北八ヶ岳・雪山単独幕営山行報告(By 猿)
猿です。
12月30日、31日に八ヶ岳に登ってきました。
山メーリングリストで参加者を募ったのですが応募がなく、
結局単独行となりました。
装備:ザック(アークテリクス・ボラ60)、登山靴、アイゼン、ストック、
ピッケル、ワカン、テント、シュラフ(イスカ・モンテローザDL)、
カスケードリッジレスト、テルモス、ストーブ、コッヘル、ツェルト、
コンパス、銀塩カメラ、デジタルカメラ、レインウェアなど。
ウェア:化繊の下着上下、アクリルウールの長袖シャツ、
フリースカーディガン、パタゴニアのシェルジャケット、オーバーパンツ、
ニット帽子、手袋(ニット、革など)。
帰宅後に計量したらザック込みで22kgあった・・・
食料:無洗米1合、レトルト中華丼、レトルト野菜スープ、ウィンナー、
チョコレート大量、日本酒1合など
カメラはいつもなら一眼レフのNIKON F2 PhotomicSを持っていくのだが、
秋ぐらいから調子が悪く、直前にチェックしたら露出計が動かない。
1978年に購入したので25年になるわけで、寿命が来たようだ。
そこで連動距離計カメラのミノルタCLEに
ロッコール40mmという組み合わせにした。
1日目
朝6時:起床。実は前夜がバンドの忘年会で深夜までライブ。
帰宅後年賀状を印刷していたら就寝が4時ぐらいになってしまい、
ほとんど仮眠しただけ。
7時36分:国分寺駅から中央線下り各停に乗車。
以前からのあかぎれが悪化し、血が出ているのに気づく。
8時00分:八王子駅で「かいじ」に乗り換え。禁煙自由席。
空いており、一人でシートを占有できる。
9時50分:茅野駅着(5430円)。
10時00分:諏訪バス ピラタスロープウェイ行き発車。
11時00分:ロープウェイ山麓駅着(1200円)。
ここで酒や翌日の行動食になるものを買おうと思っていたが、
ロープウェイ駅にはみやげものしか売ってない。
レストランですき焼き丼を食す(950円)。
11時50分:ロープウェイ乗車。スキーヤーでぎゅうぎゅう詰め。
12時00分:頂上駅到着(900円)。
さっそくスパッツを着けて坪庭へと歩き出す。
平坦で雪は踏み固められており、歩きやすい。
しばらく歩くとシラビソの森に入る。
途中、斜面がきつくなったのでアイゼンを着ける。
12時58分:北横岳ヒュッテ着。
ヒュッテの裏から急な登り坂となる。
13時20分:北横岳山頂(2480m)。
すぐ隣の蓼科山をはじめ赤岳、北アルプスなど眺望がすばらしい。
2人組のおじさんたちがいて、シャッターを押してくれた。
風が強いのでさっさと下山開始。
北横岳ヒュッテの先で三ツ岳方面へ左折する。
軽装の者は入るなとの看板が出ていた。
14時30分:三ツ岳山頂(2325m)。今回唯一の岩山で鎖場があったりした。
アイゼンを着け、ストックを持って岩場を登るのは緊張する。
山頂では北横岳山頂で会ったおじさんたちと再会。
山頂は大きな岩が雪に埋まっているのだが、岩と岩の隙間が空いており、
下手をすると落ちそうだ。
14時40分:三ツ岳出発。しばらく展望のないシラビソ林の中を歩く。
だいたいトレースが着いているのだが、時々ずぼっと足がもぐってしまい、
こけそうになる。
15時40分:雨池山着。またおじさんたちと再会。
今夜は縞枯山荘に泊まるそうだ。
雨池山はまったく展望がなく、道の途中に標識が立っているだけ。
16時00分:縞枯山ふもとの分岐へ。
日が暮れてきたので幕営準備をすることにし、
風を避けるために雨池方向へ下る。
16時15分:双子池方面からの道と合流する地点で、道の横に幕営跡を発見。
長方形に雪が平らにならしてある。
風もあまり吹かないので、今夜はここに泊まることにした。
16時45分:テント設営完了。
オーバーパンツをはき、シュラフに足を突っ込む。
寒さのせいか足が痙攣気味。
ウエストポーチのサイドポケットに入れていた
ペットボトルの水は凍っていた。テント内の室温はマイナス6度ぐらい。
コッヘルで米を炊き、レトルトの中華丼をかけて夕食。
暖かいものを食べてほっと一息。
紙パックの日本酒をシェラカップで温めながら飲む。量が少なくて酔えない。
朝になって凍らないよう、登山靴をビニール袋に入れてシェラフの中へ。
レトルト野菜スープも入れるが、
冷え切っているので逆湯たんぽ状態となり、体温を奪う。
両方のつま先にカイロを貼り、さらに予備の靴下を重ねる。
18時過ぎ:就寝。下半身が冷えてなかなか寝付けない。
夜中に何度も目がさめる。
シュラフにツェルトをかけたが、あまり効果なし。
2日目
4時00:起床。テントの内壁は結露が凍っていてキラキラと輝く。
凍ったご飯をレトルト野菜スープに入れて雑炊に。
ウィンナソーセージはポキポキと折れる。
5時過ぎ:まだ真っ暗な中、撤収開始。
6時15分:幕営地を出発。だんだんと夜が明けてくる。
6時35分:縞枯山ふもとに到着。なだらかな山を上り始める。
7時6分:縞枯山山頂(2403m)着。山頂はシラビソ林の中。
しばらく進むと登山道からそれたところに展望台がある。
縞枯山はその名前のとおり、縞状に樹木が枯れている。
緑の木々と白い枯れ木の地帯が交互に現れる。
8時20分:茶臼山(2384m)着。5分ぐらい歩いたところが展望台。
きわめて風が強く、曲がった樹木にエビの尻尾が生えている。
8時50分:茶臼山発。
9時19分:中小場(2232m)着。少し休憩。
9時30分:中小場を出発。
途中、スノーシューを履いた家族連れやグループとすれ違う。
犬を連れた人も。
9時55分:麦草峠着。麦草ヒュッテでココアを飲む(420円)。
ここはテレマークのスクールなども実施しているようだ。
10時22分:麦草ヒュッテを出発しようとして
ピッケルがなくなっていることに気づく。
ザックのサイドに縛り付けていたのだが、いつのまにか緩んでいたらしい。
人からもらったばかりの未使用新品。落としたでは済まない。
ザックをヒュッテの前に起き、来た道を戻って探すことにした。
100メートルも行かないうちだろうか、
向こうから北横岳や三ツ岳で出会ったおじさんたちが来るのだが、
なんとその手にはぼくのピッケルが!!
縞枯山から下りてくる途中の道に落ちていたので、
ふもとの交番にでも届けようと思っていたという。感謝感激。
おじさんたちは麦草ヒュッテ前でコーヒーにするというので、
ご相伴にあずかる。縞枯山荘はそんなに混んでなかったという。
10時45分:麦草ヒュッテを出発。
3人で雪に覆われた国道299号を白駒池へ。
スノーモービルで人が通れるように除雪はしてあるのだが、
潜りやすく歩きにくい。
11時55分:白駒池に到着。
池は全面氷結しており、白駒荘前では氷を割って水をくめるようにしてある。
おじさんたちはここで昼食を取り、
黒百合ヒュッテに泊まるというので別れる。
13時00分:高見石小屋に到着。
お腹が空いたのでここでラーメンを頼む(650円)。
ふと壁を見るとバスの時刻表が貼ってあるのだが、
渋の湯から茅野駅行き最終はなんと14時55分。
勘違いしていたが、スキー場のあるロープウェイ方面と違って、
こっちのバスは1日に3本しかないのだ。あわててラーメンを掻き込む。
そうしている間にも元旦を高見石小屋で迎えようとする人たちが
続々と到着する。
13時28分:小屋を出る。時間がないので高見石には寄らず。
この先はほとんど下りなので、駆けるようにして降りていく。
14時15分:渋の湯に到着。
バスが来るまでまだ余裕があるので渋御殿湯に入る(800円)。
ここの湯は透明な硫黄泉。
14時55分:バス乗車。
15時55分:茅野駅着(1100円)。
あかぎれの薬、おみやげ、ビールなど購入。
16時31分:「スーパーあずさ」乗車。350mlのビール2本あける。
18時01分:八王子着(5430円)。
甲府を過ぎたあたりから寝てしまい、
気が付いたらすでにホームに止まっている。
あわててザックやお土産をつかんで外に出ようとするが
ザック本体やストックがシートにひっかかって進まない。
次の停車駅は新宿だ!! 閉まりかけたドアに半分挟まれながらなんとか下車。
中央特快で国分寺へ。
初めての雪山、単独行、テント泊にしてはたいしたトラブルもなく、
楽しむことができた。
ピッケル・ワカンは結局使わず、アイゼンもほとんど必要なかった。
特に2日目のコースはクロカンやスノーシューも多く、
雪上ハイキングコースと言える。
この先、より本格的な雪山への挑戦は
どうステップアップしていけばいいのかが課題。
反省点
●スパッツがぼろぼろに:アイゼンの爪でスパッツの内側を切ってしまった。
普通に歩いている時はあたらず、
雪に足をとられたりしてふらついたときに切ってしまう。
下山後リペアテープで補修したが、歩き方を訓練しないと。
●ピッケル落とした:ザックの外に荷物を着ける時は、
途中で落としたりしないように注意が必要。
ピッケルならばバンドをザックのベルトに通しておくとか。
●終バス時刻:当然ながら行きだけではなく、
下山時の交通機関についても調べておくこと。
間に合ったから良かったけど、もう少しで二泊目となるところだった。
●テントで眠れない:イスカ・モンテローザは初冬の中級山岳対応、
参考使用温度はマイナス12度からとなっているのだが。
真冬に幕営するのであればイスカ・デナリぐらいにしないとダメだろうか。
あるいは軽い夏用と重ねるか。それとも耐寒訓練で鍛えるか・・・
●荷物が多い、重い:相変わらず荷物が多く、重くて苦労した。
テントがキャンプ用だからかと思ったが、
登山用テントでも極端に小さくなるわけではなさそうだ。
やはり無駄な荷物が多いのだろう。