグマなど野生生物が豊かなことで知られている。
特に島根県側は自然が手つかずに残されており、
山慣れた人が一緒でないと危険である。
広島県側は、広島県でも最大級のスキー場が開発されており、
同じくらいの標高のある、冠山や十方山と比べて、登頂は容易である。

有給休暇の年次消化のため(管理職は率先的に休暇を取らないといけない。
部下が取りやすいように。)、急遽休暇を取ることにしたが、
この山は山渓の分県登山ガイドでは12月まで適期とされていたので、
是非今シーズン中に広島県最高峰に登りたいと、急遽登山を計画した。
この山は、冬季もスキーやスノーシュー登山が盛んな山である。

モーリンら、お医者さんは職業柄急には休暇が取れないので、
単独行のつもりでいたら、前日映画館でQちゃんに会って、
明日恐羅漢山に登ると言ったら、参加OKとのことで、二人で登ることに。

1週間前に戸河内町役場の観光課に確認したところでは、
スキー場はオープンしたが雪は全く積もっておらず滑れない、
道路もノーマルタイヤでOKとのこと。
戸河内ICを下りたら、結構周辺の山には雪が積もっていた。
戸河内の町から林道に入ると、除雪はされているものの、
狭いくねくね道なので、4輪駆動とはいえノーマルタイヤなので、
かなり慎重にゆっくり運転してスキー場に向かった。
峠を越えて恐羅漢山が見えてくると、山は全くの真っ白であった。
峠を越えると天気が素晴らしく、
この天気なら雪山でも登るしかないと思いました。
何人かのスキーヤーとスノーボーダーが、ゲレンデ内で滑っていました。

●コースタイム
牛小屋高原駐車場9:25−スキー場中腹登山口9:40
−ゲレンデ最上部(お地蔵さん)10:15−稜線合流点10:55
−恐羅漢山山頂11:05〜15−旧羅漢山山頂11:30〜35
−恐れ羅漢山山頂11:50〜12:10
−稜線合流点12:15〜30(夏越峠に向かい途中で断念)
−お地蔵さん12:40−牛小屋高原駐車場12:55

完全に雪山登山でした。むろん新雪なので、アイゼンやピッケルは不要。
つぼ足で十分登れました。
コアラはゴアテックスの雨具と軽登山靴、スパッツという装備でしたが、
Qちゃんは、ローカットの靴、雨具は持ってこず
(天気が良かったので持ってこなかっとの事)、
もちろんスパッツは待っていない、ズボンも乾きにくい綿パン。
この装備で登るのはいかがなものかと思ったが、
自分だけ登るから下で待っていなさいと言う訳にもいかず、
靴に雪が入ると大変なので、コアラの古いスパッツを貸した。
(と言うよりは、正確にはあげた)
ゲレンデの雪面を登り始めたが、結構大変。登山口に着く頃にはいい汗が。
登山口からは膝下くらいまで新雪があり、先頭のコアラは結構大変。
腰まである訳ではないので、ラッセルという訳でもないが。
ゲレンデ最上部ではスキー場の人が大勢で雪かきの作業をしており、
通りかかった際、話しかけられた。

雪が積もってからは誰も山頂には行っていない。
道が無くなっているので、注意して行くように。
焦らずゆっくり歩けば、今日は天気が良いから、いずれ山頂に着く。

お地蔵さんのところから樹林帯の中に入る。
登山道は雪に覆われてもわかりやすい。
人の足跡は全くないが、動物の足跡がいっぱい登山道に沿って続いている。
ウサギ、キツネ(イヌかも?)、爪の鋭い大きな足跡はクマ?
稜線に出ると、雪をかぶったブナの木々が太陽を浴びてきらめいている。
わずかな登りで、山頂に到着。広島県側の展望が素晴らしい。
真下に恐羅漢スキー場のゲレンデがあり、
その向こうに十方山(8月19日に登頂)に続く山波が。
北の方に目を転じると、深入山(10月19日登頂)の禿げ山や、
臥竜山(6月30日登頂)の山波が。



Qちゃんはお腹が空いたのでお昼を食べるということで、
コアラだけ、双耳峰になっている旧羅漢山(標高1334m)まで足を延ばす。
雪の中の道は快適で、うっそうとした樹林帯の中を歩くが、
クマの足跡らしきものが私の進む方向に続いているのが、なんか気持ち悪い。
(雪が積もっているのに冬眠しないのだろうか?野生動物に詳しい人、教えて)
旧羅漢山は展望はないが、三笠宮が登頂した記念碑がある。
大岩があって、そこに登ると島根県側の山々が展望できた。

40分近くたって恐羅漢山山頂に戻ると、
Qちゃんが早く下りたいので先に行くとのこと。
どうもズボンが濡れていて、脚が結構痛いらしい。
彼女は余り歩きたくないので、
分岐点から登ってきた方に下りずに、夏越峠の方に稜線を下り、
より高いところまで来ているスキーリフトに乗っけてもらって、
先に下りるとのこと。
下山したら、スキー場のレストハウスで待っているとのこと。
そこまで言うのならと思って、記念写真だけ取って分かれたが、
後で考えたら先に行かせたのは誤りだった。



コアラは山頂でコーヒーを飲みながら展望を堪能し、
Qちゃんの10分後くらいに下山を開始した。
分岐点に来て、コアラも当初からピストンはせずに、
夏越峠経由の周回コースにしようと考えていたので、
田中さんが向かったであろう、稜線沿いの夏越峠方面に足を進めた。
ところが、雪の重みで低木が道をいっぱい塞いでおり、
それを何回も通過するのに困難を極めた。
10分くらい進んでもいたが、ちっとも進まず、埒が開かない。
Qちゃんは潜ったのであろうか?
コアラは大きいのか、全く潜れそうもない。
木の上から雪が落ちてきて雪まみれにはなるし。
コアラはこれ以上進むのは無理と判断し、分岐点まで戻った。
分岐点まで戻ったが、下山したような足跡は見あたらない。
しかし、自分は稜線沿いには進めないので、来た道を戻るしかなかった。
雪道の下山はとってもすいすいで、あっという間にゲレンデ上部のお地蔵さんに。
ゲレンデ内の足跡は一本しかなかったので、
ここに来て誰も下りていないことは明白に。
Qちゃんがリフトを使って下りていることに期待して、ゲレンデを下りる。
本当に快調で、登り1時間半かかった道を、下りは30分くらいで来てしまった。
何故、Qちゃんが下りを嫌がったのか、不思議なくらいの快適な下りであった。

車に着いたのは午後1時前で、なんとレストハウスは平日なのか閉まっていた。
スキー場はリフトのみが動いているだけである。
リフトのおじさんに、登山者でリフトを使って降りて来た(来る)人が
いないかどうか聞いたが、そういう人はいないとのこと。
リフトの最上部から稜線までも距離があり、藪が深い急斜面だから、
稜線からリフトの駅まで下りてくるのは、無理だとのこと。
こうなると、コアラと同じようにあきらめてもと来た道を戻るか、
夏越峠まで縦走して下りてくるしかない。

無理にリフト駅まで下りようと道無き道を下りて、遭難しなければ良いが。
雪山で、しかも装備が不十分で地図を持たないものを、
単独で行かせてしまった自分を、いかに意思が弱いのかと、大いに反省した。
そういえば、剣山の時も他のメンバーを先に行かせてしまって、
彼女らが道を間違えてしまって、
他のツアーの乗客を待たせてしまったことがあったな。

とりあえず、食事をしながら30分ほど待ってみて、
それでも下りてくる気配がなければ、車のフロントガラスに書き置きをして、
夏越峠方面に登山道沿いに登って、探しに行こうと思って準備していた。
そうしたら、13時半頃田中さんが、夏越峠からの登山道を下りて来た。
良かった。どうやら、夏越峠経由で下りてきたらしい。
夏道でも1時間半かかるコースを、ほぼ同じ時間で下りてきている。
早く下山したいので、かなりのハイペースで歩いたみたいだ。
いつもは根性無いことを言っているが、潜在的なポテンシャルは高そうである。
コアラが後を追いかけても、追いつかないペースであった。
結果論的には、コアラは途中であきらめて正解であった訳だが、
自分の状況判断としては、大いに反省すべき山行ではあった。

予定より早く下山してきたので、戸河内IC近くの
筒賀村の「グリーンスパつつが」で一風呂浴びた。
タオルが付いて、650円。
アルカリ単純泉で、内湯しかないが、
最上階にある展望の良いお風呂である。
平日でしかも団体客が帰ったばかりで、
男風呂・女風呂とも我々だけで独占でき、
心身ともリラックスできた、心地良い湯であった。