唐松岳山行(五竜岳断念)報告
◎猿の報告
猿です。
いろいろありましたが、全員無事に下山し、私は22時前に帰宅しました。
タイトルにあるよう、悪天候のため五竜岳は断念し、唐松岳のみ登頂。
以下に私の撮った写真を掲載しました。
http://www.erde.co.jp/~masaru/karamatsu/
◎イトヤンの報告
唐松岳登山に参加されたみなさん、お疲れ様でした。
猿さんの報告にあるように五竜岳へは行けませんでしたが、
次回は別なルートで登ってみたいと思います。
一昨年八方根スキー場を訪れたとき兎平の辺りから眺めた唐松岳がとても雄大に
見え、いつか登ってみたいと思うようになり今回の登山に至りました。
天候もあまり良くありませんでしたが、
自分の撮影した写真の中には結構よく写っているものもあり、
やはり行って良かったと思っています。
少人数ゆえにまとまりも良く、楽しい2日間を過ごすことができました。
来年も北アルプス方面に登山に行く計画をたてたいと思っているので
またよろしくお願いします。
◎猿の報告(詳細版)
猿です
先月7月20日〜21日の唐松岳山行ですが、私からも報告します。
【目的地】唐松岳(2696m)
【日時】2003年7月20日(日)〜21日(祝)
【メンバー】イトヤン(リーダー)、リン夫妻、タケちゃん、猿
5人
【コースタイム】
7月20日
八方バス停 08:00 - リフト第1ケルン駅 09:00
〜 09:10 - 唐松岳頂上山荘
12:46 〜 13:13 - 唐松岳頂上 13:32 〜 13:38
- 唐松岳頂上山荘
7月21日
唐松岳頂上山荘出発 07:42 - 第3ケルン 09:30
〜 09:48 - 八方池山荘 10:30
- ゴンドラうさぎだいら駅 11:03
府中の自宅を20の0時前に出て、国分寺から中央線で立川へ。
立川でムーンライト信州81号に乗る。
指定席はばらばらに取ってあるし、
今回同行する人達の携帯電話番号を知らなかったので
他の人がどこに座っているかは全く分らない。
夕食後はすごく眠たかったのだが、
夜行に乗ったら妙に目が覚めてしまい、なかなか寝ることができない。
明け方ぐらいになってようやく寝る。
●下車駅を間違える
本来ならば終点の白馬駅下車なのだが、寝惚けていたのか勘違いしてしまい、
一つ手前の神城駅で降りてしまう。
気が付いたら目の前の車両にリン夫妻がいて、
この電車だと手を振っているのだがドアは閉まり、列車は出て行く。
幸い、駅員がいたので尋ねたところ、
20分後ぐらいに大糸線の始発列車が来るというので、
それで追いかけることにした。
この列車はワンマンカーで、
停車しても外側からボタンを押さないとドアが開かない。
車中でイトヤンさんより電話。
あきじさんに電話してぼくの携帯の番号を知ったという。
早朝からお騒がせしました m(_ _)m
6時過ぎ、無事に白馬駅で他のメンバーと合流できた。
●真代ちゃんの靴が…
バスで数分の八方バス停へ。
ここの待合室でゴンドラが動き出すのを待っていたら、
ナイスバディちゃんの靴が壊れていることが発覚。
ゆっこたんのお古なのだが、よくあるウレタンミッドソールの剥がれではなく、
ソールがもうボロボロに崩れている。
とりあえず接着剤と針金で応急修理したが、この靴では登山は無理と判断。
駅前の観光協会に問い合わせ、
早朝からやっているスポーツ用品店を教えてもらう。
リン夫妻が買物に行っている間、我々は待合室で仮眠する。
しばらくしたらハデなオレンジ色の新品の登山靴を履いた
ナイスバディちゃんが到着。
●八方尾根へ
8時に待合室を出発し、民宿やホテルが並ぶ抜けてゴンドラへ。
ここで八方池までの片道通し券を購入。
荷物の重量を計られ、10kgを超えていると荷物料金を徴収されるという
(体重はいくら重くてもいいのに)。
ぼくは水筒を抜いて計量。無事にパス。
ゴンドラ終点のうさぎだいら駅手前では牛が放牧されていた。
その後、リフトを2本乗り継いで八方池山荘へ。
リフトはやたら低くて足が地に着きそうだったけど、
花の季節だから下げてあるのかな。
途中、コースは左右に別れるが我々は右手、八方池の方を通る。
天気は悪くガスがかかっており、展望は悪い。
ただ、高山植物の開花まっさかりであり、美しいお花畑が続いている。
途中、ところどころ雪渓も残っている。
ヘリが何度も何度も頭上を低空飛行してうるさかったが、
後で遭難者の救助に来たヘリだったと判明。
丸山ケルンを経由してそのまま唐松岳へ登れるのだが、
知らないで荷物を下にデポしてケルンまで登ったため、
また下って登り直すハメに。
●ガスの唐松岳山頂
丸山ケルンを越えると急に尾根が痩せて来る。
ガスの切れ間、谷を隔てて不帰キレットが目の前に広がる。これぞ北アルプス。
唐松岳頂上山荘の手前、けっこう急なザレ場をトラバース。
途中でとうとう雨になってしまい、全員レインウェアを着込む。
足場は悪いし手は冷えて来る。
道を曲がって小屋が見えた時はほっとした。
小屋前で昼食を取るなどしてしばらく休み、
荷物をデポして20分ぐらいの唐松岳山頂へ。
山頂はガスでほとんど何も見えない。
●牛首ノ頭岩場で引き返す
寒いのでさっさと降り、小屋で荷物をピックアップし、五竜岳へ向かう。
しかし、歩き始めて10分ぐらいにある牛首ノ頭岩場で進行がストップ。
滑落したらただでは済まない急な斜面で、
鎖はあるのだが何しろ雨で足元が濡れて滑べる。
雨具を着ていると視界も悪くて、余計動きにくい。
さらにこの時点で14時近く。
北アルプスでは小屋に入るべき時刻だし、
我々パーティの速度を考えると五竜山荘に着くのは17時か18時か。
ここで前進を諦め、唐松岳頂上山荘に戻って宿泊することにした。
●唐松岳頂上山荘
幸い、悪天候のせいか小屋もそれほど混んでない。
唐松岳側の西館に泊まったのだが、
ここは長い廊下の左右に2段ベッド式に部屋が並んでいる。
上下階とも立って歩くことはできない。
だいたい1部屋が4畳ぐらいだろうか。
廊下側はカーテンがあるだけで手摺がないのはちょっと恐い。
だがラッキーにも一人布団一枚で寝ることができた。
靴を各自部屋の下まで持参するため、廊下が砂っぽいのが気になる。
やがて酒盛り開始。
500ccペットボトルに詰め替えて持参した焼酎や缶ビールを飲む。
夕食は北アルプスの小屋だけあって豪華。ハンバーグと魚だったかな?
五竜岳については、翌朝晴れていたら再挑戦することにした。
帰る列車の時刻を考えると夜明け前に小屋を出る必要がある。
朝食は5時半からなので、朝を弁当にしてもらった。
最初夕朝+弁当の3食で申し込んでおいたので、
1食分を返金してもらうなど、小屋に手間をかけてしまった。
夜中の1時過ぎ、廊下をへだてて向かい合う部屋の爺たちが
朝と勘違いしたのか大声で喋り出す。
あまりのうるささに林さんが静かにしろと一喝。
●五竜岳断念
4時前に起きてはみたものの外は雨。
これでは牛首ノ頭通過は無理と判断し、あっさり寝直すことにした。
朝飯を弁当にしてもらったので味噌汁やお茶がないのがうらめしい。
自炊室を借りてお茶だけは自分たちでわかして飲む。
帰りはずっと下りだし、コースも分っているし、時間の余裕もあるので楽勝。
小屋の前で一瞬だけガスの中から唐松岳が全貌を表した。
下山途中、人だかりがあるので何かと参加したら雷鳥の親子連れ。
小さな雛が2羽ほど母親について歩いている。
やがて母親は雛たちを下に隠してしまった。
八方池では行きと逆コースにして上を通る。ガスが濃い。
八方池山荘からリフトを使わず、第一ケルンの横をリフト1本分は歩いて下る。
池にサンショウウオか、見たことのない卵がたくさんあった。おたまじゃくしも大勢。
一瞬だけガスの切れ間に白馬、杓子、白馬槍が見えた。
うさぎだいら駅でソフトクリームなどを食べてくつろぐ。
ちょうと山の版画家、畦地梅太郎展が無料でやっていたのでのぞく。
オリジナルプリントには10万円から200万円まで値段が着いていた。
さすがに手が出ないので無料のポスターをもらう。
展覧会会場を出てゴンドラ乗り場に向かうと、開口部からガスが吹き込んで来る。
前のゴンドラすら見えなくなってしまう程視界は悪い。
山麓駅について振り返って見たら山の中腹からすっぽり雲に覆われていた。
ふもとの蕎麦屋で蕎麦を食べ、そこで教えてもらったホテルで立ち寄り入浴。
皆さんは八方からバスで白馬駅へ行き、そこからJR、
ぼくは八方から高速バスで帰京ということで八方バス待合所で分れる。
帰りの高速バスは中央道が上野原あたりから渋滞し、
予定より1時間遅れて新宿に到着。無事に帰宅できた。
●リベンジを願う
というわけで今回の唐松岳は悪天候、
トラブルに見回れて目標だった五竜岳を断念せざるをなかった。
また視界も悪く、回りの景色を楽しめなかったのが残念。
結果として非常に楽な山行となったが。
次回、ぜひリベンジしたいと参加者一同の声だった。
なお、調べてみると牛首ノ頭はかなりの難所、
1時間近い下りであり、過去に滑落遭難事故も起きている。
特に雨の日は注意ということで、
引き返した我々の判断は間違っていなかった。