コアラです。

2月22日(土)は広島にいたのですが、
雨が降っていたので、家でゴロゴロしていても良かったのですが、
貴重な単身での週末ということもあり、
広島から車で1時間くらいのところの吉田町に行き、
毛利元就ゆかりの山城を巡ってきました。
一応、毛利元就絡みの観光(資料館と元就の墓など)をメインとし、
可能であれば山(郡山城趾)にも登ろうといった感じです。

靴とか服は山の格好ですが、雨具やリュックは付けず、
傘を差しての散策といった感じでしたが、
何せ山城跡ですから、結構急な上り下りがあり、
滑りやすいところなどがあり、予想よりは大変で、
全ての郭などを見てしまったから、かなりの時間がかかってしまいました。
見学したのは、星ヶ城趾、桂城趾、郡山城趾、猿掛城趾で、
これに吉田町歴史民俗資料館に立ち寄りました。
毛利家宗家の居城で、元就の中国制覇の拠点となった郡山城、
元就が幼年期を過ごした猿掛城などが有名です。

地理院の地形図「安芸吉田」「安芸横田」参照。

◎星ヶ城跡(標高370m、比高160m)
吉田町に向かう国道54号線沿いにある城跡である。
この城がいつ頃、誰によって築城されたかを知る史料が、現時点ではない。
城主ははじめ星野氏、のちに長屋氏と考えられている。
●コースタイム
観音堂10:30−頂上10:40〜45−櫓10:50−観音堂10:55

城への大手道は舗装され、中腹の観音堂まで車が入る。
そこまでの途中には、元浄寺、中山神社、縄文時代の竪穴式住居、
復元された武家屋敷などが並んでいる。
観音堂からは周回コースとなっており、
まずは急な木の階段を登って山頂に向かう。
山頂の郭跡には、H型の櫓台が有ったと思われる盛土がある。
周辺の木は伐採されており、四阿もあり、展望はすこぶる良いと思われるが、
あいにくの雨のため、ガスが出てしまい、何も見えない。
下山路の途中には、櫓を形どった展望台があり、
そこに幸福を呼ぶ鐘が下がっており、自由にたたく事が出来る。

◎桂城(中山城)跡(標高295m、比高80m)
国道54号線を挟んで、星ヶ城跡の反対側にある。
毛利氏譜代の桂氏の居城といわれている。
16世紀初頭、坂広明の嫡男広澄が、坂氏を継がず、
吉田の桂村にあったこの城に入り、桂姓を名乗った。
一族の坂広秀らが、毛利家の跡目相続で元就の弟の元綱を擁立しようとしたため、
その責めを負って広澄は自刃。
その子元澄は、元就に仕え毛利の重臣となった。
●コースタイム
登山口11:30−西郭11:40−本丸11:45〜50−登山口11:55

町工場の脇にある登山口から山道を登っていく。
城郭は西・中央・東の3群に分かれており、
杉木立の中の丸木の急な階段を10分弱上がると、
西郭群と中央郭群(本丸)の間の鞍部に出る。ここに城跡の説明板がある。
ここから、西郭と本丸をそれぞれピストンした。
どちらの郭も杉が茂り展望はないが、
本丸の方は木々の間から眼下の盆地が広がりを眺める事が出来る。

◎吉田町で昼食+吉田町歴史民俗資料館
吉田町の市街地に入ったが、まずは腹ごしらえ。
いかにも汚そうなプレハブのお好み焼き屋に入ったが、
すごく混んでいて、しかも出前の注文も有り、1時間位かかると言われた。
仕方が無く店を出て、街中を車で練り歩き、
いかにも場末のドライブインといった感じのところを見つけ、
ショウガ焼き定食(900円)を食べた。お昼時だが、客は自分一人。
その後、吉田町歴史民俗資料館(300円)に入り見学。
一応縄文時代から通史的にカバーしているが、
やはり中世(鎌倉〜戦国時代)の展示が充実している。
ついゆっくり見てしまい(この資料館が観光の一番の目的だったから)、
1時間以上も居てしまい、郡山への山行に出発したのは2時半頃。

◎郡山城跡(標高402m、比高190m)国史跡
吉田町の市街地の背後にある山城で
戦国時代の中国地方の覇者、毛利元就が居城とした城である。
まさに吉田は、山陰と山陽とをつなぐ要所に位置している。
(江の川は日本海に注ぐので、吉田町は日本海水系である)
毛利輝元が広島城を築城して移ってからは、廃城となった。
広島百名山にもなっている。
山城跡としては、広島県で最大規模と言われている。
天文9年(1540年)の尼子軍3万との戦いでは、
兵農合わせて8000人が籠城した記録がある。
ちなみに県内で2番目に大きい城跡は、昨年の6月に登った
頭崎城跡(頭崎山)である。頭崎山山行は、山MLのHPを参照。
●コースタイム
資料館14:25−隆元の墓14:30〜35−元就の墓14:40〜45
−御蔵屋敷跡14:55−山頂(本丸)周遊15:00〜30
−満願寺跡15:35〜40−旧本城跡15:50
−郡山公園16:00〜05−清神社16:10−資料館16:20

資料館の駐車場に車を止めて、周回コースで山城跡を散策した。
御里屋敷跡にある吉田少年自然の家の敷地には、元就像や三矢の訓碑がある。
その西には、元就火葬場跡がある。
車道を上がると常楽寺跡で、元就の長男隆元の墓がある。
この辺までは車で上がる事が出来、駐車場もある。
ここから車の入らない舗装道を上がると、洞春寺跡で、
一段高いところに元就の墓が有り、その下に毛利氏墓所がある。
ここに「百万一心」の碑があるが、「一日一力一心」とも読め、
一日一日を力を合わせ心を一つに協力して事を行うべし、との意。
ここまでは、観光客が良く来るところである。
ここからが急な山道になるが、結構良いペースで山頂の一角である
御蔵屋敷跡まで上がってしまった。

三の丸、二の丸、本丸と上がっていったが、
所々石垣の崩れたところなどがあり、城跡である事を伺わせる。
山頂は鬱蒼とした樹林に覆われており、展望はない。
内郭群としては、四方を囲むように、厩の壇(厩舎があった)、
釜屋の壇(炊事場)、姫丸の壇(人柱の代わりに「百万一心」の礎石を埋めた)、
釣井の壇(井戸があった)などがあり、そこを周回した。
各郭を繋ぐ通路が結構荒れていて険しく(山城なので当たり前だが)、
各郭群も先端まで行ってしまったりなど、
結構時間をかけて山頂付近を周遊してしまった。

下山路は郡山公園の方に下りたが、
途中は満願寺跡からその先端の妙寿寺跡まで、
尾崎丸から犬走りを通って旧本城跡までと、
あちこち立ち寄ってしまった。
本城は、元就が現在残る城域に拡大するまで毛利氏の本城だったエリアである。
かなり荒れていて、到達するまで結構大変であった。
(雨具を付けずに、傘を差しながら歩いていたせいもあるが。)
郡山公園に下りる手前に展望台があり、ここから吉田町が一望出来る。
街と多比治川を挟んで反対側に、
尼子軍が郡山城攻めの際陣を敷いた「青光井山」が見える。

山のガイド本などでは、1時間強の山行時間であるが、
ついつい各郭や遺構を全部見ようとしてしまったので、
全体で2時間に渡る山行になってしまった。

◎猿掛城跡(標高376m、比高186m)県史跡
毛利元就が4歳の時、父弘元の隠居に従って郡山城から移り、
以降22年間青春時代を過ごした城である。
吉田町から千代田町に向かう途中にあるので、この城跡にも立ち寄った。
●コースタイム
教善寺16:55−寺屋敷跡16:58−本丸17:05〜10
−寺屋敷跡17:17−教善寺17:20

中腹の教善寺まで車で上がれる。寺の手前には、弘元と夫人の墓がある。
遺構は中心部郭群、寺屋敷郭群、出丸、物見丸の4群からなる。
教善寺から中心部郭群(本丸)までをピストンした
登山道は細い急坂となっており、夕方でしかも樹林帯の中なので暗く、
下りは慎重に下りたので、登りと同じくらいの時間がかかってしまった。
本丸跡は3方が杉に囲まれ眺めははなはだ良くないが、
吉田町方面だけが視界が開けている。
この日はあいにくの雨のため、展望は得られなかった。
教善寺の境内を通り抜けて上がると出丸跡があり、
また山麓には、元就の養母・杉の大方の墓があるが、
夕方となり時間もなかったので、どちらも寄らなかった。

◎千代田温泉
帰りには、千代田町に寄り、千代田温泉に入ってきました。
本当は、千代田町にある吉川家の居城の
日野城趾(火野山)にも登りたかったのですが、
残念ながら時間切れで、吉田町内の城跡のみで終わってしまいました。

千代田温泉は、日帰り入浴250円、1泊2食で2500円と、
ものすごく安く、湯治場的雰囲気を残している温泉です。
サウナが付いているので(といっても2人くらいしか入れない)、
水風呂があり、その他に泡の出るお風呂(こちらは温泉でない)と
単純放射能泉のお風呂があります。
温泉は少し茶色が入った湯で、何となく岩婦温泉に似た感じです。
決して綺麗な温泉ではないですが、レトロな感じもあり、
泉質も良い感じで、コアラ的には気に入りました。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~cla/index_148.htm

インターネットで調べてみたら、なんと日本一安い宿泊料金の温泉だそうです。
http://www.geocities.jp/gauss0jp/osiseno1.htm

大部屋にコタツがあって、お年寄りがテレビを見ていましたが、
大部屋が各個室に繋がっており、
おそらく湯治客などが泊まっているのでしょうか?
食堂も簡素な感じですが、値段もリーズナブルです。
温泉客の他、現場仕事で長期逗留しているような労働者が、
2グループほど食事をしていました。
与えられた食事の他に色々追加注文していたので不思議でしたが、
後でインターネットでこの温泉のシステムを知り、なるほどと思いました。

あいにくの天気ではありましたが、いずれは訪れたいと思っていた
元就の墓や郡山城趾を訪れる事が出来たし、
噂の千代田温泉にも入れたしで、結構マニア的には満足した旅行でした。
余り山行したという感じではないですね。