造幣局の桜と鈴ヶ峰山行 byコアラ

4月16日午後、造幣局の観桜会に招待されたので行って来ました。
造幣局の広島支局が広島市佐伯区五日市にあり、
そこは大阪の造幣局と同様、「花のまわりみち」として、
地域商店街などとも一体化した、桜の名所になっております。
17日から一般公開されているのですが、その前日に招待者のみ解放しており、
自分は工場見学を含めて見てきました。
だいたいはOBや家族などお年寄りが多かったですが、
経済産業局長さんなど、お付きを従えて、役所のお偉いさんも来ていました。
自分はお付きがいなかったので、1人で見学しておりましたが。
ここはソメイヨシノではなく、八重桜など色々な種類の桜が植えられており、
世間の花見シーズンよりは遅い時期に見頃を迎えます。

帰りは、広電の佐伯区役所前駅まで歩いたのですが、結構遠かったです。
(行きは役所の車で送ってもらったのですが、帰りが遅くなりそうだったし、
運転手は工場見学や観桜会参加を希望しなかったので、
運転手は先に帰してしまい、結局帰りは公共交通機関を使う事に)
役所に戻っても5時過ぎになってしまうので、直帰する事にしました。
途中で広電の商工センター前で途中下車し、
アルパークという広島市最大のショッピングモールがあるので、
そこで買い物等をした後、広島は午後7時くらいまで明るいので、
直ぐ近くの鈴ヶ峰にちょこっと登ってみました。簡単に報告します。

鈴ヶ峰は、武田山から火山、丸山、大茶臼山、鬼ヶ城山、鈴ヶ峰と続く、
武田山塊の稜線が海に面してぶつかる最突端の山である。
全山を縦走すると20km以上もあり、極めて健脚向けのコースである。
縦走する多くの人は、大茶臼山で北半分と南半分に分けて縦走する人が多い。
コアラは、早朝山行や夕方山行というかたちで、
武田山、火山、大茶臼山はピストン山行した事がある。
一番南の鈴ヶ峰は登頂した事が無く、登山口まで市街地を通らないと行けない事、
公共交通機関を使ってのコース設定案が多い事などから、
いずれは登ってみたいとは思っていたが、
全山縦走の機会があれば登れるかなと思っていた程度で、
なかなか丸1日使って全山縦走する機会がなかった。

この日は初夏のような暖かさで、天候も晴れ渡った良日であった。
鈴ヶ峰は展望が良い山だし、このような機会でもないと登るチャンスが無いので、
夕方5時から登り始めて、明るい内に下山できるかどうかは不明だったのですが、
とりあえず登ってみる事にしました。
ちなみに仕事帰りですから、背広にネクタイ、革靴といういでたちです。
むろん、急遽登る事にしたので、
手ぬぐい、帽子、軍手、雨具、ヘッドライトなどは持っておりません。
売店で、ペットボトルの水と使い捨てカメラを買って出発。

●コースタイム
商工センター入口駅16:40−登山口16:55−ヒヨドリ広場17:10
−水場17:15−鈴ヶ峰東峰17:25〜35
−鈴ヶ峰西峰(三角点)17:50〜18:00−鈴ヶ峰東峰18:15
−水場18:20−ウグイス広場18:25
−登山口18:35−商工センター入口駅18:50

駅の北側は既に山が始まっており、
斜面の途中の標高100mくらいまでは、住宅地が開発されています。
住宅団地の坂道を15分ほど上がって(ガイドブックでは20分)、
井口台中学校前の鈴ヶ峰憩いの森の登山口に到着。
ここは公園化が進んでおり、遊歩道が整備されています。
案内板を見ると、ヒヨドリ広場経由とウグイス広場経由とがあるが、
登りは距離の短いヒヨドリ広場経由で上がった。
途中の水場で、2つのコースが合流する。
この水場は夏でも涸れないらしく、飲んで見ましたが冷たくて結構美味しいです。

夕方から登り始めたので、山では誰にも会わないと思っていたら、
登りの遊歩道を歩いている時に、2人ほど下りてくる人に会いました。
年齢的にはもうリタイアしたような中高年の方です。
もう5時過ぎていたとはいえ、背広に革靴の人間が登ってきたのですから、
先方は不思議に思ったかもしれません。

ガイドブックでは、登山口から山頂まで50分とありましたが、
30分程度で山頂の東峰(標高312m)に到着。
東峰が通常鈴ヶ峰山頂とされているが、ここからの展望は素晴らしい。
南側は、宮島、似島、能美島などの広島湾の島々が見える。
北側に目を転ずると、美鈴ヶ丘の住宅団地が開発されている。
うちの職場もパートさんなどがこの団地から通っていたりする。
この日は初夏のような晴れ渡る天気であったため、
まさに山頂からの海の展望台を満喫する事が出来た。

桜はほとんどがもう終わって葉桜になっていたが、
山頂の桜は、ピンクに少し緑が混じった感じで、まだ綺麗であった。
山頂の片隅に大きな窪みがあったが、
その近くに「陸軍省」と書いてある柱石が立ってあったので、
軍の監視所跡かもしれない。
広島は日清戦争当時、大本営が設置された場所でもあり、
明治天皇が約1年間滞在し、帝国議会も移転するなど、
1時期首都機能が移転した事もある、軍事的な拠点都市であった。
この広島を一望出来る山なので、広島湾と市街守備の要衝であったのだろう。

二等三角点は西峰(標高320.6m)の方にある。そこまで稜線を往復した。
この稜線歩きも、夕日を浴びながらの稜線歩きで、気持ちの良いものであった。
特にツツジが満開で、稜線から見える山のあちこちに、
濃い赤紫がパッチ状に点在しており、素晴らしい景観であった。
桜は終わっていたけれども、予想外にツツジが素晴らしく、得した気分になった。
西峰の方は樹林に覆われており、南の方向のみ伐採されて、海が綺麗に見える。
東峰ほどは展望が良くない。
東峰が山頂とされているのも、分かる気がする。
帰りは東峰までは同じ稜線を戻ったが、
その途中から見える、東峰のツツジに覆われた山容が、とても素晴らしい。

東峰からは、色々な下山道がある。本来なら別ルートで下りたかったが、
靴が革靴で滑りやすく、ちょっと荒れた道だと転びそうで怖い。
夕方という事もあり、憩いの森の整備された遊歩道を下りる事にした。
ただし、下山時は水場からは別ルートのウグイス広場経由で下りた。
午後7時前には駅まで戻る事が出来たが、まだまだ明るく、
西日本は夕方遅くまで明るいので、市街地に近い山域なら、
今回のような夕方山行も可能だなと思った。