コアラです。

7月28日、広島市内の白木山に登ってきました。
いつもだと早朝山行なのですが、この山は歩行時間が長いので、
午前中に登ってくるという事で、お昼は家で食べる予定で出発しました。
それが、こんな事になるとは−−−

白木山は標高889m。大して高い山ではないのですが、
登山口からの標高差が800mを越え、
昨年8月にもみの木森林公園のツアーで登った十方山と並んで、
(十方山は標高1319m。登山口からの標高差は800m。)
豪快な登山の出来る山とされています。
白木山の標高差は810mあるので、登山道のある山としては、
広島県で最も標高差のある山とされています。

白木山は、広島県内の登山愛好家が、
夏のアルプス登山を目指してトレーニングする山だそうです。
職場の人が、コアラが山登りをやると知って、
是非白木山に登ると良いよと薦められ、
今回早朝山行にちょっと毛の生えた程度と思って、登る事にしました。
しかし、この山は余り夏の暑い時期に登るべき山ではありませんでした。
山と渓谷社の分県登山ガイド「広島県」でも、
7・8月は登山適期から外れていました。これは後で見て、失敗したと思った。

白木山はJR芸備線白木山駅から登山道が延びており、
通常JRで来て登る山です。
今夏自宅を早朝に出るので、マイカーで出発し、
白木山駅近くのスペースに車を止め、登山を開始しました。
同じ道をピストンする人のが多いのですが、
今回は縦走して、より広島駅側の上深川駅に下山し、
芸備線で白木山駅に戻る事にしました。
この時駅で時刻表を確認したのですが、
広島方面からの列車の白木山着は、10:16と11:25があり、
10時台に間に合ったらスーパー銭湯で一汗流して帰れるな、
11時台だったら仕方がないから家でシャワーかなと思っていました。

●コースタイム
JR白木山駅7:05−穴地蔵7:30〜35−5合目8:05〜15
−8合目水場8:35〜40−白木山山頂9:05〜20−林道9:50
−鬼ヶ城下10:15〜20−(道に迷う)
−標高312m地点12:05〜15−沢12:30〜35
−JR上深川駅13:00

登山道は急で滑りやすいが、良く整備されている。
各合目毎に標識と地蔵さん等があって、わかりやすい。
樹林帯の中でほとんど展望が得られないが、唯一5合目で展望が得られ、
白木山の山頂を望む事が出来る。ここで長めの休憩をとる。
また、8合目の水場では、水は流れていなかった。
夏の暑い日ではあったが、早朝だった事と樹林帯で覆われている事から、
暑さでまいるというような事はなかった。
しかし、かなり汗はかいており、シャツはびちょびちょである。
単独行でちょっとペースが早かったせいか、
前半は標準コースタイムよりかなり速いペースであったが、
後半はややバテ気味で休み休み登ってしまったので、
山頂に着いたのは約2時間と標準的なタイムになってしまった。
(でも休憩時間を入れてなので、15分くらいは標準タイムより早いのかも?)

山頂は広い芝草の台地で、電波塔、祠、展望台(望遠鏡付き)などがある。
登山道では早朝にもかかわらず、結構数多くのパーティと出合ったが、
山頂には人一人おらず、一人で展望を満喫した。
ただ残念な事に、付近の山には若干雲がかかっており、やや靄ってもいたので、
素晴らしい展望とまではいかなかった。ここのところ、好展望男も形無しである。
そうこうしている内に、1パーティが来たので、山頂で記念写真を撮影。
色々雑談に花を咲かせたが、彼らは何回も白木山に登りに来ている常連さん。
彼らは今日は展望がないので、そのまま登ってきた道を帰るそうだ。
上深川駅に下りると言ったら、林道歩きが長くて今一だという話ではあった。
このペースだと10時代の列車にはとうてい間に合わない。
今来た道を戻れば、だいたい時間は分かっているし、そのまま車に戻れるので、
帰りにスーパー銭湯で一汗流すくらいの時間は充分取れる。
ちょっと悩んだが、初志貫徹で予定通り、上深川駅に向かう事にした。
同じ道のピストンは余り面白くないし。しかし、これが悲劇の始まりだった。

帰りは急な坂を約30分ほど下って林道に出る。
特に案内板がないので、地形図で確認しながら林道を下りる。
林道は直接日光が当たるので、結構辛い。
林道歩き25分ほどで鬼ヶ城山(標高737m)の下に着き、下山道を見つける。
これでどうにか11時代の列車には間に合うかなと思って
展望のある岩の上で小休止。
この後、針葉樹の植林地の中の山道を赤のテープを頼りに順調におりていたら、
途中でテープを見失ってしまう。そうやら道に迷ったようだ。
赤い色以外のテープがあるのでそれについていったが、
これはどうやら伐採作業用に付けたものらしい。
あたりを見渡すが、とうも登山道らしきものは見つからない。
樹林帯の中で全く展望もないのであるが、携帯はつながるので妻にTEL。
道に迷った事と、従って帰りがかなり遅くなる事を伝えて、
いざとなったら元来た道を戻れるから心配しないように言って、
下山したら必ずTELするから、夕方までは心配しない様に話した。

とりあえずテープがあるところまで元来た道を戻って、
そこであたりを注意深く見渡して、テープを見つけて、まずは一安心。
この時点で11時代の電車は諦めて、慎重に下りる事にした。

植林地の中をトラバーしながらしばらく進んでいったが、
またテープが見かけないなと思っていたら、藪に道をふさがれてしまった。
2度目の迷いであるが、今回も周りを見渡してみたが、テープが見つからない。
(実は今回間違えた道とは別に踏み分け道みたいなのがあって、
こちらを行けば、尾根を越えた反対側にテープがあったのだが。)
結局元来た道を戻ってテープを探す事にしたが、
植林地内のトラバーだったため、元来た道を引き返さずに、
(自分としては元来た道を戻っているつもりだったが)
結果としてより標高の低い方にトラバーしてしまった。
そのため植林市の谷底に出てしまい、
今自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。

上を見上げると、凄い斜面で登るのがイヤになってしまいそう。
このまま谷沿いに下りたら何処かに出られるんじゃとも思ってしまったが、
(後で地図を見てみたら、下山口の1つ隣の谷だったので、
もしそのまま下りていたら結構大変な事になっていた。)
一応原則に従って、根性振り絞って木の枝につかまりながら、
植林地内の急斜面を5分ほど登っていた。
そうすると、見覚えのあるトラバー道にぶつかり、近くにテープもあった。
とりあえず一安心したが、まだ正しい下山道が見つかったわけではない。
でも疲れてしまって、トラバー道にしばらく(10分くらい)倒れ込んでいた。
山頂での食い残しのパンなどがあったので、それを食べて元気を出した。

気を取り直して、より慎重にトラバー道を進んでいった。
前回倒木が多かったので通らなかった方の踏み分け道を進むと、
尾根越しに隣の谷に下りるような方向にテープを見つけ、
近づくと明らかに下山道があった。ここで本当に一安心。

ここからはどんどん高度を下げていくが、今日通る人は自分が初めてらしく、
蜘蛛の巣がいっぱい張り巡らされているは、道も結構悪いはで、難儀した。
どうにかお昼過ぎに標高312m地点の平坦地に着き、
ここからは上深川の街並みも見えるので、あともう少しと一休みする。

ところがここから道を示すテープがなくなる。
一応踏み分け道を進むと伐採地に出る。
伐採地の上部から森の中に入る道らしいものはあるのだが、テープはない。
テープは伐採地を直接下りる方向に、いくつか付いている。
ちょっと迷ったが、これまでの教訓からテープを信じ、伐採地を直下した。
ところが、下りきったところで、またしても藪に道をふさがれてしまった。
今回3度目の道迷いである。
とにかく、もう一度、この急斜面の伐採地を登るしかない。
太陽が照りつける中を、5分くらい急登を枝につかまりながら登った。
登り着いたところで、しばらく倒れ込んでいた。
テープの無い森の中の道らしきものを進んでいくと、結構良い道である。
しばらく下りると沢にぶつかり、この冷水で顔を洗い一息つく。
気を取り直して沢沿いに下りていくと、しばらくして集落に出て、
あとは車道を進んで上深川駅に向かった。

上深川駅は無人駅であるが、時刻表を見ると13:04というのがあって、
ラッキーだと思って良く見ると、次の狩留家駅止まりで、
白木山駅まで行くのは13:49までない。
近くに食堂はないかと思って探すが全くなく、近くのコンビニも閉鎖されていた。
結局何も食べれず、プラットフォームの日陰で寝て待っていた。
自販機はあったので、ジュースを3本も飲んでしまった。
結局白木山駅に着いたのは、13:57。
その後、スーパー銭湯とかに全く寄らずに自宅に帰りましたが、
家に着いたのは午後2時半過ぎ。
疲れ果てて、シャワーだけ浴びたら、バタンキューでした。
今期は早朝山行ばかりで、まともな山歩きはしていないので、
今期最も疲れた、ハードな山行でした(結果として山で迷ったので)。

余談ですが、今期に入って丸1日クラスのまともな山行をしたのは、
由布岳・湧蓋山、龍頭山、冠山・寂地山縦走、泉山、荒島岳、白木山くらい。
従って、余り重い荷物を持った長時間山行をしていないので、
体力も余りついていないし、夏の山行だとバテてしまいますね。