★雨飾山山行報告(byコアラ)
◎日時:2004年10月16日(土)〜17日(日)
◎参加者:コアラ、タケちゃん、
らくきょの会4名(Tさん、Mさん、Iさん、Nさん)
らくきょの会の総会で、毎年の山行計画を決めるのであるが、
2004年はコアラが希望を出していた、中央線沿線の山(高畑山・倉岳山)、
鳥海山、雨飾山などが実現することになった。
この内どれかでリーダをということであったので、
10月の泊まりの企画である雨飾山山行でリーダを務めることにした。
コアラがリーダだったので、山MLでも参加者を募集したところ、
タケちゃんとリンさんから参加希望があった。
結局、リンさんは都合が付かず不参加。
らくきょの会では、コースタイム通り歩けないと日程がきついことから、
中級以上ということで案内したところ、ベテランの男性4名の参加があった。
皆さん60代の、社会人としては第一線は退いた方達ばかりである。
雨飾山は妙高連峰の西端に位置しており、
長野県と新潟県の県境に位置している。
標高1963.2mで、深田百名山に選定されている。
今回の雨飾山で、百名山の登頂は66座となった。
2004年に初登頂した百名山は、
北アルプス縦走の際の黒部五郎岳、鷲羽岳、笠ヶ岳とこの雨飾山の4座のみ。
◎コース:新潟県側(雨飾温泉)入山・長野県側(小谷温泉)下山
当初は、長野県小谷(おたり)村の小谷温泉側から入り、
新潟県糸魚川市の雨飾温泉側に下山する予定だった。
というのは、長野県側の方が登りが緩やかであるということと、
長野県側からの大糸線の本数が少なく、アクセスが不便であるため、
糸魚川からほくほく線経由で越後湯沢から新幹線乗り継ぎで帰ると、
遅い時間でも帰れるからである。
従って、初日は山麓の温泉に入るだけなので、
1日かけてゆっくり小谷温泉まで入るようにした方が、2日目が有効に使えて、
帰りも明るい内に雨飾温泉に下山さえ出来れば、良いからである。
しかしながら、2ヶ月以上前に宿の手配をしようとしたのに、
小谷温泉は全ての宿が満室で断られてしまった。
雨飾温泉の方は山小屋扱いで、
満員でも相部屋にして泊めるということだったので、
そちらの予約を取り、
時間的には損であったが逆コースで登ることにした。
なお、コアラとタケちゃん以外は、
第一線を退いた方達ばかりですので、
Tさんの契約しているマンションが白馬にあるので、
下山後は白馬に泊まって、翌月曜日に帰るという日程を取っている。
◎10月16日(土)
●往路(自宅〜フォッサマグナミュージアム・雨飾温泉)
コアラは、ひたち野うしく駅までマイカーで行き、そこから常磐線で上野駅へ。
ただし、ひたち野うしく駅でリュックを背負う時に変な音がしたので見てみたら、
リュックの肩ひもが切れかかっている。
かなり酷使して使っていたリュックであるが、よもや肩ひもが切れるとは。
このままでは山に登ることが出来ないので、
上野駅で30分ほど時間があり、
今日は遅い出発でもありアメ横が開き始めていたので、
鞄屋で1000円のリュックを買う。
2万円くらいする良いリュックもあったが、
余りじっくり吟味している余裕もなく、
余り大きいリュックも困るので、適当に今回だけしのぐ事を目的で買った。
しかし、パンパンに入れた荷物が新しいリュックには全て入らず、
残りは古いリュックと一緒に紙の手提げ袋に入れて持ち歩いた。
最終的には、雨飾山荘から宅急便を送ることが
可能であることを電話で確認したので、
翌朝、古いリュックや寝着や着替えなどお泊まり用品を宅急便で送り、
日帰り山行と下山後のお風呂用具のみリュックに詰めて出発した。
糸魚川駅13:19発、山口13:51着のバスがあるので、
JR北陸本線糸魚川駅改札13:00とした。
東京方面からのメンバーは、
東京10:12発、越後湯沢11:29着の上越新幹線MAXとき313号で、
越後湯沢11:38発、糸魚川12:52着のはくたか8号に乗り継いだ。
はくたか8号は和倉温泉行きだったためか、
かなり混んでおり、コアラは座れなかった。
そこで車内をうろついていたら、皆同じ列車に乗っていた。
タケちゃんはゲストであるためコアラ以外は初顔合わせだったのだが、
偶然にもIさんの隣に座っていた。
糸魚川駅には、八ヶ岳山麓在住のNさんが既に大糸線利用で到着していた。
当初は山口までバスに乗り、そこから初日のウォーミングアップを兼ねて、
2時間半以上を雨飾温泉まで歩こうと考えていたが、
熊出没問題もありタクシーで行くことにして、
駅前商店街内の食堂で昼食を取ることにした。
コアラは海の幸が美味しいであろうと思い、刺身定食と地酒を飲んだ。
昼食後、直ぐにタクシーで入っても時間があるので、
途中フォッサマグナミュージアムに寄ることにした。
地方の自然史博物館としてかなり充実した内容であり、見応え十分であった。
地質を専門としている自分としては満足する内容のものであった。
タケちゃんは経費節減のためか、元々博物館に興味がないのか不明だが、
近くの公園をプラプラしていた。
●雨飾温泉「雨飾山荘」
タクシーを呼び、雨飾温泉に向かったが、山口からはダートの林道。
すれ違いが困難なところもあるが、概して景色が良い道で、
雨飾山の対面の駒ヶ岳などの山塊の山容が特異で、興味深かった。
雨飾温泉は、山小屋いうよりは綺麗で、なかなか良い宿であった。
涸沢ヒュッテと同じ経営である。1泊2食弁当付きで、9500円。
それほど混んでおらず、食事も1回で済み、我々のグループで個室ももらえた。
メンバーは余り風呂好きのメンバーがいないのか、
明るい内に露天風呂に行ったのはコアラのみ。
都忘れの湯と呼ばれ、混浴。
なかなか趣があるが、玄関前のロータリーの一角に、
木に覆われてあるので、女性などは入りずらいであろう。
夕食後は、内湯に入ったが、こちらはかなり熱く、心底温まる感じで良かった。
その後、また露天に行ったら真っ暗で、女性の声がする。
声をかけたら、今女性だけしか入っていないので、
もうしばらく遠慮してくれとのこと。
一緒に入っても真っ暗で何も見えないのだが、
無理して入る訳にも行かず、部屋に戻る。
しばらく休んでそろそろ露天に行こうと思っていると、
タケちゃんが部屋に戻ってきた。
内湯に入っていたら、今露天風呂の方は女性しか入っていないと聞いて、
その後露天に行ったそうである。
ちょうど皆が出るところで、その後は誰も来なくて、
1人で満天の星空を堪能したとか。
もう少し早くコアラが露天風呂に入りに行っていれば、
タケちゃんと混浴出来たかもしれないと思うと、残念。
その後、コアラも露天に入りに行って、1人で満天の星空を満喫した。
夜も消灯時間まで、つまみをおかずに、
らくきょのメンバーで色々飲みながら語っていた。
◎10月17日(日)
●コースタイム
雨飾温泉6:00−難所ノゾキ6:30−1309m峰7:30〜35
−中ノ池8:40〜50−笹平9:50〜55−雨飾山山頂10:20〜40
−笹平11:10−1894m峰11:15〜45(昼食)
−荒菅沢12:55〜13:10−広河原14:20−登山口14:35
●登山(雨飾温泉〜笹平)
朝食は5時からで、食事後直ぐに出発準備をしたが、
皆が揃って出発出来たのは6時。
他の登山者の大半は出発していた。
登りはかなりの急登が続いていたが、
Iさんが夏に痛めた部分があり今一つ本調子でなく、
コースタイムより遅れた。
後から出発したグループにも結構抜かれた。
そのため、コアラは汗も余りかかずに、疲労はほとんど無かった。
急登の道が続き、薬師尾根に出たところが難所ノゾキ。
ここから急な尾根の稜線歩きになるが、木々の間から
駒ヶ岳・鬼ヶ面山・鋸岳などの海谷山塊の特異な山容が眺められる。
遠方の紅葉はそれなりに綺麗に見える。
標高が上がるに連れて、糸魚川の日本海も見えてくる。
中間点を過ぎると左へのトラバースになり、中ノ池に着く。
ここから再び急登が始まるが、
このあたりから前の週に降った雪が残っており、凍結してかなり滑る。
かなり危険なところもあったが、どうにか登り切った。
このコースを下りに使うのなら、
軽アイゼンを持ってきていなければ難しいであろう。
●山頂
30分弱の遅れで稜線の笹平に出たが、ものすごい人手であふれていた。
小谷温泉からのルートでかなりの人が登ってきているようである。
ツアー登山のグループも何グループもあった。
山頂は余りに混んでいるので、山頂での昼食は諦めて、
笹平に荷物をデポして、空身で山頂までピストンした。
笹平から山頂までは極わずかな時間で登れるのだが、
急坂でのすれ違いに時間を要し、倍近くの時間がかかってしまった。
特に帰りのすれ違いに。
山頂は双耳峰で、三角点のあるピークと祠のあるピークの二つある。
どちらも360度の大展望である。
特に北アルプス方面の景観は、山頂部で初めて見ることができる。
白馬三山、唐松−五竜−鹿島槍などの後立山連峰が雪に真白に覆われた様子が、
ものすごく素晴らしい景観である。
遠くには、槍の穂先も見えているようだ。
反対側には、笹平の美しい景色があり、
その向こうに、金山、新潟焼山、高妻山、戸隠などの山々が見える。
どうやら妙高・火打は、金山から新潟焼山の陰になって見えないようである。
紅葉もちょうど良い季節に当たったのであるが、
今年の紅葉は夏が暑すぎたのか、何処に行っても余り綺麗ではない。
●下山(笹平〜小谷温泉)
山頂ピストンから戻って、笹平の稜線の展望の良いところで、昼食を取った。
元々登りがコースタイム通りに行かず、多少やばかったのであるが、
山頂往復でかなりの時間を要してしまい、
その日に帰らなければならないコアラとタケちゃんはピンチ。
そこで、2班に分けて、その日に白馬泊まりの4人は、
SLのTさんをリーダにして下りることを考えた。
しかしながら下山を開始すると、最初の急なガレ場の梯子と鎖場のところで、
前を歩くツアー登山がかなりの列を作っている。
結局この通過待ちで約30分は時間をロスしてしまった。
予定のバスである小谷温泉15:20発のバスに乗るのはとうてい無理と諦めて、
次の小谷温泉16:56発でも、
勝田行きの最終電車にはどうにか間に合うであろうと腹をくくり、
全員で下りることにした。
急斜面を下って、荒菅沢で長めの休憩を取る。沢の水が冷たくて気持ち良い。
ここからの雨飾山頂付近の景観と紅葉が素晴らしい。
ここからは、一旦登りになって大変だが、傾斜自体は緩く心地良い道である。
そこのピークで振り返ると、雨飾山が見える最後のポイント。
小谷温泉からの道の方が、雨飾温泉からの道よりは景観的には良いと思う。
その後広河原に出て、平らな湿原の道をしばらく歩くと、
小谷温泉側の登山口に出る。
ここには休憩舎があり、色々な出店が出ていて、
色々美味しそうなものも売っている。
ここからバス停のある小谷温泉までは、
1時間以上舗装された歩道を歩かないといけないが、
タクシーが待ていたので聞いてみると、
予約した登山者の待ち時間があるので、小谷温泉までなら乗せられるとのこと。
時間効率化のため乗ることにした。
このため予定の15:20発のバスには余裕で間に合ったのであるが、
どうせならゆっくり温泉に入りたい。
その運ちゃんが、1時間半後なら南小谷または白馬まで乗せられるというので、
16:30に乗ることで頼むことにして、我々はゆっくり温泉に入ることにした。
●小谷温泉
コアラ以外は、村営雨飾荘のお風呂に入ったが、コアラは露天風呂に行ってみた。
こちらの露天風呂は男女に分かれており、寸志を入れれば良いようになっている。
森林の中の露天風呂で、開放的で気持ちが良い。
女性風呂の方は、男風呂よりも高い位置に完全に周りが囲まれている。
それに対して男風呂は完全に解放されているが、
男女問わず様子を見に来る人がいて恥ずかしい。
しかも、湯がかなり熱いため、長時間湯に入っていることが出来ず、
裸で外に出ていないといけない時間が長い。
軽く一汗流した後、村営雨飾荘のお風呂にも入った。
日帰り入浴は300円である。
他のらくきょの会の4人は既に上がっていて、缶ビールを何杯も飲んでいた。
らくきょのメンバーは、温泉よりも飲む方が優先みたいである。
こちらはレトロな感じの湯で、
沈殿物が風呂場にこべり付いた感じがあって、効能が有りそうである。
男風呂には露天風呂もあって、
雨飾山こそは見えないが、山の景色を堪能して入った。
女性風呂にも露天風呂があるように書いてあったが、
タケちゃんの話だと、無かったそうである。
風呂から出て、他の4人に聞いてみると、
タケちゃんは、コアラが行った露天風呂にも行ったそうである。
彼女が戻ってきて、タクシーに乗って白馬駅に向かった。
厳密には、6人で1台のタクシー人持っているので、違反なのであるが。
●帰路(小谷温泉〜自宅)
タクシー運ちゃんの話だと、白馬駅から長野駅行きのバスが出ており、
それを使って長野から新幹線で東京方面に帰るのが、一番早いとのこと。
白馬駅で解散し、茨城組はチケットの解約と手配をする。
なんと、1時間後のバスに乗ったとしても、
上野着は当初の予定のあずさに乗るよりも早い。
しかも、ペアチケットがあって、
これを買うと料金もあずさ利用よりも安かったのである。
その後お土産を買って、まだ時間があったので、
白馬駅前の居酒屋で飲んでいるらくきょの4名と合流して、
夕食と軽く飲んで帰った。
それにしてもらくきょの方々は、
暇さえあれば飲んでいる方が多いと、脱帽した次第である。
結局、午後9時台の上野発の列車に乗って、それぞれ帰ることが出来た。
コアラが自宅に戻ったのは、午後11時前であった。
●まとめ
結果的には、かなり混んでいて予定通りに進まない山行であったが
(宿の予約やコース設定時点から難航した)、
晴天に恵まれ、景色も素晴らしく、非常に心に残る山行であった。
らくきょの会でリーダを務めたのは初めてであるが、
無事に遂行出来たのも何よりであった。
何もアクシデント無く下りてくることが、山行の最も肝要な事である。
2005年もらくきょの会の山行で、
未登頂の百名山を始め、色々な山に登りたいものである。