仙丈ケ岳山行報告
>>猿、あきじの報告はこちら
●マゾッコメグの報告
稲葉です。
9月21日(土)〜9月22日(日)、
南アルプスの仙丈ケ岳に行って来ました。
今回の参加者は
(男性)マゾッコメグ、猿、あきじ
(女性)タケちゃん
の計4名。奇しくも苗場山の時と全く同じメンバーになった。
山ML企画で同じ参加メンバーが再現されたのは、
恐らく今回が初めてと思われる。
過去の例では、同じようなメンツに見えても微妙に参加者が異なっていた。
21〜23日の3連休で、2泊3日の山行も当然考えたが、
自分がここ数日体調が今イチ。
あきじさんも前の週に白馬岳に行っており、
更に翌週は裏磐梯キノコ狩り企画が入っているので1泊のみを希望。
タケちゃんも1泊のみを希望。
猿さんは2泊でも大丈夫だったが、
今回はあまり無理をせず、1泊山行とした。
当初、2泊で甲斐駒ケ岳と仙丈ヶ岳の2座に登頂することを考えていたが、
1泊になったので、行先を鳳凰三山に変更することも検討した。
しかし鳳凰三山も1泊で行くには厳しいと判断。
甲斐駒と300名山のアサヨ峰をセットにする案も出たが、
これは夜行の「アルプス」を使わないと困難。
結局、今回は仙丈ケ岳のみに行くという、かなり楽な企画になった。
鳳凰三山や甲斐駒・アサヨ峰は来年にでも企画しようということになった。
何はともあれ、山MLでは初の南ア企画となった訳だ。
<9月21日(土)>つくば−東京−新宿−甲府−広河原−北沢峠
−馬の背ヒュッテ
AM5:15つくばセンター発の始発の高速バスで東京へ出た。
始発だというのに、バスはかなり混んでいた。
バスの中では良く眠れ、東京駅には6:55に着いた。
この高速バスは遅延することが多いので早めの便に乗った訳だが、
これなら新宿8:00発の「スーパーあずさ3号」には
余裕で間に合いそうだ。
東京7:10発の中央線快速に乗って、新宿には7:22に着いた。
6番線のスーパーあずさ3号乗り場には既に多くの人が列をなしていて、
座るのは難しそうだったが、
それ以上にいくら待っても他のメンバーが来ないから、
みんなちゃんと来ているのか心配になった。
7:45になって列車に乗り込んでからも誰も来ないので、
あきじさんの携帯に電話したら、どうやら5号車に乗っているらしい。
事前の打ち合わせでは、
4号車で待ち合わせすることにしていたつもりだったが、
私がメール中で「4号車」のことを「前から4両目」と書いたので、
それが混乱を引き起こしたらしい。
下り列車の場合、一番後ろが1号車になるのだが、その辺も勘違いしていた。
結局、あきじさんもタケちゃんも4号車に移動してくれて、
猿さんも八王子から4号車に乗ってくれたので、事無きを得た。
しかしやはり座ることは出来ず、身動きが難しい状態だったので、
実質的に猿さんと合流したのも甲府に着いてからだった。
甲府には9:28到着。
甲府駅南口から10:00発の広河原行きの快速バスに乗った。
バスが出るまでみんなてんでばらばらに昼食を買いに行っていたが、
係の人が荷物を順番どおりに並べるように言って来た。
あきじさんの荷物を預かっていた私は順番が続いたが、
荷物を背負ったまま買い物に行った猿さんとタケちゃんは
順番が離れてしまった。
バスは立つ人が出ないように配慮され、
乗り切れない人が出た時はもう1台バスが出るようになっていた。
その結果、バスは2台出て、私とあきじさんは同じバスになったが、
猿さんとタケちゃんはもう1台の方のバスになってしまった。
離れ離れになってしまったが、行先は一緒だし、
着く時刻もほぼ一緒だから、いいか?
バスは「広河原ロッジ」まで行くものと思っていたが、
この時期広河原ロッジは閉鎖されていた。
また広河原から芦安村営バスに乗り換えて北沢峠に行くことになっていたが、
このバスへの乗り換えは、
広河原ロッジの一つ手前の「大樺沢出合」ですることになった。
時刻表には広河原ロッジまでの料金が1950円となっていたが、
ここでは1910円しか取られず、少し安くなったのも納得が行った。
しかし、このバスの行先は「広河原」と表示されていたが、
結局このバスが広河原ロッジまで行ったのか、
大樺沢出合止まりだったのか、最後まで分からなかった。
芦安でトイレ休憩があった。
林道は狭く、すれ違う車があったりすると大変だった。
大樺沢出合にはPM12:00頃着いた。
「アルペンプラザ」という建物があり、ここで北沢峠までの切符を買った。
ここから北沢峠まではバス代は550円だが、
荷物料金200円も追加された。
更に混雑しているため往復切符を買うことが推奨され、
結局ここで1500円払った。
アルペンプラザにはトイレや公衆電話もあり、休憩するにはいい所だった。
北沢峠行きのバスは12:30に出発した。
さっきのバスより小型で、今度は3台だった。
今度も全員座れたが、荷物は膝の上に乗せることになった。
当然補助椅子も使うし、狭いの何の・・・
北沢峠には12:55に着いた。
トイレも充実し、出発の準備をするにはいい所だった。
近くに長衛荘という山小屋があり、この小屋の前で昼食にした。
えらくのんびりした後、1:25に出発。
どうもこのメンバーだと出発が遅くなるようだ。
長衛荘から道を下り、大平山荘、藪沢経由で馬の背ヒュッテまで歩いた。
長衛荘も大平山荘も満室で、予約がない人は泊まれないようだったが、
そのような掲示がわざわざ出ていたりして、
何かこれまで来た山とは雰囲気が違った。
最初は樹林帯の中を歩き、傾斜が急な所もあった。
地図上では「藪沢大滝」という滝があるようだが、
実際には近付くことが難しく、遠くから見るだけだった。
途中、沢を横切る場所があったが、ここから甲斐駒の雄姿が拝めて、
感動した。ただし雲がかかっていて、山頂は良く見えなかった。
この辺を過ぎると段々高い樹木が少なくなって来た。
ナナカマドの赤い実が印象的だった。
そして紅葉し始めた山の姿が拝めるようになり、これがまた結構感動的。
しかしその山が仙丈ケ岳だったのかどうか、その時は良く分からなかった。
そうこうしているうちに、山小屋が見えてきた。
これは馬の背ヒュッテだろうか?それとも藪沢小屋だろうか?
行ってみたら、実は馬の背ヒュッテだった。
この日泊まる小屋に思ったよりも早く着いてしまったのだ。
ちょっと拍子抜け。元々この日の歩行予定時間は短かったが・・・
ちなみに到着時刻は3:50。
小屋は結構きれいで、中は4階建てというのか、中2階みたいな階があり、
実質的には2階建て半といったところか。
1階に食堂の他、荷物置き場があった。
食堂には何とテレビがあった。しかし山間部ゆえか、写りは今イチ。
荷物置き場にはストーブがあり、濡れた衣服を乾かすこともできた。
我々が泊まった部屋は3階、いや2階というべきか。
髪と髭を伸ばした、オタクっぽいお兄さんに案内された。
布団が敷き詰められ、1人当たりのスペースはそこそこあった。
また近くに更衣室もあった。
しかし水場とトイレは離れた場所にあり、
一たん外に出なくては行けなかった。
小屋のそばから甲斐駒の雄大な姿が望め、
カメラを持った人がたくさん集まっていた。
しかし雲が邪魔して、完全な姿をなかなか見せてくれなかった。
夕食は人数の関係で2回に分かれた。
我々は第2陣の方で、5:30からだった。
メニューはカレーで、結構ボリュームがあり、カツも入っていたので、
苗場の時に出たカレーよりは良かったと思う。
翌日の朝食は弁当が出ることになっていて、夕食が終わった時に受け取れた。
夕食時に勘定も済ませた。一人7500円とまずまずの値段だった。
その後4人で飲みモードに入ったが、つまみが少なかったし、
自分もすぐに眠くなってしまったので、盛り上がりに欠けた。
結局7:20には寝てしまったが、他の人もその後すぐ寝たみたいだった。
消灯は8:00だったらしい。
<9月22日(日)>馬の背ヒュッテ−仙丈小屋−仙丈ケ岳山頂−小仙丈岳
−大滝ノ頭−北沢峠(長衛荘)−広河原−甲府−新宿−東京−つくば
夜何回か目を覚ましたが、それ程寝心地は悪くなく、
結局AM5:00に起きた。
起きてすぐ朝食。
前日の晩に貰った弁当だが、AM4:00からお茶や味噌汁などが出るので、
それらと一緒に食堂で食べることが出来た。
しかしこの弁当、梅干し、鮭の切り身、キノコ類少々が入っていたが、
圧倒的にご飯が多く、手抜きが見え見え。
もっと許せないのは味噌汁。
何とインスタントの味噌汁で、勝手にお湯を入れて作ってくれというもの。
お茶が出がらしだったのも不満だが、これはまだ仕方ない。
そんな訳で、我々メンバーの中からは、辛辣な批判が飛び出た。
2日目のコースも結構楽で、徒歩4時間程のコースを歩いて、
PM1:15北沢峠発のバスに乗れればいいというものであった。
北沢峠AM9:45発のバスもあり、
早立ちすればそれに乗ることも出来ただろうが、
そんなにまでしてそのバスに乗る意味もなかったのだ。
雲が出ていたので、日の出は今イチだったが、
甲斐駒に朝日が当たった姿は、前日とはまた違った良さがあった。
結局、6:25に出発。
天気はいいとは言えなかったが、雨は降らず、ガスも出なかったので、
視界は悪くなかった。気温はやや涼しめだった。
10分程歩いて馬の背に着いたが、そこから先は紅葉もきれいで、
遠くの景色も拝めて、結構感動的だった。
近くの山の一部が紅葉し、その奥に甲斐駒の雄姿が望め、
その対比は素晴らしかった。
紅葉していたのはナナカマドやダケカンバらしい。
別の方向を見ると、遠くに山小屋が見える。
遠くとは言っても、歩いて1時間もかからなそうな距離だ。
どうやらあれが仙丈小屋らしい。
また別の方向を見ると、雲海の向こうに北アルプスと思われる山々が見える。
これらの景色に見とれながらも歩き続け、7:20に仙丈小屋に着いた。
ここは最近改築され、とてもきれいな小屋であった。
風力発電で電気を賄っているのか、たくさんの風車があった。
そのうち5枚羽の風車は回っていたが、3枚羽の風車は止まっていた。
宿泊客以外は無断で使えないが自炊処もあり、結構きれいなトイレもあった。
売店もあるようだったが、この時期は閉まっていた。
ここは避難小屋で無人の筈だが、そのような雰囲気は感じられなかった。
しかし、いい事ばっかりではない。
小屋の中で休憩して、お茶でも沸かして飲もうかと思っていたのに、
「宿泊客以外の立ち入りはご遠慮下さい」という看板が立っていたので、
中には入れなかった。
避難小屋だし、もっと自由に入って休めるものと思っていたのに、
何とも世知辛い話だ。これで雨が降っていたらどうしてくれるのか?
仕方ないから小屋の外でお茶を沸かして飲んだりした。
8:15に仙丈小屋を出発し、山頂まで再び登り始める。
それ程きついコースではなかったが、ガレ場が多く、
植物が少なくなってきた。
仙丈ケ岳山頂には8:45到着。
山頂には人が多く、写真を撮るのも大変そうだったが、ちゃんと撮れた。
これまで見えていた甲斐駒や北アルプスの他に、北岳も見える。
北岳の奥には雲に隠れながらも富士山が顔を覗かせる。
標高日本一の富士山と標高No.2の北岳の揃い踏みだ。
自分は富士山も北岳も未登頂。
こうなるとやはりどちらも行きたくなってくる。
仙丈ケ岳は標高3033m。
自分がこれまで登頂した山の中では
木曽御嶽(3067m)に次いで2番目に高い。
また過去に乗鞍岳(3026m)、聖岳(3013m)に登頂しているので、
3000m峰はこれで4座目になる。
9:00に山頂を出発し、下りの道に入る。
左手に見える藪沢カールの雄大な眺めが見える。
ここでポツポツと雨が降り出したので、レインコートを着た。
しばらく下ると道が二手に分かれていた。
右に曲がるコースは登りになっていて、
ちょっと面倒だなと思いながらも登ってみたら、小仙丈ヶ岳の山頂に着いた。
到着は10:00。
小仙丈ヶ岳は標高2855mで、さすがに仙丈ヶ岳よりは落ちる。
10:10に小仙丈ケ岳を出発し、ここからはひたすら下り。
5合目(大滝頭)には10:50に到着。
この辺まで降りるともう樹林帯の中だった。
ここでベルギー土産に買って来たチョコレートを皆で食べた。
ここで5分休憩。
4合目には11:15、2合目には11:30到着(11:42まで休憩)。
北沢峠にはPM12:05到着。
北沢峠の標識の前で使用後の記念写真を撮った。
昼食をどうしようかという問題があったが、
長衛荘で蕎麦などが出るそうなので、ここで昼食にした。
広河原行きのバスは1:15発だが、乗る人がかなり多く、
結局バス5台で出発した。
広河原には1:40到着で、
5分の待ち合わせで甲府駅行きのバスに乗り換えた。
甲府行きのバスも相当な台数が出るかと思いきや、
広河原からマイカーで帰る人が多いのか、
ここからもバスに乗る人は意外に少なかった。
(広河原より奥はマイカーの乗り入れは禁止されている。)
甲府駅には3:55到着。
時刻表では3:47に着くことになっているから、少し遅れたようだ。
下山後の温泉は、甲府駅から歩いて行ける「ホテル談露館」の
日帰り入浴を利用した(談露館には4:15着)。
途中の芦安温泉に入ることも考えたが、
バスの本数が少ないことを考えると不便。
湯村温泉の線もあったが、甲府駅からバスでこれも面倒。
そういう条件を考えると、今後南ア企画をやった際は、
ホテル談露館で温泉に入ることが多くなるかも知れない。
ホテル談露館の入浴料は1050円。
1階のロビーの脇がすぐ風呂になっていた。
露天風呂はなく、あまり大きくない内風呂があるだけだったが、
まあ良しとしよう。
泉質は硫化水素泉らしいが、無色透明であまり温泉らしくなかった。
温泉に入る前に5:55発の特急の指定席券をとっておいたのだが、
お腹が空いてきたし、ほうとうを食べたいという意見が出てきたので、
甲府駅に戻って指定替えをし、
6:55の「かいじ118号」で帰ることにした。
まだ1時間以上あり、これならほうとうを食べる時間は十分あったので、
駅の近くの「甲州ほうとう・小作」という店に入った。
ここで酒も入ったし、結構盛り上がれた。
「かいじ118号」では席を向い合わせにして4人座れたので、
ここでも結構盛り上がった。
また甲府始発ということで、結構空いていた。
これなら自由席でも座れたかも知れない。
ちなみに話の内容は、最近結婚したカップルのネタが多かったか。
あとは私の結婚式の時に見た、妻の兄と姉の話とか。
立川で猿さんが降り、残る3人は終点の新宿まで乗った。
新宿到着は8:36。
中央線に乗り換え、あきじさんは御茶ノ水で総武線に乗り換え、
タケちゃんは次の神田で山手線(もしくは京浜東北線)に乗り換えて
上野に出て、常磐線で帰った。
私だけが終点の東京まで乗り、9:00東京発の高速バスでつくばに帰った。
つくば到着は10:10。
妻がこの日から出かけていたので、
翌日は休みとはいえ洗濯などは自分でやらねばならず、結構大変だった。
今回、3連休のうち2日だけ使っての山行となり、
日程的にもだいぶ余裕があったので、
他の参加者には物足りない部分もあったかも知れないが、
山の景色や紅葉も素晴らしかったし、
最後にほうとうを食べて車内でも盛り上がったから、結構楽しめたと思う。
来年も南アルプス企画は立てたいと思っている。
北アルプスもいいけど、なにぶん遠いので企画するのが難しく、
しばらくは南アがメインとなるであろう。
甲斐駒ヶ岳&アサヨ峰、鳳凰三山の両方やれればいいけど、
どうなることやら。
今回参加できなかった人も、是非南アに行きましょう。
きっとハマると思いますよ。
長衛荘 0265−98−3130
大平山荘 0265−78−3761
藪沢小屋 0265−98−3130
馬の背ヒュッテ 0265−98−2523
仙丈小屋 0265−98−3130
ホテル談露館 055−237−1331
甲州ほうとう・小作(甲府駅前店) 055−233−8500