コアラです。
5月24日(土)は広島大で地理科学学会があり、それに参加しました。
せっかくなので、そのついでに東広島市周辺の山に登りました。
下山後の温泉情報も含めて、報告します。
◎小田山(標高719.1m)
小田山は、賀茂郡黒瀬町の北方に、広島市安芸区との境界に大きく聳える山。
通常は東広島市に行く場合には、山陽自動車道で西条ICで下りるのですが、
高速代をケチって、下道で行く事に。
その場合は2号線を通るのですが、今回は坂町から筆で有名な熊野町を通り、
黒瀬町経由で広島大学に向かう事にした。
黒瀬町には小田山という、中国新聞社の「ひろしま百山」と
中島篤巳氏の「広島県百百山」に選ばれている山がある。
ちょうどその麓に「雲母の里」というスーパー銭湯があり、
今年の1月の野呂山家族旅行の帰りに、その前を通ったが入れなかったので、
今回の小田山早朝山行とセットで、行く事にしたのである。
小田山の登山口はイラスケというところがあり、ここから登り始めた。
イラスケとは奇妙な地名だが、
イラはイリすなわち谷の最も入り込んだところであり、
スケはスキすなわち砂礫の土とか村の意味がある。
イラスケとは、谷奥の砂礫の村という意味か?
6時前に家を出たが、土曜日のせいか早朝なのに結構道路が混んでいて、
登山口まで車で約1時間かかった。
●コースタイム
イラスケ登山口6:50−鉄塔7:15−稜線7:20〜25
−小田山山頂7:45〜8:00−展望台8:05−手洗鉢岩8:10
−小田山山頂8:15−イラスケ分岐8:30−笹ヶ峠8:45−車道8:55
−イラスケ登山口9:00
登山道は尾根沿いの道であり、道はしっかりしていて迷う事はない。
ただし照葉樹林帯の中で、全く展望はない。
途中、鉄塔のところで伐採されて、唯一ここで小田山が見渡せるが、
写真を撮ろうと思ったら、朝日で逆光となってしまい、撮れなかった。
端正な形をした、心に残る山である。
30分ほど歩くと、この支稜の道は笹ヶ峠からの稜線と出合う。
ここからの稜線は、全く展望が無く、急傾斜で滑りやすい。
勾配が幾分緩くなってきたら、山頂である。
山頂には一等三角点が設置されているが、樹林に囲まれ展望はない。
南東に少し下りると、展望台という大岩があり、
野呂山や灰ヶ峰が遠望でき、その前面に広がる黒瀬町の盆地が一望出来る。
この足元の西条盆地とその南に続く黒瀬盆地一帯は、
周辺の白市盆地や八本松盆地も含めて、地質時代には湖だったそうである。
西条湖成層と呼ばれる砂礫層があり、
化石から成立年代が70〜50万年前といわれている。
古西条湖でもいうべき広大な湖が、
野呂山、灰ヶ峰、小田山、曽場ガ城山などに囲まれて、存在したのである。
更に下ると、天正年間に僧行基が開いた本照寺跡と伝えられる手洗鉢岩があり、
この巨岩の窪みに貯まった水は、日照りでも涸れないと聞く。
帰りは山頂まで戻り、来た道を引き返す。
分岐からは、イラスケに直接下りず、
ガイドブックには藪がうるさいとされていたが、笹ヶ峠まで縦走してみた。
藪はそれほどうるさくはなく、きちんとした道がついていた。
途中鉄塔下を2箇所通り、そこは展望は良かったが、
何故かこのように展望の良いところはアブがうるさく飛んでおり、
ゆっくりする事が出来ない。
笹ヶ峠からは谷沿いの道を下り、車道に出る。
車道に出る直前の広場が、草が生い茂り全く道がない。
草をかき分け道に出たが、このようなところは日当たりも良く、
結構ジメジメしているので、マムシなどが居そうである。
もし蛇がいても、草が茂りすぎていて、全く気付かない。
あんまり気持ちの良くない箇所である。そこは急いで駆け抜けた。
車道を下りると直ぐに、車を止めているところに到着した。
◎雲母の里(入浴料500円)
広島市内付近のスーパー銭湯がだいたい10時始まりなのに対して、
ここは9時始まりである。
登山開始時間が遅くなったが、予想より早く下りてきたので、
ちょうど入浴するのに良い時間帯に下山出来た。
http://www.supersentou.com/4_chugoku/01_9_unmo.htm
ここは天然の温泉ではなく、18種類のミネラル水を使った温泉である。
こじんまりとした施設ではあるが、比較的最近出来たようで、
綺麗で良く清掃も行き届いた、清潔感溢れる施設であった。
内湯には、サウナ、リラックス湯、マッサージ湯、イベント湯などがある。
露天風呂は日本風の造りで、心地よい。
ただし屋根が被せてあって、周りの景色は見えない。
露天とはいえ余り解放感はない。
入浴後は、まだお昼には早かったのであるが、
朝早かったので、韓国風冷麺(600円)を食べた。
車でなければ、ビールでも飲みたいところである。
学会には1時間ほど遅れて、10時半くらいから参加した。
◎白鳥山(標高約452m)
学会の昼休みに、総会等もあるのだが、私は会員でないので参加しない。
2時間近く時間があるので、車で白鳥山に上がってみる。
白鳥山は、中島氏の広島県百名山に選ばれている。
東広島市の東部、白市盆地に南接しており、山陽自動車道の直ぐ南にある山で、
JR山陽本線の西高屋駅から参道が延びている。
山頂に古墳があり、その上に白鳥神社が鎮座する。
日本武尊が大和への帰途で病死し、一羽の白鳥になって大和を目指したが、
この白鳥山頂まで飛来して、姿を消したと伝えられている。
白鳥神社に歩いて登る参道があるが(登山口から神社まで40分)、
車道も神社まで走っているので、今回は昼休みという事もあり、
車で神社まで上がった。(神社散策:12:50〜13:00)
この山塊の最高峰は三角点のある地点で、標高524.7mであるが、
そこに登るまでは登り25分の荒れた山道である事、展望が良くない事、
地理院の地形図では神社の地点に「白鳥山」山名が入っている事などから、
ピークハントの視点からも、神社までで良いと判断した。
◎虚空蔵山(標高666.1m)
お目当ての自然地理関係の発表は午後の最初の方だけだったので、
午後の休憩時間中にポスター発表の演者と意見交換を行った後は、
簡単に口頭発表を聞いた後、帰路につく事にした。
懇親会の方は、広島大関係者ばかりで、
自分の知り合いの人達も日帰りで懇親会に出ずに帰ってしまったので、
自分も出席せず帰る事にした。
帰りは2号線も大渋滞するので、山陽自動車道の志和ICから帰る事にしたが、
途中に東広島市北西方に西条盆地最大のため池「並滝寺池」が有るので、
その畔に聳える虚空蔵山に登って帰る事にした。
虚空蔵山は、ひろしま百山、広島県百名山に選定されている。
虚空蔵山に登るルートは、A・B・Cの3コース有るが、
今回は並滝寺池の堰堤から登るAコースをピストンすることにした。
●コースタイム
Aコース登山口17:00−Bコース合流17:20−大岩17:25
−虚空蔵山山頂17:30〜35−Bコース分岐17:40
−Aコース登山口17:50
堰堤に到着するのが思ったより時間がかかってしまい、午後5時近くになる。
しかもAコースの登山口には、最近熊が出るので注意と、
山菜取りの人向けの注意看板がある。
この時間帯では暗くなる一方だし、もう山に入っている人は居ないであろう。
しかも入り口付近は、小田山と比べると藪が深く、うっとうしい感じである。
どうするか迷ったが、とりあえず行けるところまで行ってみる事にした。
リュックもデイバックだったので、熊鈴などは持ってきていない。
そういえば、中国新聞などで東広島市で熊に遭遇した記事などもあったなと、
お気軽山行で考えていた自分を反省する。
堰堤の駐車スペースで登る準備をしていると、
結構釣り客などが居て、色々話しかけられ世間話をする。
登り始めたのは、午後5時頃。
ディバックを背負い、軍手はめ、手にヘッドライトを持ってスタート。
入口から藪が深く、しかも初っぱなから急傾斜である。
樹林帯に覆われ、全く展望はない。夕方なので、結構暗い感じである。
余り気持ちの良い道ではないので、荷物も少ないし、
かなりハイペースで登ってしまう。
Bコースが合流するしてからは稜線沿いの道になり、傾斜は緩くなる。
標準コースタイム、登り40分のところを30分で山頂に到着。
稜線も全く展望がないが、頂上手前の大岩からは、
西条盆地から志和までが一望出来、休憩には最適である。
残念ながら、並滝寺池方面は展望する事が出来ない。
山頂は縦走路の途中といった感じで、余りピークらしくない。
かろうじて、三角点と看板の存在で、ピークだと分かる。
南東方面が伐採されて、展望する事が出来る。
西条盆地の方向がかすんで見る事が出来た。
縦走路をそのまま行くと、Cコースを下りる事になる。
今回は、山頂からは元来た道を引き返した。
一度通った道なので、かなりハイペースで下りてしまい、
15分くらいで車に戻る事が出来、明るいうちに下山出来た。
◎並滝寺湖粋園
虚空蔵山は1時間以下の山行時間だったので、
それほど激しい汗はかかなかったが、一風呂浴びて帰る事にした。
並滝寺池の畔に並滝寺があり、そこに湖粋園という温泉旅館がある。
ここは露天風呂と料理が有名で、日帰り食事プランなどをやっている。
日帰り入浴料は、1200円と結構高い。
http://www.eruful.com/i/onsen/guide/hiroshima/namitakiji.htm
http://www2.cc22.ne.jp/~nabesan/supa/namitaki.htm
泉質はラドン温泉。疲れた体をほぐすのには良い。
結構ツルツル感のある温泉である。
露天風呂は庭園の中にあって、結構野趣溢れて良い感じであるが、
写真のイメージと比べると、結構小振りの狭い感じの露天風呂であった。
入浴したのが午後6時台で、まだ明るかったので、
庭の展望を楽しみながら、ゆったりと湯に浸かった。
入浴後食事をしようと思ったが、結構値段が張るかなと心配した。
食堂に行くと色々と定食があり、1000円代の料金設定であった。
入浴前は、酢豚定食か唐揚げ定食でも食べようと思っていたが、
何故か入浴後は脂っこい料理を食べる気を無くしてしまい、
造り定食1600円(冷奴がついていて美味しかった)と、
どうしてもビールが飲みたくなってしまい、ノンアルコールビールを注文した。
午後8時頃湖粋園を出発し、志和ICから広島ICまで高速で帰ったので、
午後8時半過ぎくらいには、自宅に戻る事が出来た。
東広島市周辺の山は、昨年の6月に、
曽場ガ城山(城跡)、竹林寺篁山、鏡山(城跡)、頭崎山(城跡)
に登っているので、主だった山は登ってしまった事になる。