久地冠山(くちかんむりやま)山行報告(byコアラ)
平成15年1月12日早朝
中国地方には冠山と呼ばれる山が多く、広島には6座あります。
広島第2の高峰、吉和冠山(標高1339m)が有名であるが、
ほかに9月に登った可部冠山(標高736m)、
今回登った久地冠山(標高573m)(以上が広島市内)、
温泉で有名な湯来町にある湯来冠山(標高1004m)、
西中国山地の中野冠山(標高1003m)、
余り登られていないが君田村と布野村境の布野冠山(標高844m)である。
ほかに、島根県になるが石見冠山(かんざん)(標高859m)がある。
いずれも名前の通り尖ったようなピークの形が特徴的な山である。
島根との県境付近にある中野冠山、布野冠山はちょっと雪で登れないが、
広島市内(安佐北区)の久地冠山なら早朝山行でも行けるのではないかと思い、
朝6時過ぎに自宅を出発した。広島自動車道の広島北IC近くの山である。
加計町から広島市可部にかけては山が急峻で、
太田川が山を縫うように蛇行しています。
それに沿って山肌を縫うように、道路やJR可部線が走っています。
本当にのどかな田舎の風景で、子供が生まれる前は夫婦で、
この付近のパスタ屋さんなどに、ドライブがてら食事に来ていました。
久地冠山はその様に蛇行した太田川にせり出して聳えており、
山頂の懸崖が特徴的な形です。
早朝なので、下道を通って登山口に向かうが、
フロントガラスの曇り取りやコンビニでの買い物に時間がかかり、
40分弱のドライブで登山口に到着。
しかし早く着きすぎても暗くて登れず、
ちょうど7時くらいがヘッドライト無しで登るのにちょうど良いくらいであった。
出発した時には満天の空には星が輝いており、登山日よりの晴天だったのだが、
広島市街から峠を越えて飯室の集落に向かう頃には霧が出ていて、ガスの中。
広島県の内陸にある三次市など中国自動車道沿いは冬の朝の雲海が有名で、
沿岸部では晴れていても、内陸部はガスっている事が多い。
この日は久しぶりに天候が良さそうで展望を期待していたので、
沿岸部の山の極楽寺山あたりでも良いかなと思っていたので、
(こちらは山頂付近に有名な寺があり、車で展望台付近まで上れる)
途中で行き先を変更しようかとも思ったが、
ここまで来てから変更したら、9時くらいまでに自宅に戻れなくなるので、
とりあえず登山口までは行ってみることにした。
●コースタイム
間野平登山口7:00−砂防堰堤7:10−尾根7:25−鉄塔7:35
−鉄塔下7:45−久地冠山山頂7:55〜8:05−鉄塔下8:10
−鉄塔8:20−尾根8:25−砂防堰堤8:35−登山口8:40
登山口は、JR可部線布駅の対岸、間野平発電所の直ぐ手前である。
集落の舗装道を行き、一番奥の民家の脇から入っていくのであるが、
明け方にそういうところを通るのは、なんだか気分的に良くない。
登山口にはツキノワグマの情報が張ってあった。
11月後半にツキノワグマが出て、被害があったらしい(ミツバチの被害)。
単独行の自粛と音が出るもの(鈴・ラジオなど)の携帯の推奨が書いてあった。
早朝の単独行で、しかも音が出るものは何も持っていない。
森の中は暗いので怖い。仮に出会っても自分は気付かないかも?
そう思うと山に登る気が失せてしまうが、出没してから1月以上経っているし、
1月ならもう冬眠している頃だろうと思い、
(西中国山地では雪の上にクマの足跡を見たこともあるのだが)
気を取り直して登ることにしたが、しばらくは歌を歌って登った。
(マゾッコメグさんお得意の「森のクマさん」では無いよ。)
砂防堰堤の上流を対岸に渡るところだけがわかりにくかったが、
後は分かりやすい道ではある。しかし急登で、残雪もあるので滑りやすい。
稜線につくと、雪が結構あった。しかし凍結はしておらず、アイゼンとかは不用。
樹林帯の中の道で全く展望が無いが、最初の鉄塔のあたりで若干上方が開けて、
ガスの上に出たようで、木々の合間から特徴的な冠山の山容が見える。
しばらく平坦な尾根歩きが続いた後、
2つ目の鉄塔の下をくぐり、最後の急登が続く。
表土も無く、踏み分け程度の道を木々につかまりながら登るが、山頂に飛び出す。
二等三角点のある山頂は、展望は東のみ開けていて、
雲海の中に山のピークが浮かんでいた。
それはそれで、幻想的な光景で良かった。
地図で確認したが、近くでは牛頭山、可部冠山、堂床山など。
遠くには、7月に登った白木山がアンテナ塔をもたげて浮かんでいる。
はるか遠くに見える一番高い山は、吉備丘陵最高峰の鷹ノ巣山かもしれない。
特に山頂標識とかは無かった(まるで10月に登った阿佐山のよう)。
三角点にカメラを置いて、セルフタイマーで証拠写真を撮って下山した。