>>コアラの報告

●マゾッコメグからの報告

マゾッコメグです。

6月29日(土)、荒島岳に行って来ました。

今回の参加者は
(男性)マゾッコメグ、コアラ、(女性)稲穂
の計3名。
当初、妻(稲穂)が27日まで能登の和倉温泉で仕事があり、
その後で合流して二人で福井県の荒島岳に登る計画になっていた。
しかし偶然コアラさんが27、28日と名古屋で会議があり、
会議終了後に福井で合流して一緒に登山することが可能となり、
山ML企画として成立するに至った。

荒島岳は深田久弥氏が地元ということで日本百名山に選んだということもあり、
百名山の中ではかなり地味な存在である。
そのため、私もコアラさんもこのような機会でもなければ、
この山に登るチャンスはなかったかも知れない。

荒島岳はJR越美北線(九頭竜線)の勝原(かどはら)駅が最寄りで、
百名山の中では駅から歩いて行ける数少ない山の一つであるが、
なにぶん勝原を通る列車が上り下りとも1日5本ずつしかなく、
また山小屋もないので、登山の前日と当日に麓の町に宿泊するしかなかった。
このような事情から、28日は休暇をとり、観光旅行した後で勝原の宿に入り、
29日は荒島岳に登頂した後で越前大野に移動し、30日に帰る、
というスケジュールになった。
その分、山以外の名所も見物でき、内容盛りだくさんの旅行となった。

<6月27日(木)>つくば−東京−福井

いつもより仕事を早目に終え、PM9:15つくばセンター発の高速バスに乗って、
東京へ出た。東京駅には10:35到着。
東京駅八重洲南口11:30発の夜行バス「ドリーム福井号」に乗るので、
少し時間があったが、何となく過ごしているうちに時間が来てしまった。
実際には「ドリーム福井号」は11:35に出発した。
途中、新宿駅新南口に停車し、中央高速・名神高速を通って福井へ向かった。
このような経路をたどるとは、ちょっと意外。
長野や富山を経由するものと思っていた。

<6月28日(金)>福井−越前岬−福井−勝原

福井駅前の京福バスターミナル(BT)にはAM7:40到着予定だったが、
実際はそれより早く、7:25に着いた。
バスの中では良く眠れなかったが、この時点ではそれ程眠くはならなかった。
ちなみに東京駅−京福BT間の料金は8300円で、やっぱり得と言えるだろう。
BTの地下の食堂で朝食にし、近くのコンビニで買い物をした後、
福井駅へ向かったが、道を間違えて探すのに苦労した。
BTから福井駅までは徒歩5分程かかり、ちょっと遠いと思った。

9:42に福井に到着する「サンダーバード14号」で妻が来ることになっていた。
自分が福井に着いてから2時間あり、その間どうやって時間を潰そうかと考えて
いたが、案外あっという間に時間が来てしまった。

無事妻と合流でき、早速この日観光する越前岬へと向かった。
越前岬へ行くバスは9:52発で、乗り換え時間はあまりなかった。
しかもこのバスが出る4番乗り場は駅から遠かったので、
間に合うかどうか心配だったが、バスが遅れたので、余裕で間に合った。

バスに乗ってから急に眠くなり、バスの中では殆ど寝てた。
このバスは「ドライブイン越前岬」というバス停が終点で、到着は11:00。
料金は1310円と、結構かかった。
ここから目的地の越前岬灯台までは3km程歩くという話だったが、
仕方ないから暑い中歩くことにした。
この日は天気が良く、翌日に取っておきたい位だった。

途中で妙なものを見つけた。
川中美幸・伍代夏子・金沢明子の3人の女性演歌歌手の写真が入った
3つの石碑が建っていて、それぞれの石碑の前に立つと噴水から水が出て、
それぞれの歌手の持ち歌である、
「越前岬」「雪中花」「夢越前」の曲が流れるというものだ。

呼鳥門(こちょうもん)・鳥糞岩(とりくそいわ)といった名所があった。



更に行くと、越前岬灯台に行く道が分かれていたので、そっちに行くことにした。
ここから道が険しくなり、結構大変だったが、海の眺めは素晴らしかった。
なかなか灯台に着かないので、道を間違えたのだろうかと心配になりかけた
PM0:00頃、やっと灯台の姿が見えてきた。
死角になっていて、遠くから見つけることができなかったのだ。
残念ながら、灯台の中の見物はできなかった。



近くに「水仙ランド」があったので、これも見に行った。
さすがにこの時期に野性の水仙は咲いていなかったが、
水仙ランドの中に涼しい部屋があり、そこでは水仙が咲いていた。
あとこの近辺は、紫陽花が咲いていて、これも綺麗だった。

この辺は魚介類を食材にした食堂が多く、
呼鳥門の近くの「レスト有情」という食堂で昼食にした。
当然、蟹丼などの魚介類を頼んだが、ここで印象に残っているのはトイレ。
石や樹木のある大自然の中で用を足すみたいになっていて、結構面白かった。
スペースの無駄遣いなような気もしたが。

2:28呼鳥門発のバスで福井駅に戻った。福井駅には3:40頃到着。
福井から勝原に行く列車は4:40発で、まだ1時間位あった。
今回からデジカメを使うことになったが、デジカメのメディアが案外すぐに
満杯になってしまうことが分かったので、駅近くの写真屋でメディアを買ってきた。

列車は2番線からの発車だったが、2番線はホームの外れの寂れた所にあった。
発車の30分位前に行ったら、何と既に列車は満員状態。
それも高校生らしき若者が殆どだった。
平日だから通学に使われるのだろうが、それにしても本数が少ないから
列車も空いているだろうという推測は甘いと、つくづく思った。
ちなみに列車は、1両編成のワンマンカーだった。
コアラさんが会議終了後、名古屋から福井に直行してこの列車に乗る筈だったが、
なかなか姿が見えないので、どうしたのかと心配になった。
何といっても、本数の少ない路線だから。
でも結局、発車の5分位前になってコアラさんが乗って来て、無事3人合流できた。

通学客が多いから、すぐ空くだろうと思ったが、
本当に空いたのは越前大野に着いた頃だった。
勝原はその5駅先で、到着は6:02だった。
当然の如く勝原は無人駅だったが、それにも増して駅周辺に何もないのには驚いた。

我々が宿泊する民宿は「林湊」という名で、人名がそのまま屋号になっていたが、
駅からは本当にすぐだった。
妻やコアラさんが山の道具を宅配便でこの民宿に送っていたが、
無事に着いていたので一安心。

早速風呂に入った。風呂は一つしかないので、
妻には申し訳ないが私とコアラさんで先に入らせて貰った。
風呂は温泉ではなかったし、浴槽も小さく、2人で入ることは不可能だった。
風呂に限らず、これといった特徴もないのがこの宿の感想か。
古い写真やら魚拓やらが飾ってある部屋は面白かったが。

妻も風呂に入った後、7:15頃から夕食にした。
魚などは買ってきたものらしいが、他は自前のメニューも多かった。
この日泊まっていたのは、我々3人だけだったらしい。
宿の人が食事中も調理場に閉じ篭ってあまり顔を見せてくれなかったので、
尚更寂しかった。



食後は私と妻が泊まる部屋に3人集まり、それなりに盛り上がった。
寝たのは10:45頃。

<6月29日(土)>勝原−カドハラスキー場−シャクナゲ平−荒島岳山頂
−シャクナゲ平−小荒島岳−中出(なかんで)−下唯野(しもゆいの)−越前大野

AM4:30に起き、出発の準備をしてから5:00から朝食。
会計を済ませてから6:00に出発。宿泊代は3人で17800円だった。
酒やビールも飲んで、この日の昼食のおにぎりをサービスして貰ったことを
考えると、かなり安い。

この日は天気があまり良くなく、午後になって更に崩れそうだった。
更にPM2:54下唯野発の列車で越前大野に行きたいので、
早目に下山する必要があった。

車道を歩いて、カドハラスキー場にある登山口には6:20着。
ここにある電話ボックス利用の小屋で登山届を出し、
スキー場のゲレンデを登り始めた。
最初はコンクリートで舗装された道だったが、傾斜が急で、結構きつかった。
コンクリの道が終わったと思ったら、
次はリフトの下の岩だらけのゲレンデを登ることになり、これもきつかった。



リフトの上に着いたのは7:00。ここで10分の休憩をとった。
ここから先はやっと登山道らしい道になったが、
樹林帯の中で、展望は全くなかった。
シャクナゲ平には8:40到着。
ここから山頂まではピストンなので、荷物をここに置いて行くことにした。
8:55出発。

この先は階段や鎖場などもあったが、それ程きついと思うものはなかった。
また高い樹木が少なくなり、展望も良くなった・・・と言いたいところだが、
なにぶん天気が冴えず、殆ど雲の中だったので、展望の方は残念だった。
更に少し雨も降って来て、風も強くなって来た。

山頂には9:43到着。
山頂には小さな神社(荒島大権現奥の院)と反射板らしき建造物があった。
山頂までかかった時間は大したことなかったが、寒いし、風は強いし、
ガスのせいで展望は効かないしで、あまり長くいる気にはなれなかった。
10:00には山頂を出発した。
登る時はあまり人と会うことがなかったのだが、下りの時はやたらと人に会った。
我々が歩く時間帯が早かったということか。

シャクナゲ平に10:40に戻った。
ここで荷物を回収し、昼食のおにぎりを食べた。
11:05に出発し、程なく小荒島岳に着いた。
登山道から右に曲がる分岐があり、そこに入ってすぐだった。到着は11:25。
小荒島岳山頂には、残念ながら標識のようなものはなかったが、
ここから見た荒島岳の姿は雄大であった。
ただし山頂の方は雲に覆われて見えなかった。

小荒島岳を11:45に出発し、あとはひたすら下るだけだった。
途中で林道と出合っては離れたりし、最後は完全に林道と合流した。
ここまで来れば、あとは楽勝だった。中出側の登山口に降りたが、
ここにもやはり電話ボックス利用の登山届を出す小屋があった。
あとは下唯野駅まで車道を歩いた。この辺は人家も少なく、田圃が広がっていた。
田圃の中にぽつんと山があり、そこに神社が祀られていた。

下唯野駅には2:30到着。勿論、無人駅だった。
2:54発の列車には間に合った。
自動販売機でジュースでも買って飲みたかったのだが、
何と自動販売機もなければトイレもない。
ここまで何もない駅があったとは・・・・ただし屋根付きの待合室はあった。

越前大野には3:04到着。ここで安心したのか、駅でしばらくのんびりした。
この日宿泊する「こし路荘」は駅から徒歩2,3分で、3:25に着いた。
さすがに疲れたので、もう一歩も外には出たくなかったが、
コアラさんが市内観光に行こうと言うので、出かけることにした。
武家屋敷の旧内山家、越前大野城跡、御清水(おしょうず)、
朝倉義景墓所などを見物した。
旧内山家と越前大野城跡はともに入場料が100円かかり、
しかも閉館間際だったというのに入ってしまった。
越前大野城跡の天守閣からは大野市街が見渡せた。
雲がかかっていたが、荒島岳も拝めた。
またここは亀山という標高249mの山の上だったが、
それだけに城跡までの道は長く険しく、登山で疲れた身には実にこたえた。



朝倉義景墓の隣りには水琴窟というものがあり、
水をかけると琴のような音色が聞こえてきた。
これはどういう仕組みになっているのか、興味を持った。
また御清水は名水百選にも選ばれ、ここでは水も汲み放題なので、
持参したペットボトルに入れて帰った。



こし路荘には6:25に戻った。かなり疲れた。
早速風呂に入った。今度はちゃんと男湯と女湯の2つあった。
しかしここも温泉ではないし、浴室は狭い。
しかも浴槽の湯がかなり熱く、水で薄めながら入るしかなかった。
元々目一杯に湯が入っていたから、かなり湯を溢れさせてしまった。

7:00から夕食。鍋物もあり、結構ボリュームがあった。
地酒も注文したが、大野の酒はあまり人気がないとのことで、
勝山の地酒「一本義(いっぽんぎ)」が出た。
一人1合も出されたので、あまり酒豪でない我々には、ちょっときつかった。
8:50まで食堂にいて、結構盛り上がった。
今回のメンバーは下ネタもOKだった。
この後、私と妻が寝る部屋にコアラさんにも来て貰い、11時近くまで語った。
ただし自分は途中から寝ていた。
またこの日、サッカーW杯の3位決定戦(韓国−トルコ)が行われ、
3−2でトルコが勝った。

<6月30日(日)>越前大野−福井−小松−小松空港−羽田空港−つくば

AM5:00頃目が覚めた。
妻がグロッキーになっていたので、私とコアラさんで朝の町を散歩した。
七間(しちけん)朝市や寺町を見て来たが、
七間朝市は予想したほど大規模なものではなく、売られているものも花や野菜など、
持ち帰りが難しいものが多く、あまり観光客向けではなかった。
寺町では多くの寺院が並んでいたが、
どちらかと言うと最近建てられたものが多いようだった。

7:30〜8:50は朝食にした。
その後は中途半端に時間が余ってしまったが、
コアラさんは近くを電気自転車で散策した後、10:01発の列車で帰った。
途中の一乗谷で降りて、
朝倉氏ゆかりの建造物などを見物してから広島に帰ったらしい。

私と妻は、やはり電気自転車で町を散策してから、11:42発の列車で帰った。
電気自転車というのは楽なもので、これなら前日も使うべきだったと後悔した。
この日はイトヨ生息地である本願清水を見物した。
しかし個人的に興味のあった開成中学や大野高校には寄ることができず、
ちょっと心残りだった。
それにしても、東京の有名私立中学と同じ名前の中学が大野市にあるとは驚きだ。
ちなみに神奈川県の開成町には開成小学校がある。
また大野高校は中日・正津投手の母校で、同投手の在学時に甲子園にも出ている。

来る時と違って、この日は休日だったためか、列車の中は空いていた。
福井にはPM12:35到着。
ここで12:38発の北陸本線各駅停車に乗り換え、小松に出た。
小松到着は1:24。ここで1:30発の小松空港行きのバスに乗った。
空港着は1:40頃で、結構近く、料金も260円だった。
ここから3:55発の羽田空港行きの飛行機に乗ることになっていたが、
それまで2時間あるので、ここの食堂で昼食にし、お土産なども買った。
羽田には4:55頃到着し、5:55発のつくばセンター行きの高速バスで
つくばに帰った。つくば到着は7:15。

今回の山行は、前述のように偶然が重なって山ML企画として成立した訳だが、
こういうのがもっとあってもいいのでは?と思った。
そうすれば、遠くの山にも行けるし。

今回の荒島岳で百名山の登頂数は38座となったが、天候が良くなかった
せいもあり、38座の中では下位にランクされる山行となってしまった。
これで天気が良く、展望も効いていたら、また違った評価になったかも知れないが。
でも今回は、山以外に越前岬の海や越前大野の町などの観光もでき、
内容の濃い旅行になったと思う。
色々と話を盛り上げてくれたコアラさん、有り難うございました。
今回ご一緒できなかった人も、またの機会に楽しみましょう。

民宿「林湊」 0779−65−6836
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~tamu/114arashimadake.htm
こし路荘 0779−66−0012