らくきょ夏山合宿(木曽駒ヶ岳・宝険岳)登山記録 byコアラ


らくきょ夏山合宿に参加させていただいた、コアラです。
そもそも、私自身は公私共に薬とは余り関係のない生活を送っております
(とは言っても大正製薬のファイト一発「リポビタンD」は
結構愛飲させていただいてはおりますが)。
今回合宿に参加しましたのは、
私がメーリングリストにGWの浅間尾根・三頭山登山
(数馬での露天風呂・山菜料理三昧付き)企画を流したところ
(この企画自体は私の都合により流れたのですが)、
NSさんから昨冬に雪の数馬に行ったことなどのメールをいただきました。
その後何度かメールのやりとりをしながら、
お互いのこれまでの山行経験等を情報交換していたのですが、
その中で今回の夏山合宿に誘われました。
中央アルプスは全く初めてでしたし、
大勢の人数で山稜部でのテント泊(山小屋泊になりましたが)は未経験でしたので、
良い機会かと思い、力量不足ながら参加させていただくことにしました。
と言うわけで、今回の山行の記録と感想を、書かせていただきます。
加えて、料理の感想も。

今回は、MSリーダをはじめ、NSさんほか皆様のおかげで、
楽しく登山することが出来ました。
心からお礼申し上げます。
また、MSさんの凝った料理にもビックリいたしました。
いつも私は山では粗食ですので、いつもと違う山行を楽しませていただきました。
また、皆さんの酒好きぶりにも脱帽です。また、ぜひ誘って下さい。

●1999年7月29日(木)
新宿発7:30の「あずさ」(私は秋葉原から乗った)に乗り、
岡谷駅で下車したら、既にNSさんがホームで待っていた。
MSさんとNJさんとの4人で1つのボックスを占めて飯田線へ。
飯田線はローカル線のくせに駅間が短い。電車の中で昼食として駅弁を食べる。
伊那盆地は天気はまあまあだが、木曽山脈には雲がかかっている。
駒ヶ根駅で全員が揃って、バスとロープウェイで千畳敷へ。

千畳敷に着いたら雨がひどくなったが、
しばらく待っていると雨が小降りになってきて、
ガスが切れて千畳敷カールが姿を現す。
初めて目のあたりに見る氷河地形に感動を覚える。
食料等の荷物を皆で分担して、13:30頃登り始める。
千畳敷カールをトラバースして、八丁坂の急坂に入る。
結構な荷物量と急な登りで息が切れたが
(とは言っても、その後8月に行った大雪〜トムラウシ縦走と比べたら、
たいしたことは無かったが)、小一時間ほどで稜線(乗越浄土)に着き、
2:30頃には天狗山荘に到着。
山小屋に泊まるのは、GWの大岳山荘以来である。

ガスっていて風が強かったため、外には出ず自炊場にて夕食の準備を始める。
荷物を軽くするために防寒着を持ってこなかったのだが、
結構小屋の中も寒くて失敗。
タマネギ・ナッツ炒めは作り方は簡単でかつなかなかの味で、
酒のつまみには最高。
鶏糸金針湯も鶏肉と山菜?がマッチして、冷えた体を温かくしてくれて最高。
ゴーヤ・チャンプルーもなかなかの味だが、
ちょっとニガウリはニガと付くだけに苦手でした。
夜は私は直ぐに熟睡してしまったが、
風の音やイビキで眠れなかった人が多かったらしい。
次の日は犯人探しで大変であったが、
どうやら私は犯人ではなかったようだ。

●7月30日(金)
2日目も相変わらずの天気であった。朝食はソバパンケーキとニラ炒めインド風。
ニラ炒めはカレー味が疲れた体に美味しく、食欲をそそる。
ソバパンケーキはソバガキみたいな感じで、
ちょっと食べただけで結構腹が一杯になってしまい、余り量は食えなかった。

6:30に天狗山荘を出発。
中岳を通って、7:05には日本百名山の木曽駒ヶ岳に到着する。
百名山としては26座目である。
今年に入ってからは、開聞岳、霧島、両神山、北岳に続いて5座目となる。
何処が山頂かわからないようなだだっ広い頂上でしたが、そこで記念撮影。
残念ながらガスのため、いつまで待っても展望は望めず。
7:20には山頂を出発し、7:50に天狗山荘到着。

その後クサリ場が続く宝険岳を目指す。
山頂には8:30に着いたが、なんとも狭い山頂で、全員での記念写真は無理。
本当のてっぺんに立つのは困難である。
そこからが今日のハイライト。宝険岳の南陵は、難所、クサリ場の連続。
雨と風で、手は滑るはバランスは崩すはで大変であったが、
幸か不幸かガスで下が見えないので、恐怖心は余り無い。
慎重に降りて、極楽平に着いたのは9:20であった。
天候が悪いので、三ノ沢岳に行くのはあきらめる
(三ノ沢岳への分岐は極楽平よりは手前)。
誠に残念ではあるが、風雨の中の稜線歩きは辛く、
見晴らしも悪いとなれば、仕方あるまい。
ネクスト・チャンスである。
あのクサリ場をまた戻るのは勘弁という声もあり、千畳敷に下りることにした。
これが後で偶然の出会いをもたらすことになるとは。

千畳敷駅に10:0に着き、早いお昼とする。
防寒着を余り持たないため寒くてたまらない私は、
駅に入って缶コーヒーを飲んで、暖をとっていました。
私の横で、作業着を着た若い女の子がしゃがんで何か資料を見ている。
観光地なのに作業着とは珍しいな、仕事かな?と思って見ていると、
どうやら空中写真を実体視しているらしい。

注)※実体視−−ステレオ写真2枚を並べて、それぞれを片方の目で見ていると、
浮き上がって見えます。いわゆる3Dです。
空中写真でこれをやると、地形が浮き上がって見える(実体視)ので、
地形・地質調査などでは空中写真を実体視して判読し、地形分類などを行います。

地形を調査しているのかな?と思って作業着のネームを見ると、
なんと「建設省国土地理院」と書いてある。
ええーー、こんなところで同じ職場の人に会うとは。
それにしても、今年中央アルプスで調査するとは聞いていないし、
顔も知らない人だな?声をかけてみると、
彼女は今年採用の新人で、現在建設大学校で測量の勉強中だとか。
今日は、地形学実習で、
甲府盆地の扇状地や千畳敷の氷河地形(カール)を見学に来たのだとか。
女子生徒3人と教官(彼は私がヒラの時の直属の上司:係長でした)
と色々話しましたが、男子生徒は宝険に登りに行っている様。
最後に、来年度は私の所属する部を希望して来てくれるよう言って、
分かれました。

10:50に駅を出発して、千畳敷カールを剣ヶ池などを巡って散策。
途中八丁坂を登っている時、集団登山の高校生達とすれ違う。
先生が、水が漏れないからモレーンというんだと、駄洒落で地形を解説。
確かに池があるし、ナルホドと感心。

注)※モレーン(moreane:氷堆石)−−語源は仏語。氷河性堆積物の総称。
場合によっては、氷河によって運ばれてきた石が氷河の縁辺部に溜まって、
線状に連続した高まりの地形を形成するが、その地形を指す場合もある。

12:10には天狗山荘に戻り、後は飲み会をしながらひたすら英気を養う。
夕食は、ベーコンシチューとポテトサラダ、
そして昨日と同じタマネギ・ナッツ炒め。
シチューはトマトをたっぷり入れ煮込んであり、
体も温まりスタミナも付き味も美味しく、
今回最高の1品であった。
ポテトサラダもちょっと酸っぱかったが、それが疲れた体に美味しい。
タマネギ・ナッツ炒めは、私が作りました。
その晩も私は疲れて直ぐ(19時頃)寝てしまいましたが、
果たしてその晩のイビキ問題は?

●7月31日(土)
うって変わっての好天である。朝食はオートミールをにがうりを避けて流し込む。
5:50に天狗山荘を出発。伊那前岳に向かい稜線を歩く。
風は強く寒いが、見晴らしは最高である。
何人か本格的に写真を撮っている人達もいた。
空木岳が堂々とした山容を見せている。私は中アではこの山が一番好きだ。
ぜひ次回には、木曽駒から空木まで縦走してみたい。
遠くに目をやれば、南アの峰々(甲斐駒、仙丈、北岳、塩見など)や
富士山がくっきりと見える。その左に目をやれば、八ヶ岳連峰やその左に浅間が。
振り返ると遠くに、槍や乗鞍などの北アの山々が連なっている。
このような好天は、そう簡単には遭遇できない。
昨年の10月の苗場山以来である(この時も素晴らしかった)。
(実は8月の大雪〜トムラウシ縦走も阿寒や知床の山が見えるほど好天だった。
自分の晴男ぶりを再確認。)
北の方の山稜の下には、濃ヶ池と小さなカール地形が見える。
カール地形は自然の作る造形美である。
6:30には伊那前岳に到着。
NSさんとNJさんはロープウエイ経由で帰るということで、
今来た道を引き返し千畳敷に下りるため、ここで分かれる。

ここからはぐんぐん高度を下げる。私はビリの方から、ちんたらと付いていく。
そうこうしている内に樹林帯へと入っていき、
小屋場を過ぎ、8:30にうどんや峠着。
それにしても、皆さんそんなに速い歩きではないが余り休まないので、
私はだんだん疲れてきました。
ここから空木が見えるが、山道から稜線が見えるのはこれが最後。
一息入れながら名残惜しむが、
ここで私が今回新しく卸した帽子を無くしたことに気付き、ショック。

その後樹林帯の中の急坂をどんどん下りていって、清水平へ。
ここは名前の通り水場があるが、とても冷たくて美味しい。
ここで英気を養ってまた下っていくと、9:50には蛇腹沢の林道に出る。
腹も減ってきたので、ここで早い昼食をとる。
天狗山荘の弁当は900円だが、山小屋の弁当にしては、美味しくて良い。

この後小一時間の林道歩きだが、何となく順番もなく歩き始める。
皆さんのテンポが急に速くなり、私は付いていけなくなった。
一番ビリで、遅れてとぼとぼ付いていく。
10:55に北御所登山口のバス停に着き、無事2泊3日の山行が終了した。

直ぐにバスが来て、駒ヶ根駅に向かう。
バスは満員であったが、萱の台で大半が下りた。
実はここに日帰り温泉(早太郎温泉)があったのだが、
残念ながらその時は気付いていなかった。
駒ヶ根駅で解散。OSさんは高速バスで、名古屋に向かう。
東京組6人は温泉を探したが、駅近くには無く、臭い体のまま東京まで帰るはめに。
岡谷からは特急に乗ったが、
途中の上諏訪駅でNSさん、NJさんが同じ列車に乗るのが見えた。
どうやら、駅構内の温泉で一汗流したみたいだ。いいなあー。
(実は、8月21/22と蓼科山・霧ヶ峰に登ってきたのですが、
その帰りに上諏訪駅構内の温泉に入って来ました。)
新宿で皆さんと別れましたが、まだ午後4時台の明るい時間帯。
この日は隅田川の花火大会の日らしく、
浴衣を着た顔グロのコギャル達が新宿駅や上野駅を闊歩しておりました。
都会に戻ってきたなと実感しながら、
とっても臭い体でつくばへと向かったのでした。