北岳バットレス報告
●のび太の報告
今週末はバットレスに行ってきましたが、
いろいろトラブル続きで、ジャニーズさんにおんぶにダッコで、
ようやっと第4尾根主稜を登ってきましたが、
なんだか、とってもカッコ悪く自分の限界を感じました。
金曜日に入って、今日降りてきたのですが、
北岳は金曜〜土曜の3時ごろまではよく晴れていましたが、
その後はガスって来て、日曜には朝からどんよりとしていて、
10時ぐらいから(運良くバス停についていました)
まともに雨が降ってきました。
(金曜の夜はものすごく美しい星空でちょっと感動しました。)
土曜日に登ったんですが、なんだか、登攀にめちゃくちゃ時間がかかって、
普通のクライマーなら3時間で行くところを、
6時間ぐらいかかってしまったので、
山頂が近づいてくると、ガスに入ってしまい残念でした。
まぁ、雲の切れ間に時々、甲斐駒や千丈がぼんやり顔をのぞかせたのは、
まだよかったかと思います。
!!!しかし、ブロッケンを見たのだ!!!
夕日の差してくる方向と逆側に厚い雲があり、
それをスクリーンとして自分の姿が、神様のように投影され、
影絵のように、体を動かすとちゃんと、動くのはとっても面白かったです。
あと、北岳は高山植物が豊富と聞いていましたが、
確かに、北アルプスなどでは見られないようなものもたくさん有り、
とてもきれいでした。
すぐさま大急ぎで、降りなければいけなかったのが残念で、
あの山なら、一度植物でもゆっくり見るために、
ハイキングに行ってもいいなと、思いました。
(北岳は今までは2月に池山吊尾根から単独行で往復したことがあるだけで、
雪に覆われて植物なんて、ぜんぜんわかりませんでした。
冬は広河原までバスが入らないし、雪崩が多いし、
大樺沢にはまったくメリットがないのです。)
どんな、アクシデントがあったか。
(1)私の古いテントを持っていっていたので、
設営中アルミのポールが折れてしまった。
(ジャニーズさんのアイデアで何事もなかったかのように修復できた)
(2)第4尾根取り付きのためのBガレーの位置を間違え、
1時間で行けるところを3時間もかかってしまった。
(3)Bガレーが雪渓で埋まっていてとても登りにくく、
手を掛けた岩(70〜80cmぐらい?)が落ちてきて、
ちょうど下の岩との間に小指を挟まれつぶしてしまった。
(骨には異常がなさそうで、単に扁平になって裂傷が起こっただけのようで、
余り痛くなかったので続行した)
(4)沢の場合は水に囲まれて登るわけだし、
冬の場合は水は燃料で作るもので、
今まで、水を持ち歩く山登りと言うのをほとんどやったことがなく、
さらに、登攀中、緊張していて、余り行動食を取っていなかったので、
下山中に、体がしんどくて、胸がむかついて歩けなくなった。
ジャニーズさんに荷物を持ってもらい、へろへろになりながら、
なんとか大樺沢の沢筋までたどり着き、
沢水を500mlぐらいがぶ飲みしたところ急に元気になって、
(それまでは、原因がわからなくて、やっぱり自分は体力がないんだなぁ、
と思っていたのですが、水不足だったのかぁ、と驚きました。)
(5)お池小屋から広河原までの下山路の途中で
足をひねって捻挫をしてしまった。
(6)久しぶりの山で、忘れ物がいっぱい。
ヘッドライト(探したけど見つからなかった)ナイフ・食器など
ただ、最初、岩の経験のあるジャニーズさんに
(私はまともなロッククライミングは初めてでした)
登ってもらおうと思っていた、このルートで、
一番難しい5級(A0)の3mの垂壁を
ザイルのピッチ区切りのミスから期せずして、僕がトップで登ることになり、
怖くて怖くて死にそうな気持ちになりましたが、
なかなか、思い出になりました。
(もっとも、ハーケンを手でつかんで腕力で強引に登ったようなもので、
まったくカッコ悪い登り方ですっきりしませんでしたが・・・)
今回の経験で、岩に関してかなり印象が変わりました。
僕はもっとすっきり垂直で、ビレーなども、5〜10cmぐらいの足場で
セルフビレーを頼りにやるのかと思っていたのですが、
さすがに、山で地形は結構複雑で、ちゃんと、腰をおろして、
ビレーが取れるような安心感のある場所がそこここにあり、
そういう意味では思っていたような怖さはなかったです。
全体が一つの岸壁登攀というより、
1ピッチ、1ピッチのクライミングがずっと続いていく、そんな印象でした。
ところで、バットレスの写真などが出ているホームページを見つけました。
http://www.mts.chiba-u.ac.jp/photo/minamial.html
ですが、一番上の岩登りルート紹介のところに写真上に線を引く形で、
第4尾根も出ています。
また、11.番の北岳第4尾根
http://www.mts.chiba-u.ac.jp/photo/kitadake/mattib.jpg
には、第4尾根のほぼ全景をおそらく中央稜から
撮ったんではないかと思われる写真があります。
赤い服を着た人がポツンと一人立っているところがマッチ箱の頭で、
そこから稜線上を左へ下がって行くと、
白い雪か岩(?)が三角形に光っていますが
そのすぐ右の部分がこの登攀の中では一番難しいところです。
●ジャニーズからのレス
>今週末もバットレスに行ってきましたが、
のび太さん、お疲れさまでした。いろいろとありがとうございました。
>(金曜の夜はものすごく美しい星空でちょっと感動しました。)
のび太さんは確か星にも詳しかったですね。
いろいろ聞いておけば良かったです。
でもその頃、僕はテントの中で熟睡していたみたいですが・・・(^^;)
>!!!しかし、ブロッケンを見たのだ!!!
いやあ、僕もあれには感動しました。自然現象って不思議ですね。
>あと、北岳は高山植物が豊富と聞いていましたが
>確かに、北アルプスなどでは見られないような
>ものもたくさん有り、とてもきれいでした。
きれいなお花畑でしたね。
花に詳しくないので、どういう花かわからないのが残念でしたけど。
>どんな、アクシデントがあったか。
いろいろありましたけど、計画どおりに登れてよかったです。
ではまた。