神ノ倉山(標高561.5m)花見散策 byコアラ

4月12日(土)の夕方、
広島市安佐北区と向原町の境にある神ノ倉山に車で登った。
この山は桜の名所で、見頃がタウン誌によれば4月中旬と遅いので、
カナビーが遅い昼寝に入った後、1人で車で行ってみた。
午後4時過ぎに自宅を出発したが、広島市はかなり広いので、
市の一番北ですから車で1時間以上かかってしまった。
(高陽団地が渋滞しており、そこを抜けるのに時間がかかったというのもある)
方向的には、JR芸備線沿いに三篠川に沿った県道を三次方向に北上するが、
両方を険しい山に挟まれた地域で、結構山奥に来た感じがする。

山頂まで車で上がれるが、山頂一帯は広島市白木町井原の故谷岡国一氏が、
桜の木を植樹し、一代で造り上げた私有の公園である。
現在もなお、氏の意志を引き継いで、そのご子息や仲間、
地元のまちづくりグループが、公園の整備を続けている。

ハイキングコースとしては、JR井原市駅から登って、山頂から稜線を縦走して、
JR向原駅に下りるコースなどが代表的であるが、
今回は桜が目的ということもあり、車で山頂まで上がってしまった。
従って、山行回数にはカウントしないことにします。

●山頂周辺
車道の入口に「4月13日は桜祭りのため、山頂に駐車できません」と立て看板。
今日来て良かったと思うと同時に、桜が見頃なんだろうな期待する。
しかしながら、山頂に着くと、桜はほとんど咲いていない。
まだつぼみの状態がほとんどで、一部咲いているものの1分咲きくらい。
桜の種類がソメイヨシノでないのかもしれないし、
広島市街よりだいぶ北に位置するのと、標高も560mと高いので、
気温が市街地よりは結構低いのかもしれない。
広島市街では桜はかなり葉桜状態になりかかっていたが、
こちらの方は、車窓から見る限り、県道の沿いの桜がちょうど見頃な感じである。
学校やお寺や河川沿いに、綺麗な桜並木が所々続いており、
車窓からちらっと見ただけだが、
本当にのどかな風景で、心洗われるような気持ちになった。

山頂には午後5時20分くらいに到着。30分程度散策する。
山頂部に大岩があり、ここからの展望が素晴らしく、
芸備線沿線の谷に沿った、のどかな田園風景が眺められる。
この大岩にはカップルが1組既にシートを敷いて軽食を取っていた。
従って、余り邪魔するのも気が引けて、長居はせずに退散した。

山頂の少し先の藤棚の広場に三角点があり、
その先には、パラグライダー・ハンググライダーの発進場がある。
ここからの展望が、これまた素晴らしい。
夕方になっていたが、まだパラグライダーをしている人達がいた。
本当に気持ちよさそうである。

●下山後(カタクリの自生地)
下山後、車で北側の向原側に出たが、山麓の長田地区はカタクリの里である。
午後6時過ぎていたが、「カタクリの里」の看板を見かけたので寄ってみた。
駐車スペースの前が畑になっていて、菜の花やチューリップが咲いている。
その奥の山の斜面一面が、カタクリの自生地になっていた。
こんなに歩いて直ぐのところで、カタクリが見られるのも珍しい。
カタクリはもう最盛期を過ぎており、夕方だったため少ししなびていた。
カタクリの自生地から斜面上に遊歩道が延びている。どうやら山頂は城跡らしい。
時間がなかったので登らなかったが、後で自宅に帰ってから調べてみたら、
ここは田屋城跡で、過去に山MLでも紹介した、請川洋一著の
「イラスト 広島近郊の山城と史跡 ベスト33」にも紹介されていた。
登れば良かったと、後悔した。事前調査不足であった。

近くに温室みたいなものがあり、その中で地域の野菜などを売っていた。
その中にいるおじさん達から、「兄ちゃんコーヒーでも飲んで行きなよ!」
と声をかけられたので寄ってみた。もう物産などは売っていなかった。
そこにはおばさん4人組もいて、おじさん達と話が盛り上がっていた。
彼女たちの隣のテーブルに座って、自分もおじさん達と話に盛り上がったが、
売れ残りだから食べて行きなよと、鹿刺しとか巻きずしなどをくれた。

おばさんといっても、自分より少し上の50代くらいの感じだったが、
1人だけ自分より若い感じの人がいた。
その人はどうも独身らしく、「自分にどう?」なんておじさんに言われたが、
残念ながら自分には妻子がいると話したら、ちょっと驚いた感じで、
それならば家におみやげを持って帰りなよと言われて、
タッパーに鹿刺しや巻きずし入れて持たせてくれた。
山のような格好をして、夕方1人でカタクリの写真とかを撮っていたから、
おじさん達から見たら独身に見えたのだろうか?

せっかく色々御馳走になったので、何か土産でも買って帰ろうと思ったのだが、
もう全て売れ切れて残っていなかった。
そこで帰りに酒屋によって、向原酒造の地酒「向井櫻」を買って帰った。
広島の地酒にしては珍しく、ちょっと辛口である。
結局全体として1時間近く時間を潰してしまったので、
7時くらいには自宅に帰るつもりが、到着は7時半過ぎ。
でも、土産を持って帰ったので、余り妻の機嫌は悪くはなかった。

カタクリの里のおじさん達の話だと、カタクリはもう終わりだが、
神ノ倉山の桜は一週間後くらいが見頃らしい。
田屋城跡にも登っていないので、
来週あたりにドライブがてらまた来てみるのも良いかも知れない。