◎焼岳山行報告(by猿)
猿です 無事に焼岳から帰ってきました。コアラさん、S本さんと同じく、
上高地は最高の天気でした。
【目的地】焼岳(2446m)
【日時】2003年10月17日(金)〜19日(日)
【メンバー】猿、不二子、pooh
【コースタイム】
10月17日
上高地バスターミナル 06:15 - 小梨平キャンプ場
- 06:33〜07:30 - 焼岳登山
口 - 08:19 - 最初のハシゴ前 - 09:20 - 焼岳小屋
- 10:17〜10:35 - 焼岳山
頂 - 12:06〜12:41 - 焼岳小屋 13:41 - 焼岳登山口
- 15:23
●新宿から上高地へ
直前まで不二子さんの参加が決まらず、やきもきしたが、どうにか参加できるこ
とになる。横浜在住のpoohさんは横浜そごうからシャトルバスで新宿都庁前のバ
ス停へ。猿はテント用品が入った大型ザックを背中に、登山用の小型ザックを胸
に、さらに不二子さんのシュラフとマットが入ったダッフルバッグをたすきにか
け、手にはバスの中で飲むための缶チューハイが入ったコンビニ袋を下げるとい
う不審な格好でバス停へ。不二子さんはチケットの事前購入ができなかったので
ここで直接購入することになっていたのだが、集合時刻を過ぎても姿を見せず、
やきもきしていたら登場。井の頭線で人身事故があって遅れたのだという。
事前にチケットを購入していた猿とpoohさんは1号車へ、不二子さんは4号車。4号
車はさらに人身事故があった東横線からの乗客を待って出発が遅れる。
ぼくらの乗った1号車はほぼ満員。後部座席だったが、すぐ後ろにおじさん・おば
さんグループがいて消灯後もべちゃべちゃうるさいので、さすがに静かにするよう
注意した。
18日の05:40時、バスは沢渡へ。ここで上高地と乗鞍へ乗客が分かれ、上高地行き
は低公害バスに乗り換える。
上高地バス停には予定より15分程度遅れて06:15着。すでに4号車の不二子さんが着
いてぼくらを待っていた。
ここから歩いて15分ぐらい上流の小梨平キャンプ場へ。猿が間違えて河童橋を渡っ
てしまった。キャンプ場で受付をすませ、とりあえずテントを張って不用な荷物を
中に入れて身軽になる。
●本物の猿に見送られて焼岳へ
バスターミナル横で登山届を書いて提出。そのまま梓川沿いを下流に下る。途中、
猿(本物)の集団に出くわす。
田代橋で右岸に渡る。去年の山ML企画で記念撮影をした西穂高登山口前を通過。な
ぜ、ここは門があるのだろうか。
しばらく進むと焼岳登山口に着く。登山口に入るととたんに道がぬかるんで、一瞬
燧ケ岳の登山道を思い出したが、その先は乾いた道だった。足元にはダケカンバな
どの落ち葉が積もり、森林特有の甘い香りが漂う。
ずっとゆるい登りで、不二子さんもそれほど遅くなることはなかった。登山道に入っ
て1時間ぐらいのところで、最初のハシゴが見えてきたので小休止。実は不二子さん
はハシゴより斜めの鉄橋を怖がってしまう。さらにアルミハシゴを2段重ねたその先、
鎖場でビビッてしまい、足が止まる。
しばらく行くとなだらかな草原なのだが、彼女はかなりバテたようで足が重い。それ
でも10時過ぎには「小屋まで121歩」の岩へ。poohさんはほぼ121歩だったが、ぼく
と不二子さんは前がつかえていたせいか、121歩では着かなかった。小屋で小休止。
キャンプ場から2時間45分ぐらいで着いているので、まぁ、ここまではいいペース。
小屋を出発して間もなく展望台。穂高、槍、笠ヶ岳などがすばらしい眺め。ここから
少し下り、大きな岩がある中尾峠?で不二子さんのザックをデポする。
この先はかなり急な登りとなる。poohさんが先に登り、不二子さん、ぼくの順番。
それまではあまり人がいなかったのだが、このあたりから下山してくる人たちが急に
増え、登山道が渋滞する。なんでも関西から80人の集団がきているとかだった。みん
な元気なジジババたちである。
あちこち、登山道の横でも湯気が上がり、硫黄の臭いがただよっている。
焼岳山頂には12時過ぎに到着。キャンプ場から4時間半、コースタイムだと4時間15分
ぐらいだから、ほぼコースタイムである。不二子さんは自分が足を引っ張るのではな
いかと心配していたが、これなら普通だろう。
頂上はとてもすばらしい展望。北アルプス全貌がぐるりと見渡せる。ぜひ次回は穂高
に登りたいと思った。
「焼岳」と書かれた柱がグラグラしており、文字も見えにくい。もう少し立派な看板
があっても良さそうなもの。頂上から写真撮影にかなり時間を取り、30分近くもいて
しまった。
下りはかなりの渋滞。コースタイム40分のところを1時間かかって焼岳小屋へ。ここで
は立ち止まりもせずに通過する。さらにその先、下りは得意なはずの不二子さんがハシ
ゴ、鎖場で立ち往生。鎖場では前向きに降りようとして鎖を掴めず、後ろから来た老夫
婦にアドバイスされる。垂直2段ハシゴや斜めの鉄橋でもビビり、高所恐怖症ではない
かとショックを受けていた。
その先は順調に紅葉の道を歩き、コースタイムよりは早めに下山できた。
●温泉に入り損ねる
帰りは田代橋を渡らず、梓川の右岸を歩き、去年みんなが入浴した上高地温泉ホテルや
ウエストン碑、みんなが宿泊した西糸屋山荘などの前を通り、河童橋を渡り、キャンプ
場へ。
poohさんがキャンプ場受付にある温泉の情報を見てきて、上高地温泉ホテルよりもだい
ぶ手前、西糸屋の隣にある村営アルペンホテルで日帰り入浴ができるというので行くこ
とにした。実はキャンプ場にも風呂があるのだが、トイレがあまりきれいでなかったの
で、敬遠。
15分ぐらいだろうか、アルペンホテルにたどり着くと、なんと入浴時刻は朝6時から10
時、12時から14時と張り紙があり、とっくに過ぎていた。従業員に聞いたら上高地温
泉ホテルもすでに終わっているというので、とぼとぼとキャンプ場に帰る。
夜はpoohさんが持ってきた食材でキムチ鍋。肉、野菜、豆腐がたっぷりと入る。最後
はうどんを入れて絞めた。それと焼酎。テントから顔を出したら、頭上は満天の星空。
天の川もはっきり見た。
ただ、poohさんと不二子さんがしゃべっている間に猿はいびきをかいて寝ていたらし
いです (^^;
●朝焼けの穂高
目がさめると5時半。あわてて起きだしたらすでに空は明るくなっている。ただ、この
場所では日の出は見えない。
だんだんと目の前の穂高が朝日に染まっていく。三脚に一眼レフを付けて写真を取り
まくる。一番高い奥穂からだんだんと他の頂上が朝日に染まっていくのは幻想的だ。
poohさんも置きだして土手で、不二子さんはテントの中から穂高を見ている。焼岳も
頂上から朝日に染まっていくのだが、ぼくの28〜50mmレンズではちょっと遠すぎる。
poohさんがトイレに行っている間にだんだんと下流に移動した。河童橋には大勢のカ
メラマンが陣取っているので、そこまで歩く。河童橋を渡って岳沢からの流れが梓川
にそそぐあたりがベストポジションらしい。
三脚を立ててかまえていると、前穂?の下、紅葉の樹林にぽっかりと朝日があたり、
とてもいい雰囲気。周りのおじさんたちもシャッターを押している。
しばらく写真を取り、キャンプ場に戻ると不二子ちゃんが。なんとぼくが消えてしま
ったので二人で探していたのだという。poohさんが大正池まで行ったのではないかと、
とりあ
えずバスターミナルあたりまで探しに行くが見つからず。仕方ないのでテントに戻り、
携帯電話で連絡する。田代橋の手前、猿(本物)の集団の中にいたという。
poohさんが帰ってくるまでに朝食を作ろうと、食器を洗い、鍋を火にかけるのだが、
なかなか沸かない。夜中ボンベをテントの外に出しておいたので冷え切ってしまった
ようだ。
肉を入れ、餅を入れ、野菜を入れたのだがいまいち火力が弱い。これではいつまで
待っても朝食ができそうにない。そこで、お湯が多すぎたのと飽く取りをかねて肉・
野菜を煮ていた鍋のスープを多めに食器に開け、そこにボンベを入れたらいきなり
ゴーっという大音量で火があがり、あっという間に沸騰した。餅・野菜・肉入り棒
ラーメンで朝食。
●朝の温泉と地ビール
荷物を整理し、昨夜入り損ねたアルペンホテルへ。着いたのは9時過ぎ。1時間ないが
十分であった。男湯からは目の前に穂高が見える。
お風呂から出て、2階のロビーで上高地地ビールを飲む。バイツェンという無ろ過の
生ビールが500円。ろ過してないので澄んでないが酵母が生きており、フルーティな
香り。焼岳が見えるソファでしばらくぐったりしてしまう。
●嘉門次小屋で岩魚の塩焼き
ビールを飲んでテント場に戻る。ここから梓川の左岸を通って明神へ。ぼくにとって
は5月槍岳登山で通った道だ。昼前ということもあり、登山客はあまりいないが観光
客がとても多い。
明神からは目の前に前穂が迫ってくる。写真を撮っていたら、嘉門次小屋の前で岩魚
をさばいているのが眼に入った。さばくというのか、次々と大型カッターで頭を殴っ
て気絶させ、腹を裂いて串に刺している。これは食べたいというので奮発し、1匹900
円の塩焼きをオーダー。もちろんビールと日本酒も。
ところが、ここで気づいたら12時を回っている。塩焼きはできるまで20分かかるとい
う。河童橋まで1時間、バスの集合時刻は13時半だ。テントの片付けもいる。まぁ、
大丈夫だろうということで岩魚の塩焼きを待つ。囲炉裏端で焼かれた岩魚は頭から骨
も全部食べることができた。とてもおいしくて感動する。
とは言うもののあまり岩魚の余韻に浸る余裕もなく、嘉門次小屋を後に。行きとは逆
に梓川右岸の遊歩道を下る。木道があったりして左岸とはだいぶ雰囲気が違う。急が
なければいけないというのに、途中、とてもきれな光景があって写真撮影に没頭し、
二人より遅れてしまう。最後は猛烈なダッシュしたら、どこかで抜いてしまって先に
テントへ。
●人で溢れるバスターミナル
5分でテントをたたみ、それぞれ荷物を持ってバスターミナルへ。
近づくと並んでいる人たちの列が目につく。まさかこの列ではあるまいと思ったら、
「さわやか信州号」の乗客はすでに予約済みということで、この列に並ばなくて済
んだ。受付を済ませ、トイレに行き、おみやげを購入。poohさんが3人分の「おやき」
を買ってきてくれた。
ここで不二子さんとは別れる。
バスターミナル手前の道路にバスが路上駐車しており、ずっと片側通行で渋滞してい
るという。
さらに中央高速小仏トンネルの先では事故渋滞があり、予定より2時間以上遅れて21
時過ぎに到着した。poohさんはそのまま横浜まで直行。不二子さんは自宅へバスで
直帰、ぼくは中央線なのでここで解散した。
これまでにない好天、すばらしい紅葉を堪能できた。不二子さんもさほど遅れるこ
となく着いてこれたので、今後の山行にだいぶ自信がついたのではないだろうか。
それにしても穂高に登りたいものである。
◎不二子のレス
不二子です。お疲れさまでした。
猿さん、詳しい報告をありがとうございました。
心配していた筋肉痛も、普通に走れるくらいなので大丈夫です。
上高地は知り合いが絶賛していたので、一度は歩いてみたかった場所でした。
またテントの中から満天の星空を見ることも夢だったので
2つも願いが叶って私にとっては、うれしい山行きになりました(^-^)
またキムチ鍋&ラーメン鍋は絶品でした♪
猿さん、poohさんのおかげで無事帰ってくることができました。
また、沢山のアドヴァイスをいただき、本当にありがとうございました<(_
_)>
今回の山行きは、自分の課題が明確になり
とても有意義な経験を積むことが出来ました(^-^)
> 実は不二子さんはハシゴより斜めの鉄橋を怖がってしまう。
> さらにアルミハシゴを2段重ねたその先、鎖場でビビッてしまい、足が止まる。
元々、下が見える螺旋階段が怖いので腰が引けてしまいました(>_<)
下りの時はもっと怖くなり、足が震えて大変だったので
やっぱり高所恐怖症とわかってショックでした。
> これまでにない好天、すばらしい紅葉を堪能できた。不二子さんもさほど遅れるこ
> となく着いてこれたので、今後の山行にだいぶ自信がついたのではないだろうか。
> それにしても穂高に登りたいものである。
猿さん、ありがとうございます<(_ _)>
自信がつくというよりは、自分のことがよくわかった山行になりました。
ひとつずつ、クリアしていきたいと思います。
いつか自分の目標の山に登れるように頑張りたいと思います。